Ginco、みやこキャピタル・DBJキャピタル・三菱UFJキャピタルから5.7億円の資金調達

Gincoが資金調達

ブロックチェーン技術インフラを提供する株式会社Gincoは、みやこキャピタル、DBJキャピタル、三菱UFJキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施し、総額約5.7億円の資金調達を実施したことを発表した。

みやこキャピタルは、京都大学認定ベンチャーファンド運営事業者。また、株式会社日本政策投資銀行グループのベンチャーキャピタルであるDBJキャピタルは、20年4月にもプレシリーズAラウンドの資金調達を実施。金融領域で暗号資産やセキュリティトークンの業務用管理システムの開発を主幹事業とし、安全なデジタルアセットビジネスの普及を後押ししてきた。

今回調達した資金は、採用・組織体制の強化およびブロックチェーン開発プラットフォームの構築に投資し、ブロックチェーンとデジタル資産の社会実装をより一層推進する。

調達の背景と目的

Gincoは、クラウドプラットフォームがインターネットの世界で果たした役割をブロックチェーンの世界で担うため、ブロックチェーンサービスの開発プラットフォームを構築してきた。

近年、金融市場の高度化や新型コロナウイルス感染拡大に伴う価値流通のデジタル化を背景として、暗号資産・NFT・セキュリティトークンといったデジタル資産市場が急成長している。暗号資産の全体時価総額は約3兆ドル、NFT市場の時価総額は約140億ドル規模に達する(2021年11月時点)

また、ブロックチェーン技術自体の活用需要も増加傾向にあり、市場規模は2030年までに4598億ドルに達する見込み(米国調査企業REPORTOCEAN社調べ(2021年10月時点)

活用需要が高まる一方で、ブロックチェーンサービスの開発では技術の複雑性や要求されるセキュリティ水準の高さが参入の障壁となっており、また参入企業がサービスの企画運営に集中することが出来ない要因となっている。

Gincoは、ブロックチェーン開発プラットフォームの提供によってインフラストラクチャ構築の複雑さとコストを取り除き、急拡大するブロックチェーン市場へのアクセスを簡易化することを目指す。

業務用システムパッケージを提供

さらに開発プラットフォームの提供だけではなく、それぞれのビジネス領域で求められる業務用システムパッケージを提供している。これにより、開発リソースに悩みを抱えた企業にも迅速なサービスの開始と業務体制の構築を実現する。

Gincoの業務用システムパッケージはセキュリティと利便性を高水準で両立したエンタープライズ品質であり、特に暗号資産交換業者等に提供する業務用暗号資産ウォレットの分野では国内No.1の実績を有している。

今回の資金調達は人材採用、組織体制の強化および各プロダクトと開発プラットフォームへの投資を目的とする。

みやこキャピタル 代表取締役 岡橋寛明 氏のコメント

Gincoは、ブロックチェーンを幅広い分野で社会実装していくための不可欠かつ卓越したテクノロジー基盤を有しているものと高く評価しております。Gincoが、来たるべきweb3.0的な経済社会においてプレゼンスをさらに向上させ、飛躍的な成長を遂げられることを期待しつつ、弊社として支援を継続してまいります。

DBJキャピタル 河合 将文氏のコメント

ブロックチェーン技術は、現在のユースケースである暗号通貨や今後応用が期待されるデジタル証券など、金融市場に大きな変革をもたらすと考えています。

一方、暗号資産の市場発展や投資家の参入拡大にとって、暗号資産を安全に管理することは最重要課題の一つになっています。

Gincoが提供する暗号資産管理ソリューションは、高い安全性と優れた業務適用性を同時に実現することで、そのような課題の解決に貢献するものと期待しています。

また、非金融領域においても、Gincoがこれまでウォレット開発で培った技術力を活かして、知的財産管理や電子署名管理など様々な分野におけるブロックチェーン活用が可能となります。テクノロジーの力によって公平性や真正性を担保していく新たな世界観を実現してくれるものと期待しています。

DBJキャピタルではブロックチェーン業界に長らく注目してきましたが、その中で今回初めての投資に至りました。代表の森川様をはじめ、高い志を持ったGincoメンバーの皆様と共に理想を実現すべく、DBJグループの総合力を活かして尽力し、ご支援させて頂けることを大変嬉しく思います。

三菱UFJキャピタル 投資第三部 部長 西尾祐一氏のコメント

今後、各産業界においてブロックチェーンが社会実装されていくに際して、ブロックチェーン技術に長け、既に豊富な業務用システムパッケージを用意しているGincoが、より多方面に活躍していく余地は十分あると思われます。

弊社でも今回の出資をきっかけとして、MUFGの一員としての強みを生かし、日本発の技術系ベンチャーである当社の事業成長に貢献して参りたいと考えております。

株式会社Gincoとは

ブロックチェーン開発基盤「blockchainBASE」、取引所向け暗号資産管理システム「Ginco Enterprise Wallet」、楽曲著作権管理システム「HashTune」等を開発。

その他、カストディOEMやウォレットOEMなどのソフトウェアモジュールや各種支援サービスを提供。コンサルティングから実装にいたるまで、ブロックチェーン活用に取り組む事業者の課題を解消します。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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