英国にはトークンエコノミーのグローバルリーダーになる素質がある:DAG Global 調査
- 英国のブロックチェーン企業への投資額は2年で3倍に
- 英国のブロックチェーン企業への投資額は、2016年3Qに約56億円だったが、2018年2Qには約170億円まで急成長。さらに、今後1年間で約750億円の資金が流入する可能性がある。
- 2022年から2025年にかけて「トークンエコノミー」への移行がピークに
- 現在、ブロックチェーン技術は金融以外にも浸透し始めている。今後、AIなどの技術と統合し、社会活動の大部分を担うようになる。仮想通貨などの代用通貨を用いる経済「トークンエコノミー」も発展する。
- 英国はブロックチェーンリーダーになる素質がある
- 英国はかつて金融のグローバルリーダーであった経験があることや、すでに多額の資金がブロックチェーン企業に投入されていることから、将来ブロックチェーンの世界的ハブになる可能性がある。
- トークンエコノミーとは
- 仮想通貨などの代用通貨を用いた経済。ブロックチェーン技術の台頭によって、企業や個人が発行する独自トークンが価値を持つようになり、注目が集まる。
DAG GlobalとBig Innovation Centerは英国のブロックチェーンの動向に関する調査結果を発表しました。
また、AIなどの技術とブロックチェーン技術との統合が進めば、英国は「2025年までにブロックチェーンの世界的な中心地になる大きな可能性」を持っているといいます。
ブロックチェーン企業への投資額は3倍に
DAG GlobalとBig Innovation Centerは、英国企業や政府のブロックチェーンに対する動向を調査した結果をまとめた1000ページ近くに及ぶレポートを発表しました。
調査結果によると、英国のブロックチェーン企業への投資額は、2年間で3倍に増加しました。
2016年の第三四半期には約56億円だった投資額が、直近の2018年第二四半期には約170億円になりました。
さらに、2017年から2018年にかけて、約750億円が英国のブロックチェーン企業に流入すると予想しています。
2018年は「トークンエコノミー」台頭の年
この調査では、2008年以降のブロックチェーンを取り巻く環境について、具体的にまとめられています。
ブロックチェーンの変遷と予想は、以下のようにまとめられています。
2008-2014年:ブロックチェーンの台頭
2008年、Satoshi Nakamoto氏がビットコインに関する論文を発表し、ビットコインの中核技術であるブロックチェーンに注目が集まりました。
2008年以降、ブロックチェーンの開発コミュニティが拡大し、金融分野などでユースケースが考案されるようになりました。
その一方で、政府による仮想通貨などの法整備は整っていませんでした。
2016年:ブロックチェーン産業の台頭
2016年頃から、数多くの企業でブロックチェーンの開発が積極的に行われるようになり、ブロックチェーン産業が本格的に始動します。
この時期には、ブロックチェーンが一般に広く認知されるようになり、政府による規制も始まりました。
2018年:「トークンエコノミー」の台頭
2017年から2018年にかけて、ブロックチェーン産業がさらに発達し、AIやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)などの技術とも統合されるようになりました。
また、LegalTech(法務サービスにITを導入する)などが認知されるようになり、ブロックチェーンのユースケースが金融以外にも広がりました。
また、多くの企業や個人がブロックチェーンの信頼性を担保にして、独自の仮想通貨を発行するようになり、トークンエコノミー(仮想通貨などの代用通貨を用いた経済)という言葉が広まりました。
2022-2025年:「デジタルエコノミー」から「トークンエコノミー」へ
予想によると、2022年から2025年にかけて、デジタルエコノミーからトークンエコノミーへの移行がピークに達します。
この時期には、ブロックチェーンなどの技術がファイナンス、法律、ガバナンスなどの社会活動の大部分に浸透すると予想されます。
英国はブロックチェーンやその他の技術を統合し、様々な分野に応用することで、この時期には「ブロックチェーンの世界的なハブ」になっている可能性があるとされています。
英国が世界のブロックチェーンハブになる理由
この調査では、英国がブロックチェーンのグローバルリーダーになる素質があると結論づけています。
英国は、ブロックチェーンのグローバルリーダーになる様々な素質を持っています。
- 英国議会がブロックチェーン技術を重要視している
- 金融業でグローバルリーダーになった経験がある
- ビジネスや法務などが先進的である
- すでに多額の資金がブロックチェーン企業に投資されている
「トークンエコノミー」において、世界のブロックチェーンハブには、ブロックチェーン技術を様々な技術と統合し、ファイナンスをはじめ、社会活動の大部分に応用する必要があります。
英国には様々なリソースが揃っており、これらを有効に利用すれば、世界のブロックチェーンハブになるでしょう。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します