仮想通貨の将来性、個人より機関投資家が強気との調査結果|底値と今後の価格推移の見解も明らかに
- 機関投資家はビットコインを強く支持
- 米投資リサーチ会社Fundstratが、機関投資家とTwitter上の個人投資家に行った意識調査を発表した。 機関投資家は個人投資家よりもビットコインは既に底を打ったと強く捉えており、来年以降も明るく見通している。
機関投資家と個人投資家の意識の違い
著名アナリストTom Lee氏が代表する米投資リサーチ会社Fundstratは10月4日に、機関投資家25社と、同社Twitter上の個人投資家9500人に対して行った意識調査 の結果をレポートで公開した。
先日、コインポスト で取り上げたのは個人投資家に行なった意識調査の一部となるが、これとは別に機関投資家に対しても同様の意識調査を実施、それぞれどのような結果が出るかを比較検証している。
以前、Bloombergの報道でも、ボラティリティの低下を理由に、OTC取引は機関投資家の割合がかなり高まっていると事実が明らかになっているため、このような意識調査は一つの参考資料として重要になってくるのではないかと思われる。
価格に関する意識調査
まず、はじめに価格面に関する意識調査について読み解いていく。相場に影響するマクロ要素とは?
仮想通貨市場に影響を及ぼすマクロ要素の関する調査の結果では、一般、機関投資家共に「中央銀行」が一位に選ばれたが、地政におけるリスクの項目のみ、機関投資家の選択が、個人投資家を5.1%上回っていることがわかった。
ビットコインに最も強気なのは機関投資家?
また、最も気になるビットコインの底値に関する意識調査の結果は、個人投資家と機関投資家の間に、かなり乖離が見受けられた。
投資家の種別に関わらず、多くの人がビットコインはもう底値を打ったと考えているものの、機関投資家の方が選択した割合が10%高く、より今後の相場に強気な姿勢を保っていることが明らかになった。
下図:機関投資家54%;個人44%
今後の相場は?
ビットコインの今後の相場に関する意識調査では、機関投資家はかなり強気な姿勢が見られ、57%がビットコインは来年1万5千ドル(約170万円)を超えるとの見方を示した。
一方、Twitter上の個人投資家は、これらの選択肢をとった比率は40%に留まっており、残り60%の個人投資家はその水準を満たすのは厳しいと考えているとのことだ。
優良な通貨に関する意識調査
今回の調査では、仮想通貨の価格に関してだけでなく、どの通貨を優良だと思うか?という意識調査も行われた。
Twitterの仕様により、個人投資家はビットコイン、EOS、イーサリアム、リップルから選択するという、かなり選択肢が限られている状況下の中で行われた調査であることから、確実な結果であるとは言い難いが、調査結果として公表されているので、記載する。
優良な通貨に関する意識調査では、Twitter上で行われた個人投資家に人気があるのは、多くの人が予想したと考えられるXRPであり、半数近く46%の人々によって支持されている。
次に一般投資家に選ばれたのはビットコインで、個人投資家の支持は31%となった。
対照的に、機関投資家の支持を集めたのはビットコインで、59%もの支持が一つの通貨に集まった結果が明らかになった。
次点ではEOSに支持が集まり18%となったが、XRPが唯一ゼロという結果になった。
投資意義についての調査
一方で投資意義がないのはどの通貨かという意識調査では、一般投資家と機関投資家共にXRPがBTCより高い比率となったようだ。
ビットコインと比べるとその差でたXRPだが、規制下での取引を重要視する機関投資家において、有価証券ではないとのSEC公式の結論が出ているビットコインの状況が調査結果に影響した可能性や、非中央集権制に関する議論が活発に行われている現在の状況が、一時的な調査結果に影響した可能性は考えられるだろう。
何れにしても、機関投資家は仮想通貨の長期的なビジョンを持っている見方が強いことが明らかになる調査結果となった。
このような動きは、米国大手マネジメント・コンサルタント企業Greenwich Associatesは、北米・ヨーロッパ・アジアの機関投資家を対象に仮想通貨の将来性に関してのアンケート調査でも仮想通貨は普及するとの答えが70%を超えたように、複数の調査で明らかになっている。
年初からの中長期的な下落で、一般投資家の感情は冷えてきていると思われるが、大きな金融機関の動きなどを含め、期待したいところだろう。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します