仮想通貨取引所コインチェック・クリプトアセット事業に関する要点まとめ|マネックスグループ事業戦略説明会

マネックスグループ事業戦略説明会に関する内容
マネックスグループ(8698)は12月12日、事業戦略説明会を開催。コインチェック・クリプトアセット事業に関する発表内容の要点を公表された資料を中心にまとめた。

マネックスグループ事業戦略説明会に関する内容

マネックスグループ(8698)は12月12日、報道機関向けの事業戦略説明会を開催した。

仮想通貨交換事業者登録制度に関する金融庁の言動も徐々に活発になってきたことを背景に、マネックスグループが2018年4月に完全子会社化した仮想通貨取引所「コインチェック」に関する情報も期待される形で、日本の仮想通貨業界では同説明会の内容が注目されていた。

本記事では、速報性を重視した形で、コインチェック・クリプトアセット事業に関する発表内容の要点を公表された資料を中心にまとめている。

・2019年主要イニシアチブに「仮想通貨の取引提供」

・米国セグメントにおける仮想通貨取引所開始の目標時期は、2019年第1四半期を目標

・第二の創業の新基盤をクリプトアセット事業に

・コインチェック 仮想通貨交換業者登録に向けた進捗を報告

・コインチェックの強みとは?

・対応予定の未来のトレンドにデジタル資産とブロックチェーン技術

・今後の活動に関して

2019年主要イニシアチブに「仮想通貨の取引提供」

マネックスグループは、2019年の主要イニシアチブの一つに、「仮想通貨の取引提供」を挙げた。

成長著しい米国セグメントにおける「トレードステーション」では、第1四半期までの仮想通貨取引サービス開始を目標としていると説明。国内でも同時期を目処に考えているものと思われる。

仮想通貨交換業のみならず、ブロックチェーン事業も積極的に推進していくとしている。

CoinPost編集部撮影

第二の創業の新基盤となるクリプトアセット事業

以前より言及していた、「グローバル・個人・新技術」の3つの視点で金融を再定義する事を、第二の創業に関する資料で説明。

CoinPost編集部撮影

新たなクリプトアセット事業として以下の2点を挙げた。

  • 仮想通貨交換業での確固たる地位の確立
  • 仮想通貨交換業に限らないクリプトアセットを活用したサービスを創造

コインチェック 仮想通貨交換業者登録に向けた進捗

また、最も気になるコインチェックの進捗状況に関しても説明を行なった。

最新の進捗状況としては、10月より順次再開されたコインチェック上での取扱通貨の購入・入金サービスの再開が挙げられ、12月時点では、依然交換業者登録に向け体制を整えている状況であると説明した。

なお、具体的な日程こそ明示されなかったが、勝屋敏彦常務執行役は、コインチェックの金融庁による交換所ライセンス取得に関して、「将来的に得られる」との見通しを述べた。

CoinPost編集部撮影

コインチェックの強み

完全子会社化したコインチェックについては、「仮想通貨交換業に限らない、クリプトアセットを使用したサービスを開発する。」と説明。以下のような強みがあるとした。

CoinPost編集部撮影

  • アプリダウンロード数、約170万
  • ユーザーファーストの優れたUI/UX
  • マーケティング力(取り扱い通貨など 新しいニーズに対してしっかり訴求してきた点)
  • ブロックチェーンの高い技術力が、仮想通貨取引を支えていた

「対応できるブロックチェーンエンジニアを60数名擁していることが強みの一つであり、ユーザーサポートも大幅増強。現在では、メールや電話を中心に約100名体制で対応していると述べ、万全の体制であることを強調した。

絶好調の米国セグメント事業と仮想通貨展開

撮影:中村晋

米トレードステーショングループ社長のジョン・バートルマン氏が、米国セグメントにおける事説明を行い、「極めて順調だが、当事業ではイノベーションを掲げており、2019年には3つの”主要イニシアティブ”を実行していく」とし、以下のように展望を語った。

クリプトカレンシービジネスについては、米国における仮想通貨サービスの準備をここ数ヶ月間進めてきた。2019年第1四半期中には開始できると考えている。

仮想通貨分野よりもさらに進んで、クリプトセキュリティやデジタルコモディティ分野にも可能性があると考えている。証券会社や取引所自体がブロックチェーンを活用するようになるので、我々もその動きに参加することになるだろう。

また、資産クラスの中でも、最も成長が高いのがオプション取引であり、「先物オプション」の分析トレーディングなど、新たなサービスを来年6月より提供し始める予定だ。

これについて松本CEOは、事業説明会の総括で、以下のように述べている。

新しいエコシステム(生態系)に参画するという観点では、我々はCME、CBOEの「ビットコイン先物取引」に最初から参加しているという利点がある。

さらに、(CBOEなどが出資する新興仮想通貨市場)「エリスエックス(ErisX)」が、今後提供していくサービスにも、グループとして参画していくという話がある。エリスエックス(ErisX)は、”仮想通貨取引所の取引所”というイニシアティブを有しており、米コミュニティで大変有名な存在になってきている。

日本からは、当社グループだけが唯一参加しているという点がアドバンテージになるだろう。

対応予定の未来のトレンドにデジタル資産とブロックチェーン技術

仮想通貨交換業以外にもクリプトアセット事業を「第二の創業の新基盤」とするマネックスグループは、対応予定の未来のトレンドにて、デジタル資産以外にブロックチェーン技術を挙げている。

CoinPost編集部撮影

アジアパシフィック(太平洋)セグメントについて、執行役CFO 蓮尾氏は、「仮想通貨に関して、アジアパシフィック地域でも拡大・開拓の可能性がある。ICOやSTOなど、アジア各国でできることは何かを確認しながら、新事業へのチャレンジをしていきたい。」と言及した。

また、投資セグメントの事業戦略に関して、常務執行役CIOの立野氏が、「パフォーマンスは非常に高い」と言及。

金融系企業で、シードラウンドでの投資するベンチャーキャピタルは、稀有な存在であり、フィンテックにおける駆け込み寺のような存在になっているとし、「今後は、日本だけではなくグローバルな新しいスタートアップなどの技術を取り込み、特にブロックチェーン領域における投資機会をしっかりと獲得、エコシステムに参加していくことが大変重要である。」と強調した。

事業環境について

事業環境に関する内容では、マネックスグループのポジショニングとして、海外において「仮想通貨・ブロックチェーン領域での日本のリーディングカンパニーとしての評判」を挙げた。

CoinPost編集部撮影

今後の活動

撮影:中村晋

今後の活動では、これまでの投資事業のさらなる追求などを強調すると共に、マネックスグループのユニークなポジション(Regulated Entity ×仮想通貨事業 ×Global)を活かし、ブロックチェーンや仮想通貨領域の投資機会を追求していく意向を示した。

CoinPost編集部撮影

勝屋敏彦常務執行役の発言も含め、将来的な仮想通貨へのビジョンを強く持ち、子会社化したコインチェックを中心に事業展開を行なっていく旨が明らかになった。

また、マネックス松本CEOの質疑応答の内容は以下の記事にて公開。

  • 低迷する日本仮想通貨市場をどの様に考えているか
  • 金融庁による業登録の進捗に関しては、マネーロンダリング対策が一つのポイントになるのか?
  • 仮想通貨分野が最重要だと認識しているのか
事業説明会後の質疑応答で、「低迷する仮想通貨市場だが、将来的にマーケットは良くなるだろう。ブロックチェーンを含め、アジアパシフィック領域の展開も考えている」などと言及した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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