仮想通貨リブラに対する米上院公聴会が7月16日に予定、その狙いは

仮想通貨リブラの米上院公聴会決定
賛否両論で注目されている仮想通貨リブラについて、米国会上院の銀行委員会は公聴会を7月16日に開催する。同時期に下院の金融サービス委員会によるフェイスブックの役員らに対するリブラ関連の公聴会も開かれる可能性が考えられる。

仮想通貨リブラの米上院公聴会決定

発表された2日目の仮想通貨リブラは、米国会上院の銀行委員会による公聴会が7月16日に開かれる予定だ。同委員会の公式ページに掲載されている。

「フェイスブックが提案するデジタル通貨とデータプライバシーの検討事項」と題されたこの公聴会は7月16日、23:00に予定されている。なお現時点では、公聴会に参加する証人については発表されていない。

この公聴会が決まったタイミングとして、複数の要因があると考えられる。

まず5月に、この上院銀行委員会がリブラに関する公開書簡をフェイスブックのCEOザッカーバーグ氏宛てに送付した。書簡では、同プロジェクトにおける顧客の個人情報の管理や金融規制を焦点に情報の共有を要求している。現在、回答に取り掛かっていることがわかっているが、回答には至っていないという。

そして、仮想通貨リブラのホワイトデペーパー(事業計画書)が公表され、一夜明けた昨日、米国会下院の金融サービス委員会のMaxine Waters理事長は、フェイスブックがリブラの開発を、フェイスブック社のCEOら役員に対する公聴会の開催まで一時的に中断するように要請した。

その理由を「立法者らがリブラを理解することが最優先」とし、「国家や国民におけるリスクを懸念、国会や規制当局の調査を行う必要がある」としている。

この状況に対し、下院の公聴会は上院銀行委員会の公聴会の前後に予定される可能性があると有識者らに指摘されている。

さらに、同じ銀行委員会のメンバーである上院議員Elizabeth Warren氏は、個人データの取り扱いで批判の的となるフェイスブックのプロジェクトに対して、自分自身のSNSで、「フェイスブックは過大な権力を持っている。個人データにおいて、不適切な取り扱い方などを取っているため、我々はフェイスブックがこれ以上に個人データを収集できるチャンスを与えてはいけない。」と、フェイスブックのリブラプロジェクトの真の目的を不安視している。

Warren氏は、2020年の大統領選立候補であり、いわゆる独占権を持つようなビッグテック企業を打倒する姿勢をマニフェストとしている。

リブラに関する複数政府の反応

英イングランド銀行総裁は、フェイスブック主導の仮想通貨「Libra」を公平な視点で評価するも、各国における最高水準の規制を遵守する必要があると指摘した。
米国会下院の金融サービス委員会理事が、フェイスブックが開発を手がける「仮想通貨リブラ」の一時開発中止を要求。国家や国民におけるリスクを懸念、国会や規制当局の調査を行う必要があると主張した。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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