ビットコイン6000ドルに下落? 米グレースケールのGBTCとの比較が話題
ビットコインとGBTCとの関係
米大手仮想通貨投資ファンドのグレースケールが提供する投資信託「GBTC」と、ビットコイン(BTC)の価格の関係が業界で話題になっている。
GBTCは機関投資家や大口投資家限定で提供されている金融商品だ。現物のビットコインを担保にしており、OTC市場で有価証券形式で販売されている。
GBTCとビットコインとの関係を指摘する専門家は多く、ファンドマネージャー兼アナリストのティモシー・ピーターソン氏が今年8月、GBTCの需給関係がビットコインの現物価格の行く末を暗示しているともとれる指摘を行った。
また最近では、資産運用企業Cane Island Alternative Advisorsが10月11日に、GBTCのプレミアム(価格乖離)の変動は、数週間先のビットコインの価格と連動してきたという分析を発表。
GBTCのプレミアム(上方乖離)をビットコインの価格が上回る場合は、ビットコインが過大評価されていると指摘した。
「7月にGBTCの一株が4ドルから2ドルに落ちたため、比例する5割の価格低下に基づきBTCも6月の高値12,000ドル付近から6,000ドルに落ちる可能性が高い」と説明している。
下図で2つの矢印が指しているギャップが、「BTC>GBTC」の部分で、9月の大幅下落に先立ちした。なおこのギャップは10月10日にまで続いた。
このような見方に対し、著名仮想通貨・経済アナリストAlex Kruger氏は19日、GBTCプレミアムとビットコインの未来の価格には相関性はないと反論した。昨年GBTCのプレミアムとその時点でのビットコインの価格に正の相関性があったことを指摘し、これはあくまで現在のマーケットの状況を示していると説明した。今後のビットコインの価格を予想するための指標にはならないと解説している。
またGBTCのプレミアムを元にビットコインの価格が6000ドル(約65万円)まで下落する可能性があると予想している人が多いと述べ、それも否定した。現在の弱気相場には多くの原因があるとツイートしている。
Kruger氏のツイートに対し、著名経済・投資アナリストのトム・リー氏は、GBTCのプレミアムの低下は市場のセンチメントが弱気になっていることを表しているとコメントしている。
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