仮想通貨取引所BitMEX親企業、サイバーセキュリティ団体に財政支援
サイバーセキュリティNPOを支援
最大手仮想通貨デリバティブ取引所BitMEXの親会社HDRグローバルトレーディングが、インターネットセキュリティのための同盟企業として、今後4年間で40万ドル(約4350万円)を提供すると発表した。
同社は3月16日、「予期せぬ困難な状況に直面している」ことを発表。事業継続のため、緊急の財政支援を求めていた。HDRグローバルトレーディングとして、仮想通貨業界にとって不可欠となるインターネットセキュリティを守り、育成も狙いの一つにある。
Shadowserverは2004年に設立、インターネットに関するセキュリティデータを収集分析し、サービスプロバイダーが悪意のある活動を識別して対処するのに役立っている。現在、138か国の4800を超えるネットワーク所有者と109のコンピューター緊急事態対応チームに情報分析レポートを提供中。
HDRの共同創設者で最高技術責任者のSamuel Reed氏は、Shadowserverはボットネット防御コミュニティで非常に高く評価されているプレーヤーだと述べた。
ボットネットとは、ハッカーが「トロイの木馬」など不正プログラムを使用して乗っ取った多数のコンピュータで構成されるネットワークのことである。
Reed氏は続けて、「産業分野を横断した協働は、インターネット全体、特に仮想通貨業界の将来のセキュリティにとって不可欠だ。Shadowserverのような素晴らしい組織をサポートすることで、長期にわたってセキュリティを守り育てていく役割を果たしたい」と助成の目的を語った。
支援のタイミングは適切だった。2月末に、Shadowserverの最大のスポンサーである米シスコシステムズが、もはや援助できないと組織に伝えたところであったからだ。
ビットコインコア開発者にも財政支援
HDRは、インターネットセキュリティに加え、ビットコイン開発の支援を長期的に行うことも表明している。
同社は先週、ビットコインコアの開発を行うMichael Ford氏にも10万ドルの追加資金援助を行った。2019年には、MITデジタル通貨イニシアチブに寄付、特にビットコインのコア開発者の作業を支援している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します