仮想通貨Beam、次期ハードフォークで分散型金融に匿名性をもたらす新機能
Beamのハードフォーク迫る
Beamプロジェクトは、予定通りに2回目となるハードフォークを行う見込みとなっている。ブロックが777,777に達すると実行され、ハードフォーク推定日時は、今月28日になると予想されている。
今回のアップデートでは、「BeamHash II」から「Beamhash III」へとPoWのアルゴリズムを変更するほか、Confidential Assetsと呼ばれるトークン機能の追加、送り手の情報を必要としないOne side payments機能などが実装されるという。
CA(Confidential Assets)は、デジタルの価値を資産化したデジタル資産で、Beamネットワーク上で発行できる。一定量の仮想通貨Beamを担保として預けることでCAを発行することができる。CAとして発行できるデジタル資産には、仮想通貨も含まれる。CA発行のための担保は3000Beamが設定されており、現在の価値にして日本円で15万円ほどとなる。
また、ビジネスでの利用などを想定した、契約の詳細が秘匿されるスマートコントラクトのためのインフラ(scriptless contracts)も実装される。これらの機能の実装によって、分散型金融(DeFi)において、Beamの特徴である匿名性を保持した分散型金融サービスを提供することが可能となる。
DeFiでは、スマートコントラクト機能を持つイーサリアムが主流だが、取引履歴が公開されているため、取引金額の大きさなどで関心が集まると、その後の取引を監視・追跡される恐れもある。
BeamのAlex RomanovCTOは、Decrypto紙に対し、以下のように語っている。
私たちが最初に注力するのは、秘匿性ステーブルコインや分散型取引所、合成先物商品など、中央集権的な要素を持つDeFiアプリケーションだ。
Compoundで分散型金融が盛況
分散型金融では、レンディングプラットフォームのCompoundがサービスを本格稼働させ、特にステーブルコインの預け入れが急増していることで注目を集めている。
仮想通貨を担保として預け、仮想通貨を借りることができるようなサービスとしてMakerが、長きに渡りシェア1位を維持していた。しかし、DeFi総合情報サイトDeFi Pulseによると、預けられている金額ベースでCompoundが1位を奪取した。
Compoundの登場により、改めてその需要の高さが明らかとなっている仮想通貨のレンディング関連サービスだが、Beamのように独自の特徴を持ったサービスでその勢力図に変化が起きていくのか注目される。
Beam画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します