機関投資家向けの仮想通貨保管サービス、世界の投資額は計1700億円に
仮想通貨保管サービス、世界の投資額は計1700億円に
2020年までの8年間で、機関投資家向けに仮想通貨の保管や振替等を行うカストディサービスを提供する企業に対し、計46件、約16億ドル(1700億円)の出資が行われている。
うち52%に相当する24件が、VCが支援する初期段階にある企業で、投資額の中央値は約1570万ドル(16.8億円)となった。
最も出資が行われたのは2018年で計7億300万ドル(753億円)。2020年も4億1900万ドル(448.8億円)と出資額が再び増加した。
企業拠点の分布
これらのカストディを提供する企業の分布は、半数を超える28社が米国に拠点を置いており、主流な国となっている。
米国に続くのは、香港で、スイスと英国がそれに続く。
機関投資家向けのカストディ企業の多くが米国に登記している理由の一つには、米国の規制やクリアな規制方針に伴う安心感などが考えられると、The Blockリサーチチームは分析する。
デジタル資産カストディの注目動向
Komainu
カストディ関連では6月17日、野村ホールディングスがデジタル資産管理のコインシェアーズ(CoinShares)などと共同開発していたデジタル資産カストディサービス「Komainu」を始動した。
Komainuは、機関投資家向けのデジタル資産カストディアンで、ジャージー金融サービス委員会(JFSC)によるカストディアンと預託機関として規制されたことを受け設立した。
機関投資家が安心して資産を管理できるために必要なギャップを埋めるとしており、証券のデジタル化なども含めた資産管理を築くことを目的としている。
印タタグループのTCS社が、仮想通貨取引の基盤ソリューション
インドを代表する複合企業タタ・グループのTata Consultancy Service(TCS)も、金融機関向けの仮想通貨(暗号資産)取引サービスを支援する「Quartz TM」プラットフォームをリリースした。
取引やカストディだけでなく、送金機能や口座振替(清算)など、将来的にデジタル取引に必要な機能をプラットフォームとして一元化。金融機関は顧客の取引・投資戦略に柔軟に対処する。
TCS QuartzのVivekanand グローバルヘッドはリリースで、「先進的な金融機関は顧客にオルタナティブ投資を勧めており、特に仮想通貨への関心度は日々増している」とコメントしている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します