二転三転するジョンマカフィー「ビットコインに価値はないが、あの日の賭けから逃げるつもりはない」

ビットコイン100万ドルの賭けは継続中?

数あるビットコインの価格予想の中でも、過去最大級の注目を集めたのが「3年以内に50万ドル到達だ、然もなくば、自分のイチモツを食べてやる」などとした2017年7月のジョン・マカフィー発言。(その4ヶ月後、予想価格を100万ドルに変更)この発言から3年が経過した今、BTC価格は100万ドルには程遠いが、マカフィーはこの賭けから逃げ出すつもりはないと言う。

「ビットコイン100万ドルは馬鹿げている」

今年1月、マカフィーは1BTC=100万ドルの発言は、仮想通貨に新規ユーザーを引き入れるための「策略」にすぎなかったと述べ、この大胆な予測を撤回した。

実際、この挑発的な賭けは「1万人の新規ユーザーを獲得」する結果になったとマカフィーは述べ、ビットコイン価格など全く気にかけてもいないと付け加えている。プライバシーやスマートコントラクト機能を持つ新しいブロックチェーンに比べ、ビットコインは、すでに「古い技術」であるとして、今後にも期待していないとツイートした。

この発言は、全国放送のテレビで自分の局部を食べてみせると豪語したマカフィーが、賭けを不問に処すようにする布石だろうと誰もが考えたが、その憶測は見事に覆された。

7月17日の発言から3年目となる先日、仮想通貨コミュニティはマカフィーの行動に注目し、ツイッターで「テレビでの食事」はどうなったかマカフィーに尋ねた。すると、賭けの期限は最初の発言がなされた7月17日ではなく、2020年末を意味するとマカフィーは答える。しかし、賭けそのものは続行すると言うのだ。

そして、今年末にどうやって賭けから抜け出すのかが、ネットで議論になっているとのコメントには、上記のツイートで答えている。

「賭けからは逃げない。ビットコインが100万ドルを突破するとは思ってもみないし、馬鹿げている。ビットコインは古くてくたびれ果てた価値のないコインだ。テレビで局部を食べたかっただけさ。待っていろよ。」

仮想通貨コミュニティで今日、マカフィーのビットコイン価格を鵜呑みにする人はほとんどいないと思われるが、賭けそのものに対する関心は衰えることを知らず、テレビ放送の「その日」をカウントダウンするサイトも作られている。

なお、マカフィーは「食べる」のは、彼自身かもしれないし、「下請け業者」かもしれないともツイートしている。

マカフィーの経歴と今

ウイルス対策ソフトの先駆者でセキュリティソフト大手「マカフィー・アソシエイツ」の創業者として、一目置かれるジョン・マカフィーだが、その74年の生涯は波乱に満ちている。インテルにマカフィー・アソシエイツを売却した後、カリブ海の小国ベリーズで暮らすが、現地警察に殺人容疑で指名手配され、グアテマラに亡命を計画するも逮捕され、アメリカに送還されるなど、尋常ではない経歴も併せ持っている。

その後、ビットコインのマイニングなど仮想通貨の黎明期から業界に関わり、仮想通貨に対する強気な発言は「マカフィー砲」と呼ばれ、仮想通貨価格に影響を与える可能性に期待が集まった時期もあった。

独自通貨の発行を計画したり、ビットコイン の生みの親「サトシ・ナカモト」の正体を知っていると述べるなど、話題には事欠かない。今年も米国議会議員535人全員をトークン化し市場で販売するプロジェクトを発表したり、さらに今年の米大統領選にも「仮想通貨の普及促進」を謳い、リバタリアン党から立候補を表明したが、党の支持を獲得できなかったため、2016年に引き続き、選挙戦からは撤退している。

しかし、昨今のツイッターのハッキング事件については、ITセキュリティの専門家として、二段階認証がセキュリティの脅威となっていると指摘。SIMスワップを利用したハッキングにユーザーを晒していると批判している。

突飛な行動と過激な言動で物議を醸し出すマカフィーの本意がどこにあるのかを知るのは困難だが、現在は、新規の匿名仮想通貨「Ghost」の開発、分散型取引所「McAfeeDex」、また所有者の位置情報などが秘匿化される「Ghost」携帯電話データネットワークの開発に心血を注いでいるようだ。

マカフィーの賭けがどのようなエンディングを迎えようとも、転んでもただでは起きない起業家にとっては、大きな注目を集める手段の一つに過ぎないのかもしれない。

出典:John McAfee Twitter

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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