海外で話題の「仮想通貨ソーシャルトレード」は、新時代のトレンドとなり得るか

SNSが世界に与えた影響
インターネットの広がりと共に、人々の生活にSNSが浸透した。それにより様々な利益を我々は享受しており、その流れは仮想通貨などのトレーディングの世界にも波及しつつある。
ソーシャルトレードが台頭
為替・株・仮想通貨のSNSトレードには、ランキングに基付いた投資顧問のようなシグナルプロバイダーが存在、戦略を参照可能。センチメントの把握やL/S比率を確認することが出来る多種多様なサービスも。

SNSが世界に与えたもの

インターネットの広がりとともに、親しい人から他人まで、あらゆる人と繋がれるツールが生まれました。

TwitterやFacebookなどその他色々なソーシャルメディアが一般社会に浸透し、個人に大きな発信力などを与えました。新しいニュースを知るために、既存の大手マスメディアから流れる情報だけに頼る必要がなくなったのです。

現代では、ローカルの小さな出来事からグローバルな出来事まで、人々は容易に身の回りで起きていることをリアルタイムで発信することができます。これらすべてが可能になったのは、ソーシャルメディアが我々の生活に浸透したからに他なりません。

ソーシャルメディアとそのネットワークの影響は、他人の出来事や、現在の情勢について、ただ知ることが出来るだけではありません。

この技術の採用は、あらゆる業界に多大な影響を及ぼしましたが、そのうちの一つが「金融業界」です。社会的相互作用が高まると共に金融サービスの集権化が進み、大衆の力が次の技術革新を起こしうる要素に影響を与えました。その要素とは、クラウドファンディングのプロジェクトや、大衆をソースとした情報や知識などが挙げられます。

SNSと取引の世界

このような流れの中で、金融取引の世界でも同様のことが起きています。

以前までは、外国為替や株の取引、その他市場では、限られたグループのハイボリュームな投資家によってほぼ独占されていました。彼らは経験豊かであり、自分たち主体でポートフォリオ管理や商品投資顧問を行ってきました。

約10年前までは、ソーシャルトレードのコンセプトは、シンプルかつ有利なオプションを、初心者やプロの投資家両方に供給するということでした。

ソーシャルトレードは、柔軟かつ魅力的なモデルであり、シグナルプロバイダーのトレードを模倣することで、専門家でなくても外国為替などで利益を生み出すことが出来るようになります。取引に精通している人が、その戦略を有料(あるいは無料)で他人と共有し、同様に利益を上げることができるのです。

ソーシャルトレードはどのように機能するのか

現代では、ソーシャルネットワークに似た、ソーシャルトレードのためのプラットフォームが存在します。

これらのソーシャルトレードプラットフォームには、ベテラン専門家である「シグナルプロバイダー」がおり、戦略のシェア、市場予測、分析などを行っています。

ソーシャルトレードのプラットフォーム利用者は、任意のシグナルプロバイダーを選択、それぞれのトレードを自動でアカウントにコピーします。利用者は、コピーしたトレードを修正し、自分自身の戦略を案出するための「追加オプション」を紹介される仕組みです。

このような方法で、経験の浅いトレーダーでも利益を生み出すことが出来るのです。

同様にプロのトレーダーも、自身の取引とシグナルトレーダーの取引を比較したり、戦略を模倣することにより、その能力をより高めることが可能です。ソーシャルトレードプラットフォームは、基礎を一から学ぶ時間がない人でも、継続的に学習しながら成長、賢い投資の仕方を学ぶことができます。

言わばシグナルプロバイダーは、投資顧問から、高額のライセンス料を引いたようなものです。

確たる戦略のもとに、取引で利益を生み出せる熟練した人は、ソーシャルトレードプラットフォームのシグナルプロバイダーになることができます。トレーダーのアカウントにアクセスすることなく、フォロワーの取引ポジションを開始/清算することができ、これは「オープンコンセプト」として知られています。

このようなソーシャルトレードのコンセプトは、トレーディングコミュニティで広く受け入れられました。

ソーシャルトレードプラットフォームは利用者が市場にアクセスし、取引を容易にするだけでなく、トレーダー同士で繋がりあい、市況について議論したり、リアルタイムで他人の取引結果をシェアすることができます。

多種多様なサービス

ソーシャルトレードのプラットフォームとしては、eToroやXsocial、GetBux、NAGA TRADER、Zuluなど、世界各国で有名仲介業者が提供するサービスが存在しており、それぞれのプラットフォームに異なった強みがあります。

Zuluトレード

例えば、Zuluトレードでは、世界中に50以上の仲介人が存在します。

このプラットフォームには、大変活発なライブチャットが備わっており、そこではユーザーの取引に関する重要な点などが議論されています。また、ホームページには、ランキングに基づきシグナルプロバイダーが表示されています。

ユーザーはそれをクリックすることによって、勝率や戦略、取引情報など、対象プロバイダーに関する詳しい情報を確認することができます。

GetBux

同様にイングランドとウェールズに認可を受けているGetBuxでは、株取投資、コモディティ投資、インデックス投資、為替取引を提供しています。コンセプトは、”楽しみながら学ぶ取引”ということです。

取引リスクを放棄する旨の内容が表示され、デモで取引について説明された後、実際に取引を行うことができます。

NAGA TRADER

NAGA TRADERは、700以上の機能を提供する最も巨大なソーシャルプラットフォームです。

NAGA TRADERでは、ビットコインやライトコインに加え、その他にも複数のERC20トークンを取り扱っています。

さらに、AIインテグレーション、ポートフォリオやマネジャーテンプレート、取引による損失を制限するための「NAGAプロテクト機能」なども備えており、GetBuxのように、実際に取引をする前に、デモ画面で練習することができます。

また、利用者が遅れないよう、最新のニュースや話題のトピックも確認することができます。

eToro

そのほか、2.5億人以上が利用する世界最大級のSNSトレードプラットフォームeToroでは、ユーザーのリアルタイム取引動向だけでなく、センチメント(市場心理)の把握や、ロング/ショート比率なども確認することが出来ます。

総括

あらゆるプロバイダーや機能を備えたソーシャルトレードは、すぐに社会に浸透することはないかもしれませんが、AIによって自動化された取引は、ソーシャルトレードと共におそらく次の大きなトレンドとなるでしょう。

しかし、顧客の投資をコンピュータプログラムで行う有効性について懸念点もあるため、完全に自動化された取引はまだ先の話になると考えられます。

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