米国の大手仮想通貨取引所Bittrex:ビットコインゴールドを上場廃止へ

ビットコインゴールドがBittrexから上場廃止に
仮想通貨取引所Bittrexにて、ビットコインゴールド開発チームが5月に発生した「51%攻撃」の被害補償を行わなかった事を理由に、ビットコインゴールド(BTG)を14日までに上場廃止される事が明らかになった。
51%攻撃とは
悪意のある特定のグループがハッシュレートの51%を支配することで、不当な取引を行うこと。「Proof of Work(PoW)」と呼ばれる、ビットコインも採用している合意形成アルゴリズムを採用する仮想通貨が攻撃対象となる。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

ビットコインゴールド公式サイトは9月1日、アメリカの大手取引所Bittrexで、仮想通貨の時価総額ランキング29位のビットコインゴールド(BTG)が、14日までに上場廃止になると発表しました。

Bittrexに請求した12,372BTGの支払いに応じなかった事を理由に、残念ながら同取引所での上場廃止が決定した事を報告します。

Bittrexの請求額は、今年5月に発生したビットコインゴールドの51%攻撃時の被害額に相当するもので、開発チームのハッキング対策の不備や不注意を理由に行われました。その際、支払いに応じない場合、「上場廃止」されるとの勧告があった模様です。

ビットコインゴールドの開発チームは、7月に行われたハードフォークによるネットワークアップグレードにより、「”二重払い”や”51%攻撃”のリスクは軽減した」と強調しており、開発者チームと取引所の認識の相違が、このような結果を招いたと言えるでしょう。

上場廃止への経緯

ビットコインゴールドは今年5月、「51%攻撃」のハッキングを受け、複数の取引所から計388,000BTGが盗難被害に遭いました。

  • HitBTC
  • Bithumb
  • Bittrex
  • Bitfinex
  • Binance

ハッカーがネットワークの51%以上をコントロールする事に成功した事が原因で、「二重払い」で複数の取引を重ねた結果、5月時点で仮想通貨取引所から約20億円分のビットコインゴールドを不正流出させています。

出典:BTG Explorer

ビットコインゴールドへの影響

2018年5月は、ビットコインゴールドの他にもバージ(Verge)が51%攻撃を受けており、ハッキングが多発した時期でした。

ビットコインゴールドは昨年末、時価総額ランキングで一時5位まで上り詰め、価格も500ドル近くまで上昇しましたが、5月の51%攻撃前の時点で高値水準から90%以上の下落幅を見せており、直近では21ドル付近で低迷しています。

coinmarketcapによると、Bittrexは過去24時間の取引高で世界23位にランクインしていますが、「Bittrexのビットコインゴールド取引量はBTGの総取引量の内3%しか占めていないため、さほど大きな影響はない」と開発チームは主張しています。

CoinPostの関連記事

ビットコインゴールドの広報責任者であるEdward Iska氏は、仮想通貨取引所から仮想通貨を盗難することを目的とした51%攻撃が行われたことを明らかにしました。攻撃者は、取引所から1860万ドル(約20億円)相当のBTGを盗み取ることに成功しています。
Verge(ヴァージ)が今年の4月以来の2度目の51%攻撃を受け、アタッカーは時価約2億円相当のXVGを不正に獲得しました。以前の攻撃から2ヶ月足らずの攻撃でVerge(ヴァージ)デベロッパーの対応が不十分だったと言わざるを得ません。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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