LiskがWeb3アプリ開発のスタートアップ支援 最大3600万円の助成金
エコシステムの拡大を目指す
オープンソースのWeb3プラットフォーム「Lisk」は3日、エコシステムの拡大を目指し、新たなアクセラレータ(開発促進)プログラムを開始すると発表した。プログラムの対象は、LiskのSDK(ソフト開発キット)を使用してWeb3アプリを構築するプロジェクトで、1プロジェクトにつき最大約3,600万円(25万スイスフラン)の開発助成金が支給される。
このプログラムは、Liskエコシステムに、経験豊富な開発者や起業家を呼び込み、彼らのアイディアやコンセプト構築を支援することを目的としている。中でも、アプリに特化したブロックチェーンソリューションに取り組むプロジェクトの育成に注力したい考えだ。
LiskのMax Kordek最高経営責任者は、「Web3アプリは、金融から医療、サプライチェーン管理など、多くの業界で、相互にトラストレスな関係構築を可能にし、仲介者をなくすことで、コスト削減と効率化の実現が可能だ」と述べ、次のように付け加えた。
私たちは、全く新しいビジネスモデルを生み出せると信じている。Lisk アクセラレータは、そのようなプロジェクトを見つけ出し、サポートする方法だ。
プログラムの概要
Lisk アクセラレータプログラムは、数年にわたってWeb3の開発を行うスタートアップ企業を想定しており、3月20日から6月30日までの第一期と、9月1日から11月30日の第二期の2回にわたり応募を受け付ける。
プログラムでは、開発者チームがアイディアを実現するために必要な指導、技術サポートや専門知識、および資金を提供する。プロジェクトに対する資金提供は次の四つの段階に分けて行われる。
- ブートストラップ(起動)助成金: Lisk SDKを使用した概念実証(POC)を開発していないスタートアップに対し、約58万円(4,000SF)を提供。アクセラレータプログラム応募の基準を満たすことが可能に。
- ビルダー助成金:Web3 アプリ構築に向け、Liskエコシステムチームによるサポートに加え、知識ベース、創業者ネットワークとトークノミクス専門家へのアクセス。約940万円(6万5,000SF)を提供。
- ブースター助成金:テストネット成功後、約1,230万円(8万5,000SF)を提供。UX/UIのサポート、投資家への売り込み方法、1対1のコーチングへのアクセス
- ブレイクアウト助成金:アプリを販売し、製品と市場の適合性を実証し、規模拡大の準備が整った段階で、約1,450万円(10万SF)を提供。
アクセラレータプログラムは、エコシステムを構築することを目的としているため、成功裡に市場参入を果たしたプロジェクトに対し、Liskは、どのような形であれ、所有権や株式を要求することはないという。
Liskについて
Liskは、サイドチェーンとの相互運用性のために設計されたオープンソースのWeb3アプリケーションプラットフォーム。スイスのツークに拠点を置く非営利団体Lisk Foundationによって運営されている。
2016年にローンチしたLiskはプログラミング言語にJavaScriptを採用。 Liskソフト開発キット(SDK)は、Liskと互換性のある独自のサイドチェーンを構築できるように設計されているため、開発者はJavaScriptを使用して、アプリ固有の独自ブロックチェーンを構築することが可能となっている。
サイドチェーン
メインチェーンの課題点である処理遅延などを解決するために考案された、補助的な役割を持つブロックチェーン。処理速度向上を見込むサイドチェーンは、暗号資産(仮想通貨)が実用的かつ多機能に進化していく上で重要な役割を持ち、ビットコインなどのスケーラビリティ問題(トランザクション詰まりなどの処理遅延)を解決するための用途に使われる。
▶️仮想通貨用語集
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します