リップル『SWELL 2018』前夜にRippleNet委員会発足|イベント内容はYoutube発信予定
- リップル主催「SWELL 2018」本日開幕
- サンフランシスコで10月1日・2日の2日間、リップル主催の国際カンファレンスが開催され、世界中から多くの関係者が集まる。 日本時間今夜のオープニングには、クリントン元大統領の基調講演も予定されており、様子はYoutubeで公開される。
- 開幕前夜にRippleNet委員会発足
- 同社運営の国際送金ネットワークRippleNetには、多くの銀行が受け入れの態度を示しており、 健全なネットワーク拡大を目指す委員会が発足された。同委員会には邦銀も参加し、今後も継続的に活動予定である。
リップル主催「SWELL 2018」本日開幕
本日、日本時間23:00(現地時間7:00)より、リップル社の主催する国際カンファレンスがいよいよ開幕します。
技術・金融・政策のエキスパートが世界中から結集するSWELL 2018は、 米国サンフランシスコで(米国時間)10月1日・2日の2日間に渡る開催となります。
サンフランシスコはリップルの本拠地であり、多くのフィンテック企業、及びシリコンバレー企業の故郷です。
昨年のカナダ・トロントで行われたSWELLに続く、2回目の開催となるSWELL 2018の様子は、同社ウェブサイトのほか、 Twitter・LinkedIn・Facebookの各SNSを通じて発信されます。
また各セッションは録画され、その日のうちにYoutubeチャンネルで公開される予定です。
カンファレンスの内容は
カンファレンスのオープニングはクリントン元大統領による基調講演、およびリップル社、CEOのBrad Garlinghouse氏による開幕の辞でスタートする予定となっています。
クリントン元大統領は、任期中にインターネット時代の幕開けを経験した当事者です。
ブロックチェーン黎明期を迎え、情報技術時代の第2フェーズとも言える時代に突入した私たちに、これから何を考えていかねばならないのか話してくれるでしょう。
2日間の主な予定は以下の通りですが、会期中はアジェンダ外の大きなニュース
が飛び出す可能性もあり、一つ一つの動きが見逃せません。その良い例として挙げられるのが、28日に発表されたマルチホップ(Multi-Hop)です。
リップル社は先週金曜日にSWELLを控えた中でタイのサイアム商業銀行がRippleNet上で利用できる新たな機能の実働を開始することを発表しました。
マルチホップは銀行が直接的なつながりや接点が無くても異なる銀行間での送金を可能にする画期的な技術です。
東南アジア諸国で国境を超えた取引を行う際には現在、多大なプロセスとコストが生じています。
銀行はまず紙幣をドルに替えた後、複数の銀行を介して初めて対象の銀行にたどり着く為、2つの両替所と複数回取引手数料を支払う必要がありました。しかしマルチホップの導入により、金融機関は直接サイアム商業銀行とつながり、送金額を何度も両替することなく、アジア地域で送金が可能となる為、全ての銀行がつながっていなくても、銀行への送金が容易になります。
またマルチホップはリップル社とXRPの技術から恩恵を受けるものの、XRPを使用しなくても利用できる為、金融機関への障壁も低くなっています。
さらにマルチホップを介して行われる取引は全てレジャー(公開台帳)で見られる為、規制が異なる国から送金してもAMLやテロ資金供与対策にもなります。
このようにサプライズ的な発表が他にもある可能性から、SWELLの期待値が上がっていると言えるでしょう。
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開幕前夜にRippleNet委員会発足
仮想通貨市場におけるRipple(XRP)への熱狂をよそに、今年のSWELLカンファレンスは、現実世界におけるブロックチェーン技術の活用に焦点を当てています。
そのため、銀行業界からも多数の参加者が集まる予定です。
昨年開催された「SWELL2017」は、トロントで同時開催されていた「SIBOS」カンファレンスにぶつける形で敢行されました。
SIBOS(SWIFT International Banking Operations Seminar)は、SWIFT(国際銀行間通信協会)による国際会議で、 世界中から金融機関の関係者が集まります。
昨年時点では、(金融界の)小人が巨人と戦うような趣きもあるとされていましたが、今年の「SWELL2018」には、RippleNet(同社運営の国際送金ネットワーク)を使ったリアルタイムの決済技術を受け入れる多く銀行関係者が集結します。
すでにSWELL開催前夜には、健全なネットワーク拡大を目指すRippleNet委員会が催されました。
リップル本社には、三菱UFJ銀行とSBIホールディングスに加え、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、イギリスのスタンダード・チャータード銀行、オーストラリアのウエストパック銀行、スペインのサンタンデール銀行、タイのサイアム商業銀行、アメリカン・エキスプレスなど名の知れた大手銀行から代表委員が集いました。
委員会では、RippleNet決済ネットワークの活用拡大に向け、ネットワーク内での標準化のルール作りが話し合われました。
これらの委員たちは今後も年に数回集まり、RippleNetのクロスボーダー同時取引一件一件について、オペレーション標準性・迅速なオンボーディング・法的明瞭性が担保されるよう、仕組み作りをしていきます。
この動きはドラマティックな初年度開催だったSWELL2017とは対照的で、リップル社がシリコンバレーの情熱と銀行業界の保守性を上手くコンビネーションさせるような、素晴らしいリーダーシップを発揮していることが見て取れます。
今年も「SWELL2018」から目が離せません。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します