アップル社、P2P仮想通貨決済アプリ「Damus」などを排除した疑いで訴訟に直面
独占禁止法違反の疑いで提訴
米決済アプリVenmoとCash Appのユーザーら4人は17日、テクノロジー大手Apple(アップル)社を相手取って訴訟を起こした。iOS決済アプリの市場で独占禁止法に違反したと申し立てている。原告らは、カリフォルニア州の連邦裁判所に訴状を提出した。
訴えは、アップル社がビットコイン(BTC)ウォレットアプリ「Zeus」と「Damus」などをアプリストアから排除し、ピアツーピア(P2P)決済プラットフォーム内への分散型暗号資産(仮想通貨)技術の組み込みを妨げているとするものだ。
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原告らは、分散型の仮想通貨P2Pアプリにより、iPhoneユーザーは仲介業者を経由せず、お互いに直接送金できるようになるだろうと意見している。アップル社の行為がこうした機能競争や価格競争を遠ざけているとする形だ。
アップル社が米決済アプリのVenmoやCash Appと市場競争に反するような協定を結んで仮想通貨P2Pアプリを排除し、競争がない環境でサービスの価格を繰り返し値上げしたと主張。その結果、ユーザーが価格高騰により不利益を被ったとしている。
アップル社のApp Storeについては、10月にイーサリアム(ETH)系の自己管理型ウォレット「MetaMask(メタマスク)」が一時的にストアから削除されたことがあり、その際にも様々な憶測を呼んでいた。
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アップル社による制限
原告らは、アップル社がすべてのアプリに対して、自由な管理権限を持っており、技術的および契約上の制限を行うことが出来る状態にあるとも申し立てている。
このために、アップル社はP2P決済アプリがストアに参入する条件として、仮想通貨決済オプションの排除を要求することが可能になっていると続けた。
原告らは、アップル社の疑われる独占禁止法に反するような行為により、ユーザーが過大に支払った料金の回収を求めている。また、iOSのP2P決済市場において、アップル社が競合他社に不利となる協定を締結することを禁じる裁判所命令を要求している。
Epic Gamesによる訴訟
アップル社は過去にも独占禁止法に関連して訴訟に直面している。
人気ゲーム「フォートナイト」の開発元である米Epic Gamesはアプリの課金方法を巡り、アップル社を訴えていた。この件では4月に米控訴裁判所がアップル社の主張の大半を受け入れ、アップル社が勝利している。
しかし一方で、裁判所はApp Storeの外部決済への誘導を制限する条項を否定しており、Epic Games側はこのことは大きな前進だとの認識を示していた。
アップル社は、アプリ開発者がApp Store以外のサードパーティの決済方法への外部リンクを設けることを禁止しており、これによりユーザーはアップル社よりも手数料が安い決済プラットフォームを利用できなかった形だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します