米投資会社タイガー・グローバル、BAYCやOpenSea投資の評価額を大幅下方修正

BAYC、OpenSeaの評価引き下げ

約500億ドルの資産を管理するアメリカの投資会社タイガー・グローバル・マネジメントが、所有する有名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」と、NFTマーケットプレイスOpenSeaの株式評価額を大幅に下方修正したことが明らかになった。

このニュースは、複数の匿名情報提供者からの情報を基にBloombergが報じたものである。

具体的には、「Bored Ape Yacht Club」の評価額を69%、OpenSeaの株式評価額を94%引き下げたという。全体として、タイガー・グローバルは23年第3四半期(7-9月)に18%の損失を計上したと見られる。AI関連企業スーパーヒューマンやプライバシー検索エンジンDuckDuckGoの評価もそれぞれ45%、72%引き下げたという。

タイガー・グローバルは、年金基金や政府系ファンド、モルガン・スタンレーなどの富裕層から資金を調達する大手機関投資家である。PitchBookのデータによれば、同社は2021年初頭から2022年末までの期間に、過去8年間の合計を上回るベンチャー投資とプライベート・エクイティ投資を行った。

しかし、2022年には、ベンチャー・ファンドの評価を約33%引き下げ、230億ドルの評価引き下げを報告した。さらに、昨年11月にはプライベートファンドの価値を4分の1に下方修正し、ヘッジファンドとロングオンリーファンドでそれぞれ56%と67%の損失を出した。

2023年6月、タイガー・グローバルはプライベート・エクイティ(PE)ファンドとして27億ドルを調達したが、これは目標額60億ドルの45%に留まる結果だった。

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NFT市場の不確実性がVCに影響

これらの動向は、金利上昇と市場の不確実性が新興企業やベンチャーキャピタル業界、特にテクノロジー業界や仮想通貨業界に与える影響の大きさを示している。

11月初めには、米国のハイテク専門投資運用会社Coatue Managementも、OpenSeaへの投資において株式評価額を1.2億ドルから1,300万ドルに約90%引き下げた。OpenSeaは2022年初めにCoatue Managementが参加したラウンドCで、企業評価額133億ドルで3億ドルを調達していたが、現在の評価額は14億ドル以下と推測されている。

一方、NFTマーケットプレイス取引高における、OpenSeaのシェアは1年間で73%から18%へ低下している。同社CEO のDevin Finzer氏は11月初めに、従業員の50%削減を発表。「OpenSea 2.0」への移行と製品アップグレードに注力する姿勢を強調した。

また、Bored Ape NFTの出版企業Yuga Labsも企業リストラの一環として従業員の解雇を発表した。Yuga Labsは、メタバースゲーム『Otherside』の戦略に集中する方針を示している。Bored Ape Yacht ClubのNFTのフロア価格(最低購入価格)は過去2か月で60%上昇したが、前年比で30%低下している。

BAYCのフロア価格推移 出典:CoinGecko

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