リップル社、米SECによるソラナなどの証券性に関する訴え修正を「場当たり的」と批判

SECの姿勢に一貫性がないと批判

米リップル社CEOらは30日、米証券取引委員会(SEC)がバイナンスに対する訴状を修正する計画を批判した。

SECは29日に新たに裁判書類を提出。対バイナンス訴訟に関して、BNBやバイナンスUSD、コスモス、ソラナその他などの「第三者暗号資産証券」についての申し立てを含め、訴状を修正する許可を求める意向を示した。

SECは、裁判所が、こうした仮想通貨に関する申し立ての妥当性について判断をくだす必要性をなくすとしている。つまり、この裁判ではSOLなどのアルトコイン銘柄を論争の内容から外すことになる。

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SECは、対バイナンス裁判で、12銘柄のトークンが有価証券にあたると主張してきた。

SECは今回、このうちソラナ(SOL)、エイダ(ADA)、ファイルコイン(FIL)、コスモス(ATOM)、サンドボックス(SAND)、マナ(MANA)、アルゴランド(ALGO)アクシー・インフィニティ(AXS)、COTIについての申し立てを修正するとしている。裁判所がこれらのトークンの証券性について検討しないようにする狙いがあると考えられる。

この動きに対して、同様にトークンの証券性をめぐり、未だSECと裁判を行っているリップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは、次のようにコメントした。

SECのゲンスラー委員長は、ルールは明確であると証言しているが、SECは実際には明確なルールを見いだせておらず、場当たり的に適用して、業界の混乱をさらに悪化させている。

SECは政治的なアジェンダにもとづいて、欺瞞をともなう訴訟戦術を行っているとも続けた。

ソラナなどトークンの証券性が焦点

また、リップル社のスチュアート・アルデロティ最高法務責任者は次のように述べている。

裁判官が、バイナンスに上場しているトークンは証券であるというSECの主張に対して、不正確である可能性を示唆したら、SECは「そのことについては気にしないで」と言う。

しかし、対コインベース訴訟では、これらのトークンの証券性についての申し立ては依然として修正されていない。これは正しい規制の仕方ではない。

対バイナンス訴訟と対コインベース訴訟で、SECの姿勢が一貫していないと指摘する格好だ。

背景として対バイナンス訴訟で、地方裁判所のエイミー・バーマン・ジャクソン判事は6月、「SECによる証券法に関する新たな解釈が従来の枠組みから逸脱しており、証券であるトークンとそうでないトークンとの明確な区別がつかない状態にしている」と認める判断をくだしていた。

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専門家の見方

大手仮想通貨投資企業パラダイム(Paradigm)の政策ディレクターを務めるジャスティン・スローター氏は、ジャクソン判事の発言からは、問題になっているトークンがいかなる場合も証券性を持ってはいなかったと判断する可能性が窺えたと意見した。

このためにSECは今回、これらのトークンの証券性を指摘する姿勢を撤回する方針を示した可能性があると続けた。ただ、これは対バイナンス裁判に関する動きであり、今後他の裁判では、引き続き問題のトークンについて証券性を主張することもあり得るとしている。

なお、ゲンスラー委員長の交代を求める声は米民主党の一部からも上がっているところだ。

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SEC(証券取引委員会)とは

株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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