「Radar Hackathon」がスタートソラナ財団とSuperteamが開発支援を強化|週間ソラナニュース
*本レポートは、Soylana Japan(@SoylanaJapan)プロジェクトが、CoinPostに寄稿した記事です。
今週のSolana(ソラナ)
今週、最大級のハッカソンであるRadar Hackathonが開始されました
これから約1ヶ月間、チームが開発にしのぎを削り競い合います。また、ハッカソンのサイドトラックも豊富で、Superteamが中心となって開発支援を強化しています。
さらに、ソラナ財団も様々なツール開発に向けたファンドを発表し、Solanaエコシステム全体で開発を加速させる取り組みが進行中です。
週間ニュースダイジェスト
ソラナの最大級Hackathon「Radar Hackathon」が開始。
Solana最大級のハッカソン「Radar Hackathon」が始まりました。期間は9月3日から10月8日までの約1ヶ月間で、オンラインで開催されます。
賞金総額は$600,000が用意されており、勝者の15チームはColosseumから$250,000のプレシードファンディングやネットワーキング支援を受けることができます。
資金面だけでなく、さまざまな支援を受けられる点が魅力となっています。
Superteam Japan,日本からのRadar Hackathon参加チームへの支援強化
Superteam Japanが、日本からのRadar Hackathon支援として「Solana Radar Japan Track」を発表しました。これはRadar Hackathonのサイドトラックで、日本から参加するチームが応募可能で、1~5位のチームに総額$10,000が用意されています。
さらに、Superteam Japanは「ビルドステーション」と呼ばれる開発支援イベントを東京と福岡で開催予定。チームの人材マッチングやメンターシップなど、さまざまな方法での支援が行われるとのことです。
Web3プロジェクトに興味がある方にとって、Solana未経験でも大きな機会となるため、ぜひ参加を検討してみてください。
Solana財団がFinternet構想貢献に最大$1MのGrant発表
Solana財団が、Finternetと呼ばれる金融とインターネットを融合させたコンセプトの開発者に対し、最大$1Mのグラントを発表しました。
Finternetとは、次のような特徴を持つものです:
- 誰でも簡単にアクセスできる
- 誰とでも取引ができる
- 世界中のサービスにシームレスにアクセスできる
これらは資産のトークン化と統一台帳によって実現されると考えられており、Solana財団はSolanaを活用してFinternetの実現を目指しています。
JupiterがMEV protection機能を実装
SolanaはMemeコインの取引が活発になっている一方で、フロントランによるサンドイッチ攻撃も大きな問題となっています。Jupiterはフロントランを軽減するためにMEV プロテクション機能を発表しました。
JupiterのMEVプロテクションは、トランザクションを直接Jitoバリデータクライアントに送ることでフロントランの可能性を減少させる仕組みです。
しかし、Solanaのサンドイッチ攻撃は悪意あるバリデータが関与していると考えられており、このMEVプロテクションがどの程度攻撃を防げるかは現時点では不明です。
Bybitが先週発表したBybitのLSTであるbbSOLの詳細を発表
Bybitは、Solanaの初めてのCEX LSTである$bbSOLの詳細を発表しました。基本的な手数料はすべて0%ですが、デポジット時には0.1%の手数料が発生します。
既にステーキングやDEXとの取引が開始されています。さらに、RestakingプラットフォームであるSolayerでのRestakingも可能になると発表されています。しかし、他のLSTと比較して明確な優位性は現時点で見られません。
その他のSolana関連ニュース
TritonがValidatorのbandwidthを売買するCascade Marketplaceのベータを開始予定(詳細)
Kinzal氏の「Solana Builders Handbook エスクロー入門」がAmazonにて発売(詳細)
KaminoがLendingのV2を発表(詳細)
NFTマーケットプレイスHyperSpaceがサービス終了(詳細)
Volmexが、SolanaのImplied Volatility Indexを発表,取引も近々開始か(詳細)
Dataから見るSolana
続いて、データからSolanaを分析します。
CEXのLiquid Staking Tokenの影響
Binance、Bybit、BitgetがLiquid Staking Token(LST)を発行するというニュースをお伝えしましたが、今週はこれらのバリデータに関する数字に注目します。
現在、Binanceが運営するバリデータには5.6M $SOLがステーキングされており、全体で8位のステーク量を持つバリデータとなっています。
Solanaでは現在、28M $SOLがLSTとしてステークされていますが、これはネイティブステークと比較すると約7.37%に留まっており、LSTの普及がまだ進んでいない理由とされています。
しかし、Binanceのバリデータにステークされている5.6M $SOLがすべてLSTになると、LSTとステーク量の比率が1-2%ほど上昇し、LSTのアダプションが大きく前進することになります。(執筆時:Bybit及びBitgetのステーキング先及びステーク量は不明)
LSTはユーザーにとって、即時アンステーキングが可能という点で非常に魅力的です。
しかし、エコシステム全体の観点から見ると、CEXによるLSTの導入の利益はまだ明確ではありません。CEXが運営するバリデータは、バリデータコミュニティへの参加が少なく、更新が遅れたり、スキップ率が高いケースが多く見られます。
SolanaのLSTやバリデータコミュニティでは、CEXでのステーキングを減らし、分散化を実現する方法が議論されてきましたが、LSTの導入によってステーキングの集中化がさらに進むのではないかという懸念も出ています。
一方で、CEXのLSTがDeFiで利用可能になった場合、DeFiでの利用機会が増え、エコシステムにとってプラスの影響を与える可能性も議論されています。
SolanaにおけるpyUSD報酬と今後の立ち位置
SolanaでのPyUSDの躍進については前回も取り上げましたが、今週はDeFiにおけるPyUSDのインセンティブが減少傾向にあります。
Lending ProtocolのKaminoでは、先週PyUSDの預け入れに対して1.2M PyUSDが報酬として与えられていましたが、今週はその報酬が699K PyUSDにまで減少しています。
そのためか、PyUSDの供給量はやや下落に転じていることが確認されています。
今後、これらの報酬が徐々に減らされることが想定されるため、PyUSDが今後Solanaでドミナンスを得ていくかどうかは注目されています。
一方で、JupiterのPerp DEXのプールであるJLPにPyUSDを含めるかどうかの議論が始まっており、PyUSDのアダプションは進んでいるようにも見えます。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します