ビットコイン暴落相場が継続 3つの下落要因と相場の注目点|仮想通貨市況
- 仮想通貨市場の暴落続く
- BCH分裂騒動で揺れた仮想通貨市場、ビットコインやアルトも影響する形で暴落相場を形成したが、本日更なる下落へと繋がった。本記事では、現在仮想通貨市場で起きている問題と、相場の下落の要因をまとめた。
仮想通貨市場の暴落続く
ビットコインキャッシュの分裂騒動で揺れた仮想通貨市場、ビットコインや他のアルトコインも続く形で暴落相場を形成したが、市場は大きく値を戻すことなく、更なる下落へと繋がった。
年初来安値を更新して厳しい立ち位置に置かれているビットコインは、bitFlyer BTC/JPY日足RSIが20%割るほどの大暴落を記録していたが、本日も続落した影響でRSIの回復は未だ見られない厳しい状況だ。
RSIとは
投資家の心理状況を表す為に考案されたテクニカル指標。このRSIの数字が高いと「買われ過ぎ」、低いと「売られ過ぎ」となり、相場の強弱を教えてくれるテクニカル指標で、株式の世界では一般的には70%以上だと買われ過ぎ、30%以下になると売られ過ぎと言われている。
直近の主要通貨の乱高下の状況を比較すると、ビットコインキャッシュフォークで暴落した15日未明以降、BCHの価格の下落率が著しく高いことが確認できる。
今回の分裂騒動で問題化したPoWプロトコルの非中央集権化への疑問が影響し、一時はPoW通貨ビットコインやイーサリアム、ライトコインが相関する形で下落、XRP(リップル)のProof of Consensusや、ステラのStellar Consensus Protocolといった、独自ネットワークを敷く通貨への買いが集まった状況も見られたが、本日の急落を伴う全面安の状況をみると、単純にビットコインキャッシュ騒動からの下落だけではなく、市場自体の地合いの悪化など、複合的な要因が関係したと考えられることができる。
上記の点を踏まえると、今回下落要因に挙げられるのは以下の3点だ。
ビットコインキャッシュに関する3つの影響
ビットコインのレンジ相場抜け
ブルームバーグの分析家が長期的な暴落になると言及
ビットコインキャッシュに関する3つの影響
考えられる下落要因として、今回も一番大きい要因は、やはりビットコインキャッシュの状況にあるだろう。
BCHティッカーによる混乱
先日のアップデートフォークに伴いブロックチェーン分岐して誕生したBitcoinABCとBitcoinSVだが、未だに続くハッシュ戦争の中で、取引所による取扱方針に異なる動きが見られた。
事の発端となったのは、昨日夜に発表を行なった大手仮想通貨取引所Huobiのビットコインキャッシュ分裂通貨の取扱方針だ。
これまで実際に取引所に各通貨を取扱いユーザーに付与を行なった大手取引所は、CZ氏率いるBinanceだったが、同取引所では、分裂通貨のどちらかにBCHのティッカーを引き継ぐことなく、BCHSVと、BCHABCのティッカーシンボルに分けて上場することを発表、実質BCHのティッカーは消えるという先例が出ていた。
しかし、本日BCH分裂通貨に関して声明を発表したHuobiは、取扱上での障壁となり得ていたリプレイプロテクションの実装が確認できたことから、明確に両通貨の分岐状況を把握できるとした上で、BitcoinABCにBCHのティッカーを引き継ぎ、ButcoinSVを分裂通貨扱いとすることを示した。
Binanceの取扱方針
- ビットコインキャッシュSV = BCHSV
- ビットコインキャッシュABC = BCHABC
Huobi・Krakenの取扱方針
- ビットコインキャッシュABC = BCH
- ビットコインキャッシュSV = 付与通貨
状況の悪化が不安視されていた中で、リプレイプロテクションの実装が取引所の発表で公表されたことや、これまで主要通貨の一つとして魅了してきたBCHのティッカーが引き継がれる取引所が出てきたことは、ビットコインキャッシュの長期的な将来性に重要な動きであることは間違いないが、各取引所での通貨のルールが異なるという状況が、一時的に投資家の混乱の種となったのではないか考えられる。
この状況から考えうる短期的な価格下落の要因だが、大手取引所がBitcoinABCをBCHのティッカーと引き継ぐと表明したことで、BitcoinABCの価格に、まだ分岐対応の価格を掲載していないBCH価格がつられた可能性や、通貨対応方針が異なる状況で、適正価格を見定めにくい状況があると言えるだろう。
ビットコインキャッシュコミュニティの争い
また、投資家の不安を煽ってしまっている要因に挙げられるのが、BitcoinSVを率いるクレイグ氏の言動だ。
クレイグ氏は、これまでBitcoinABCに対してだけでなく、他の通貨コミュニティに対しても攻撃的な発言を繰り返してきたことで注目を集めたが、ここにきて更に言動の勢いを強めている傾向が見受けられている。
コミュニティの争いが激化した当初も、通貨分裂後、以下のような下落を煽る過激発言を展開したクレイグ氏だが、他のネットワークへの攻撃を示唆するなど、投資家心理には厳しい影響が出てしまっていると言わざるを得ない状況だ。
全てのビットコインのマイナーに告ぐ。
ビットコインキャッシュの採掘に移行した場合、コストをビットコインで担う必要が出る。売却すれば米ドル建てで売り、ビットコイン市場はそれに耐えられず、急落するだろう。
考えてみれば尋常ではない量の売りとなるだろう。
良い1日を…(ビットコイン1000ドルを私は恐れない)
ハッシュ戦争による弊害
11月16日に公開されたBitmexリサーチのレポートにて、ハッシュをBCHに無理やり集めている状況の中、両陣営は巨額の損失を出しながら継続するハッシュウォーの状況が明らかになった。
先行きの見えないまま巨額の資本が消えゆくハッシュ戦争が原因となり、ビットコインキャッシュをサポートしてきたチームの資金力が細ってしまう可能性も懸念されている。
単純に「厳しい状況」という訳ではない
このように見るとビットコインキャッシュの状況がかなり厳しいと感じると思うが、混乱こそ生じているものの、状況としては改善へと向かっている。
まず、BitcoinCashの従来のティッカーであるBCHを引き継ぐ大手取引所が出てきたことや、リプレイプロテクションの実装により、通貨の送金が再開される可能性が出てきたことは、大きな進展であると言える。
また、SV側の暴力的な発言などが見られてはいるが、CoinPostでの取材でもわかったように、本来のハードフォーク目的であったアップデートによるBCH(ABC)ブロックチェーンの強化も行われている。
ロジャーバー氏も、状況の争いが起こっていることこそ認めてはいるものの、技術的な進展に期待感を示しており、ビットコインキャッシュの将来性に関しても以下のように発言、後ろ向きな見方はしていない。
ビットコインキャッシュは世界中に経済的な自由をもたらす為に最適なツールだ。だからビットコインキャッシュを世界の通貨にしようと情熱を持っている人達がいる。
ビットコインレンジ抜け
直接的な要因とは考えることはできないが、これまでBCHの分裂騒動に影響され急落した14日以降、アルトコインの下落相場には影響されず、様子を見るレンジ相場を形成していたビットコインの価格が大きく崩れたことも、急落を助長する要因になったと考えられる。
記事上部の画像と同様のものとなるが、この様にビットコインはアルトコインの下落に大きく影響されない価格推移を継続していた。
その価格推移の中での上値と下値が交差するラインを本日大きく割り、ビットコイン価格も急落、BCH騒動では逆行高を見せていたXRPも、BTCを中心とした地合いの悪化に影響され下落に転じたと思われる。
ビットコイン(BTC)価格は、60万円を割ったのち、一時的に下落は落ち着いた動きを見せているが、前回大きく反発した状況とは対照的で、リバウンドの勢いも極めて弱い。
60万円ラインを大きく下回り、下落が継続した場合は、さらに一段下に行く可能性が十分あるため、慎重に見ていきたい相場だ。
ブルームバーグのアナリスト:ビットコインが1500ドルへ
また下落の要因となり得た要因に、専門家の弱気な立場を示す動きも影響したと考えられる。
年初から継続して強気な姿勢を示してきたTom Lee氏も、年末相場を25000ドル(約280万円)から15000ドル(約170万円)にまでひき下げるなど、未だ高い水準を予想するも、弱気な姿勢を見せた。
特先週木曜日以降続くビットコインおよび全体相場の下落を受け、米有力誌ブルームバーグの取材に応じた、複数のヘッジファンドの分析家が厳しい状況を示唆したことが、今回の懸念点として挙げられる。
現在BCH分裂騒動による急落した相場は、現在の水準で止まることでなく、さらに70%の下落を記録し、最終的には、1500ドル(16万9500円)へと落ちてしまう可能性が高い、とかなり厳しい分析結果を示した。
まず、ヘッジファンドIkigaiの創設者は、ビットコインキャッシュが分裂した直後に以下の様に言及している。
ビットコインキャッシュ関連の悪ファンダが仮想通貨市場全体にどのような衝撃を与えていくかは測りがたい。
ブルームバーグの記事では、一部の投資家は、「ビットコインキャッシュの二つの分裂通貨の誕生により、ビットコインから投資資金とハッシュレートを奪ってしまう可能性が高いと見ている」と報道した。
ブルームバーグ・インテレジェンス所属のアナリストMike McGlone氏はこの説に同意しており、以下の様に続けた。
今回の暴落は、ビットコインキャッシュのハードフォークが原因だった。数週間前からの価格パンプ(BCHの価格急騰)は市場がいかに好景気の様なロング目線が続くかの様に見せかけて、現在では、下落相場に続く形になっている。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株
貿易問題に関する米中関係の改善期待などから、日経平均株価は微反発。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株は、寄りから売られる展開だったが、寄り底となって一定の回復を見せている。
そんな中、大幅上昇を見せたのは、仮想通貨事業にも注力する「セレス(3696)」で、前日比9.47%で引けている。ここのところ乱高下しているものの、14日大引け後に発表した第3四半期の業績が下支えしてる状況だ。「1-9月期経常は通期計画超過、配当を6円増額」が好感されており、業績上振れを期待する買いが向かっているとされる。
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