一時撤退のビットコイン採掘企業が「出戻り」 市場の底値を見ての動きか|仮想通貨朝市況

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本日の記事内容 ●ビットコイン相場 ●相場の注目点 ●マイナーの出戻り ●ビットコイン分散化で好材料 ●米政府閉鎖の影響 ●米債券も担保とするビットコイン関連ETFが登場

マーケット情報

1月17日の仮想通貨マーケット情報

ビットコイン

8時時点のデータは以下の通り。

BTC価格(17日8時)
価格 前日比
現在値 393,084円 0.41%
24h高値 398,492円
24h安値 384,000円
出来高 5920億円 -0.89%

17日の仮想通貨市場は、ビットコインが日本時間深夜から朝にかけて値幅4000円で推移するなど、落ち着いた値動きで推移している。直近3日間では、シンプソン相場が断続的に続いていたため、久しぶりに価格急変動がない朝を迎えたことになる。

また本日5時45分、米政府機関が閉鎖された状況下で、Cboeのビットコイン先物決済期日を迎えたが、相場への影響はみられなかった。

現在の注目点としては、直近でもペナント抜けによる相場変動が見られていた中で、ビットコイン(Bitfinex BTCUSD)のチャート上で形成するペナントの集束点が近い点だろう。

本日は、直近で動きのあった「ビットコインマイニング関連の動き」と「Bakkt」に関する内容と、最新ニュースをお届けする。

BTCのハッシュパワーが直近三ヶ月最高値更新

ビットコインのマイニングハッシュパワーが再び上昇する動きを見せている。

昨年末、年初来最安値(3200ドル/≒35万円)を更新してから、ビットコインのハッシュパワーは中小規模マイナーの離脱により、大幅下降していたが、ビットコイン相場の底値を見ての動きか、ハッシュパワーが徐々に戻りつつある。

出典:blockchain.com

昨年の11月中旬からビットコインキャッシュの分裂騒動の影響を受けたBTCのハッシュパワーは現在、直近最低値からすでに約35%の上昇を記録しており、その理由としてビットコインが1月7日〜10日の間、4000ドルの抵抗線の上回って推移していたことが、中小規模のマイナーが一時的に停止させていた業務を復旧させた点が挙げられている。

ハッシュレートの上昇による影響は、マイニングの難易度に当たるデフィカルティにも及ぶが、2日前に最新のビットコイン難易度調整が行われ、4.72%の難易度上昇、底値から連続で難易度が上昇する結果となった。

出典:bitcoinwisdom.com

今回の難易度調整によって12月4日以降の水準を超えたことになる。12月4日時点がBTC=4000ドル付近、現在がBTC=3600ドル付近であることを踏まえると、仮想通貨市場の地合いは依然として好転しない中でも、マイナーによる総悲観の状況に変化が現れており、マイニング収益分岐点なども踏まえた底値をみる一つの指標となるかもしれない。

なお、中小マイナーの撤退によって、大手マイナーへの寡占化が問題視されていた問題。この点にも大きな変化が見られている。

現在のビットコインマイニングハッシュレートを見ていくと、一番多いハッシュレートシェアを「Unknown(不明)」が占めており、これまで勢力を拡大してきた大手プールのシェアが大きく減少してきていることがわかった。

出典:blockchain.com

どれほどシェア率が変わっているかを見ていくために、過去にBitmain社がビットコインハッシュレートの42%以上を占め、51%に近づいていることが指摘されていた2018年6月のデータと比較する。

出典:BTC.com

この当時、BTC.comが公開する統計では、BTC.com:27.0%、 AntPool:15.2%を占めており、Bitmainの傘下にある2つのマイニングプールの合計ハッシュレートシェアは42.2%になっていた。

また、現時点のデータでは、BTC.com:15.7%、 AntPool:10.9%と合計で26.6%、大きく勢力を落としていると言える。

大規模なマイニング事業を行なっているビットメイン社は、企業としての経済的余力がある上、ハードウェアの自社製造と供給を背景に、厳しい状況で勢力を伸ばすと見られていたが、直近で幾度となく報道された経営悪化が実際に影響しているとみられる。

これらの動きから、単純に中小撤退による大手マイナーのハッシュレート増加ではなく、一時撤退していたマイナーの出戻りの状況を示していると言える。(停止していたマシンの再稼働含め)

また検閲体制の高いビットコインを、より分散化へと導く動きとなり、相場における良ファンダメンタルズ要因としても捉えられる可能性は十分にある。今後のハッシュレートの推移には、複合的な観点で注目すべきといえるだろう。

トランプ政権による長期的な政府閉鎖がBakktにも影響

トランプ大統領は自身の掲げる重要政策の柱の一つとして隣国メキシコとの国境側の壁建設を挙げており、米議会と予算の不一致が引き金となり、2018年12月27日から政府の閉鎖を発令したことで、すでに25日にも及ぶ政府閉鎖が継続している動きは、現在米政府とレギュレーションの観点で、密接に関わる仮想通貨業界にも影響が及ぶとの声も大きい。

そのような中で、専門家による指摘も本日相次いで行われ、目先材料として控えるETFやBakktへの懸念の声が相次いだ。

米国の弁護士で、仮想通貨やブロックチェーンに関する法律や政府機関の仕組みに詳しいJake Chervinsky氏も、米政府機関の閉鎖の影響に関する見解を再び語った。

CFTC会長のGiancarlo氏によると、政府閉鎖期間中のCFTCは、先物とスワップ市場の監視市場に不可欠で最低限な機能のみ果たす事ができるとしている。

Bakktの検討は政府閉鎖が終了するまではほぼ確実に保留されるだろう。

そのような中でもBakktは、「我々のミッションは初となる機関投資家向けの取引市場と現物決済のデジタル通貨のカストディ・ソリューションを統合し、提供することだ。」と言及、リツイートが相次ぐなど、機関投資家参入の第一歩としての期待が大きい。

ETFの可否判断も控えている今、米政府閉鎖のニュースには仮想通貨業界でも注目度が増しているといえるだろう。

本日のニュース:NY投資運用企業、新たなビットコインETF申請を提出

上述した通り、米政府機関の閉鎖は仮想通貨に関する判断を下すCFTCやSECの判断時期を遅らせる可能性があるが、そんな中でも新たなビットコインETFの申請が米証券取引委員会(SEC)に提出されていたことがわかった。

米国最大級の都市ニューヨークに拠点を置く投資運用企業のWilshire Phoenix Funds, LLCが提出した新しい ビットコインETFの特筆すべき点は、同ETFがビットコインだけではなく、米国発行の債権も担保している点だ。

Wilshire Phoenix側がビットコイン単体を担保せず、他の資産クラスも入れる意図としては「価格の変動性を抑える効果がある」とSECに提出された申請書に記載されている。

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