仮想通貨の成長には米国の「ビットコインETN」が必要|米Cboeトップが語る見解

Cboe最高経営責任者が語る仮想通貨の成長
シカゴ・オプション取引所(CBOE)の最高経営責任者、Ed Tilly氏は、ビットコイン市場の成長に必要な要素はビットコインETNの承認であると言及した。ETF申請にも関わるCboeのトップが語る見解とは?ETFとETNの違いに関する記事も掲載。

Cboe最高経営責任者が語る仮想通貨の成長

仮想通貨市場の拡大に好影響を与えるとして、期待されてきたビットコインETFの実現に長らく進展が見られない中で、ETF申請の渦中にあり米国最大オプション取引所であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)の最高経営責任者、Ed Tilly氏が、ビットコインETNの承認が、ビットコイン市場の成長に必要な要素だと述べた

ETNとは

Exchange Traded Noteの略。上場投資証券などと呼ばれる上場商品となり、ETF(Exchange Traded Fund)と同様、価格が株式や商品の指数などに連動する商品のこと。

ETFとは複数の違いがあるが大きな違いはその裏付け資産の問題

ETF:投資信託委託業者が、指数に連動するように現物証券(ビットコインの場合はBTC)を集めた上で、指数連動する投資信託の受益証券を発行。

ETN:これらを発行する発行金融機関の信用を基に発行された証券を、受託有価証券として上場したもの。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

Tilly氏の見解

Tilly氏によると、個人投資家向けの商品の欠如が、上場証券市場におけるビットコインの成長を妨げて見ている。その中でもCBOEの市場で既に大きな成功を収めている 「VIX先物」の例と比較し、次のように説明した。

VIXとは

「ボラティリティ・インデックス(Volatility Index)」の略。米主要株価指数「S&P500」を対象とするオプション取引の値動きを元に算出され、将来の投資家心理を示すパラメータとして別名「恐怖指数」とも呼ばれている。

1.個人投資家の重要性

VIX(Volatility Index=ボラティリティ指数)先物はCBOEで最も人気のある先物契約だが、その成功の背景には、機関投資家だけではなく、個人投資家が取引できる数々の金融商品が存在することが関係している。 そのすべてが一緒に機能して、市場が広がる。

2.BTC先物出来高が伸びない背景

ビットコイン先物の取引量が伸び悩んでいる要因は、個人投資家が容易に取引に参入しやすい、ビットコイン価格に連動した証券がないこと。

3.ETNは個人投資家ヘもリーチ

ETN(Exchange Traded Note =上場投資証券/指標連動証券) は、取引開始手続きが煩雑な先物取引よりも、少額からの取引が可能なため、個人投資家の参入障壁が低く、利用しやすい。

4.先物とETNの提供

先物と ETNの二つの金融商品は、機関投資家向けと個人投資家向けの両市場へのアクセスを提供するという意味で、互いに対して重要である。


Tilly氏は、ETNが機関投資家ばかりに目が行きがちだが個人投資家にとっても魅力的な商品である事も伝え、機関投資家のリスクオフとしても、上場先物市場へ向かうことにつながると主張した。

アメリカ最大のオプション取引所であるCBOEは、2017年12月に初のビットコイン先物を上場させ、シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME)もそれに続いたため、仮想通貨へ機関投資家の参入を促すものになると期待されたが、市場の成長は伸び悩み、その予想は半ば裏切られた形となった。

1月17日時点で、CBOEにおけるVIX先物取引契約では、37万を超える建玉があったのに対し、ビットコイン先物は3420と、契約数はその1%にも満たない。

実はビットコインETN、一時期、アメリカでも取引が開始された経緯がある

昨年8月、米金融サービス大手Fidelity Investmentsが、CoinShares Holdingsの子会社XBT Providerがスエーデンの証券取引所Nordic Nasdaqで提供していた商品を、米ドル建てで取引を開始したと報道された。

このETN(商品名Bitcoin Tracker One)は、スエーデン市場では2015年から取引されている商品である。しかし、9月には米証券取引委員会(SEC)は、このETNの取引一時停止を通達している。

Tilly氏は、このような事例をみたうえで、規制当局であるSECがETNを承認するには現状「不正操作と投資家保護」という難題があるとして次のように述べている。

「(SECが)規制していない市場で、どうやって米国の顧客を不正操作から保護する方法があるのだろうか。その答えが出たときこそ、最初のETNが実現する時だ。」

仮想通貨市場に新たな金融商品を投入し、市場を拡大しようとする試みとして、これまで、さまざまな努力がなされてきた。

数々のビットコインETF承認申請がその顕著な例の一つだが、SECは、これまで一つとして承認していない。また、最有力視されているVanEck版ビットコインETF も、昨今のアメリカ政府機関閉鎖の影響もあり、その実現は疑問視されている。

ETFとETNの違いについての記事を掲載致します。

アメリカ証券取引委員会(SEC)は、9日の日曜日、二つの仮想通貨関連の金融商品の取り扱いを停止すると発表しました。これらの商品が市場においてETFかどうかといった混乱させているという理由での措置となりました。
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米SECの内情に詳しいJake Chervinsky弁護士は、閉鎖中も必要な業務は、少数のスタッフにより行われている上に、SECがその自動承認を阻止する業務を遂行する可能性が極めて高いため、ETFが自動的に承認される可能性はないと解説。
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