金融庁のビットコイン市場に対する姿勢に変化、業界の自粛ムードに雪解けの兆し|仮想通貨市況

仮想通貨市場

●BTC価格は揉み合いでレンジ内を推移

●金融庁の姿勢に変化、業界自粛ムードに雪解けの兆し

●ビットコイン市場、今春から巨大経済圏を持つ「楽天」参戦

金融市場と仮想通貨

本日の国際金融市場の値動きは、以下の通り。

日付 NYダウ 日経平均 BTC価格
2/5(火) 25,239ドル(+175) 20,844円(-39) 37.6万円
2/6(水) 25,441ドル(+202) 20,751円(+30) 36.9万円
2/8(金) 25,169ドル(-272) 20,333円(-418) 37.1万円
2/12(火) 25,053ドル(-53) 20,864円(+531) 39.4万円
2/13(水) 25,425ドル(+372) 21,114円(+280) 39.6万円

13日の東京株式市場は、280円高と続伸し、心理的節目となる21,000円台を回復した。米政府機関のシャットダウンや米中通商交渉に関する懸念後退が後押しした。

国際金融市場のセンチメント改善に対し、ビットコイン価格や仮想通貨(ブロックチェーン)関連株にも波及しつつあるか、回復の兆しも見せ始めており、直近では底堅い展開が続いている。

後述するが、本日、楽天(4755)の仮想通貨取引所に関連して、商号を「楽天ウォレット株式会社」に変更するというニュースもあり、今春以降の仮想通貨関連セクターの株価動向も注目される。

ビットコインテクニカル分析

先週金曜日、下降ウェッジ上抜けから急騰を見せたが、その後は方向感定まらず、狭いレンジで揉み合っている。

中期的には、依然として下目線優勢で、日足のトレンドラインが「上値抵抗帯」になって頭を押さえ付けられているような状態であるが、仮に時間足レベルのローソク足の実体でこれを超えて定着することができれば、一段高の可能性もある。

ただし現在は、無理にポジションを持つような局面ではなく、海外取引所Bitfinexの「3800ドル(fib0.5)〜3660ドル(fib0.618)」のボックスで推移しているように見受けられる。

ファンダ要因

2018年以降、しばらく沈黙・低迷していた日本の仮想通貨市場だが、直近は国内のプラスファンダが相次いでいる。

ロイターの報道によれば、金融庁が仮想通貨業者「GMOコイン」への行政処分「業務改善命令」を解除したことが分かった。

行政処分の解除は8日付で、2018年1月に発生した仮想通貨の巨額流出事件後、金融庁が下した資金決済法に基づく行政処分の解除は、今年1月にみなし業者から正規の仮想通貨交換業者に業登録された「コインチェック」に続き、2例目になるという。

「月次報告などを検討し、処分の理由となったシステム管理体制について十分な改善が図られたと判断した」とされ、金融庁の「業務改善命令」を解除や、新しい取引所の認可登録などが今後も相次ぐ可能性もある。

過去最高益のGMOがマイニング事業で再起をかける

なお、仮想通貨取引所「GMOコイン」を運営する「GMOフィナンシャルHD」の熊谷代表は先日、決算説明会を開催した。

2018年12月期決算では、過去最高益を更新したほか、ビットコイン預かり資産は過去最高を更新。インフラ、金融事業ともに営業利益100億円超を叩き出し、「マイニング事業再構築の特損あるも、ダウンサイドリスクは払拭、財務基盤はむしろ強化」したと報告している。

仮想通貨市況の厳しさが増していることで、ボラティリティ及び売買代金は減少傾向になるなど低水準で推移する中、口座数は伸長。2018年の1年間で、約3倍(22.5万口座)にまで増加している。

出典:GMO 2018年12月期 決算説明資料

さらに、顧客預り資産(ビットコイン)の数量も、増加傾向で推移。

「仮想通貨売買代金と口座数の推移」でもわかるように、ビットコインキャッシュ(BCH)のハッシュ戦争の余波を受け、BTC価格が65〜70万円の底値割れして暴落した昨年11月以降に特に急増している。

出典:GMO 2018年12月期 決算説明資料

自社マイニング事業は、電気代の安いエリア(非公開)に移行することで継続し、マイニングマシン開発・製造・販売は、採算が合わないために停止するとしている。

継続・撤退の判断基準としては、以下の3点を挙げ、マイニング事業の収益黒字化に対して力強く宣言して、決算説明会を締めくくった。

自社マイニング(事業継続)
  • 想定を上回るグローバルハッシュレートの上昇(想定シェアを下回る)
  • BTC価格の低迷
  • マイニングマシンの高値掴み(収益を圧迫)
マイニングマシン開発・製造・販売(事業撤退)
  • 上記要因による競合マシン価格の下落
  • 外部環境による需要の低下
  • マシン部材の不足による製品化の遅延

巨大エコシステムを抱える「楽天」参入

また本日、楽天グループ傘下の仮想通貨取引所を運営する「みんなのビットコイン社」の商号を「楽天ウォレット株式会社」に変更することが発表された。

目標としては、「事業のさらなる安定と拡大とともに新たな価値の提供を目指すことや、楽天グループでの事業強化とシナジー効果を最大化」を挙げている。

楽天公式サイトの情報によれば、楽天会員数は2018年9月末時点で1億以上を誇り、グループサービスを2つ以上利用したユーザーは69.2%と非常にアクティブなユーザーを抱えている。

出典:rakuten.co.jp

2019年4月1日から新サービスに移行するとしており、国内を代表する企業が仮想通貨関連事業に本腰を入れてきたことで、市場規模の拡大が期待される。

楽天グループ傘下の仮想通貨取引所を運営するみんなのビットコイン株式会社の商号が、2019年3月1日(金)より「楽天ウォレット株式会社」に変更、コーポレートロゴを楽天ブランドに変更されることが発表された。

Gincoが仮想通貨取引所の収益を全面サポート

さらに、仮想通貨ウォレットを提供する株式会社Gincoが、仮想通貨交換業者向けのサービスを新たに開始すると発表した。

仮想通貨関連ビジネスを行う事業者のシステム課題を解決し、より多くの事業者がサービスづくりに集中し、収益最大化ができるサポートをしていくとの方針を掲げている。

今回発表されたノードホスティングサービスや業者向けウォレットやホワイトラベルウォレットの提供開始されることで、Ginco社だけではなく、日本の仮想通貨業界にとっても前進と言える。取引所側も新規顧客の流入などにより注力しやすくなると考えられる。

ビットコインなどの仮想通貨ウォレットを提供するGinco社代表は「ウォレット開発で培ったインフラまわりの知見を事業者に提供していくことで、仮想通貨・ブロックチェーンの普及を推進するため、Ginco Solutionsを開始した」と抱負を述べた。

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