米FBIが異例の対応、「詐欺ICO」の特徴や仮想通貨取引所の認可登録について説明

FBIが詐欺ICOの特徴を解説
米連邦捜査局FBIは、決済リサーチメディアの取材を受け、詐欺ICOプロジェクトの見極め方や仮想通貨取引所の登録について、説明を行なった。

FBIが解説、詐欺ICOの特徴とは

米連邦捜査局FBIの捜査員は、決済ペイメントリサーチメディアThe Paypers の取材を受け、詐欺ICOプロジェクトを含む仮想通貨関連犯罪および捜査について、様々な意見を述べている。本記事では、その主要内容を取り上げ、以下のように紹介する。

この点に関して、FBIは以下のように言及した。

詐欺ICOの発行者は、よくある不正投資商品のように、ICO投資による配当の約束を偽る。

多くのICOスキャムには共通点が見られ、プロジェクト側の責任者および開発者のキャリア捏造や、ICOに対する仮想通貨業界の関心度の誇張、またはICOトークンの利益リターン率の杜撰さなどが挙げられる。

投資家たちに注意してほしいのは、利益のリターン率は約束できるものでなく、その比率が高いほど、不透明なプロジェクトである可能性が極めて高い。

そして、FBI側は投資家に対して、ICOを選ぶときに、プロジェクト企業の本拠地(郵便番号の有無など)や法律と規制の管轄範疇など広範囲に渡るデューデリジェンス(投資対象となる企業や投資先の価値、リスクなどを調査すること)を行うように勧めている。

FBIは、より見極めにくい詐欺ICOに対する追跡と阻止について、以下のように言及した。

我々FBIは、不正仮想通貨と有価証券の追跡と撲滅に対応するスタッフが多くいる。また、SEC(証券取引委員会)とCFTC(先物取引委員会)とも密接に連携している。

さらに、不正・詐欺ICOがどのように米国の経済と消費者に影響を与えているかとの質問に対して、FBIはこのように答えている。

残念ながら、多くの米国および外国の投資家は不正ICOなどの不正投資から被害を受けている。我々は絶え間なく規制当局と連携し、スキャムの撲滅とスキャマーの逮捕に勤めているが、現時点では詐欺師にとって莫大な利益が得られそうなマーケットであるため、このような不正は今後も出てくるだろう。なので、最も有効な対策とは、情報を大衆に開示し、注意を喚起することだ。

仮想通貨取引所やビットコインATMに関して

FBIは、詐欺ICOのほか、仮想通貨取引所ならびにビットコインATMの法的登録に関して、以下のように説明した。

仮想通貨ATM、仮想通貨取引所の経営者は、FinCEN(財務省金融犯罪取締ネットワーク)に、MSB(マネーサービス事業)として登録する必要がある。

FinCENはこれまで、個人もしくは企業が仮想通貨取引所の事業に携われば、登録条件に該当すると主張しており、複数の連邦地裁もこれに同意している。

未登録の事業者は、法律違反となる。

昨年夏、FBIは初めて仮想通貨の不正利用における130件以上の調査 を行なっていることを明かした。

FBIが、今回のように仮想通貨・ICO関連の不正行為や取引所の登録について詳しく説明することは珍しく、今後FBIによる不正ICOに対する調査・取り締まりにも注目したい。

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