仮想通貨イーサリアムのトップ開発者が、コミュニティ開発から離脱|インターネットの炎上が発端
- Afri Schoedon氏が離脱について答える
- イーサリアムに多大なる功績を残したAfri Schoedon氏がコミュニティを離脱した。同氏の離脱に関わる炎上の状況と、イーサリアムへの想いに関する声明も発表された。
Afri Schoedon氏が離脱について答える
トップ開発者としてイーサリアムプロジェクトを長年率いてきたAfri Schoedon氏は、近日受けたインターネット誹謗中傷被害からイーサリアムのコミュニティのすべてのプロジェクトから離脱することをツイッターで明らかにした。同氏は2017年6月28日以降のイーサリアムに関するすべてのツイートを削除している。
Schoedon氏は、イーサリアムのプロジェクトに多大なる功績を残しており、イーサリアムソフトウェアクライアント「Parity」のリリースマネージャー、および次のイーサリアムの大型アップグレード「コンスタンティノープル」のコーディネーターとして活躍していた。その一方で、ブロックチェーンプロジェクト「Polkadot」の開発にも携わっていた人物だ。
事の発端は、先週のツイートで(すでに本人の削除済み)Schoedon氏が「Polkadotはイーサリアム2.0である「セレニティ」のあるべき姿を引き出すことが出来る』とコメントしたことで、イーサリアムコミュニティが炎上したことにある。
Schoedon氏は。Polkadotとイーサリアムは競合相手ではなく、目指すべき目標は同じでありが現時点でPolkadotの方が先を行っている、という意図を伝えたかったようだが、その意図がコミュニティによって曲解され炎上に至った可能性が高いとみられている。
同氏が離脱する当時のツイートを、人気オンラインメディアプラットフォームReddit上に文字として掲載されている。
私は、SNSをやめたわけではない、イーサリアムプロジェクトを去っただけだ。
私はもうハードフォークや、テストネットなどの協力をやめている。
明確にしたいことがある。Polkadotに務めたことは今まで一度もない。
イーサリアムに一筋であった。イーサリアムを愛し、力を尽くしていたことをわかってほしい。
Schoedon氏、海外メディアのインタビュー対応
この炎上によりSchoedon氏はSNS上で様々な誹謗中傷の被害を受けたが、事実無根の情報が錯綜し、イーサリアムコミュニティは一時騒然となった。
ブロックチェーン情報サイトのBREAKERMAGが21日、Schoedon氏に対して行ったインタビューで、以下のようなコメントがコミュニティ上での状況を明らかにしている。
- Schoedon氏が去年コメントした『2018年にセレニティは来ない』と発言したのは自分がPolkadotに目移りしているからである。
- イーサリアムの大型アップグレードである【コンスタンティノープル】が今年に入って2度も延期したのは競合プラットフォームであるPolkadotに力を入れているからである。
- 1月にイーサリアムの価格が約1万円台まで下がったのは、Schoedon氏がイーサリアム開発に力を入れてないからであり、イーサリアム投資者に大きな損失を与えている。
ブロックチェーンプロジェクトは多くのオンラインユーザーが参加し、たくさんの議論を経ることでより良い形へと発展していく。しかしその裏腹に、誤解や混乱によってこうしたインターネットの誹謗中傷を引き起こす状況も、問題視されている。
BREAKERMAGは、Schoedon氏の事件を伝えるべく、多くのイーサリアム開発者との共同声明であるオープンレター『サイバー暴力(Toxic Behaviour)に終止符を』を先日ウェブサイトに掲載した。
その中には開発者のサイバー暴力の被害が後を絶たず、多くの開発者が不安や恐怖を経験していることを取り上げている。イーサリアムコミュニティの健全化に全力を傾けるべきであり、建設的な議論を行なうようコミュニティを促している。
国内外でも学校や会社でサイバー暴力、いわゆるネットいじめが横行しており、社会問題ともなっている。全てのユーザーが誹謗中傷にではなく、建設的なコメントや議論に力を入れることで、ブロックチェーン開発がますます発展していくことは間違いないだろう。
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