米フィデリティが機関投資家向けのビットコイン取引開始へ|数週間以内の始動を示唆
- 米フィデリティ、機関投資家向けの仮想通貨取引開始へ
- 仮想通貨カストディなどを提供する米国の大手金融機関フィデリティが今後数週間以内で機関投資家を対象に仮想通貨のOTC取引などのサービスを開始することがわかった。
米フィデリティ、今後数週間以内で仮想通貨取引開始へ
米大手金融機関のフィデリティが今後数週間以内で機関投資家を対象としたビットコインのOTC取引などを開始する予定であることが関係筋の話から明らかになった。まずはビットコインの取引サービスから提供していく方針だ。
フィデリティ社は既に今年から仮想通貨のカストディサービスの提供を開始していたが、現物の取引サポート提供には至っていなかった。しかし信頼のある大手機関が仮想通貨取引事業に参入することで業界に対する信頼度の向上につながることが期待される。
同社の広報担当であるArlene Roberts氏はブルームバーグに対して以下のように言及した。
現在少数のクライアントが我々のプラットフォームを利用している。引き続きユーザーの必要、や規制の管轄など複数の要素を考慮した上でサービスを徐々に展開していく。
米国の大手金融機関であるフィデリティ社は昨年10月にFidelity Digital Assetsという子会社を設立、同部門を通して仮想通貨業界におけるカストディや取引などを機関投資家を対象に提供していく方針だ。
専門家の意見
仮想通貨投資ファンド「モルガン・クリーク・デジタル」社のCEOであるAnthony Pompliano氏は機関投資家が今後さらに仮想通貨市場に参入する可能性につながることからポジティブに捉えている。
その一方で、VanEck社のデジタルアセット部門の責任者であるGabor Gurbacs氏は「そもそもビットコインは大手金融機関ではなく既存の金融機関とは異なる独自のシステムを築くために作られた」と冷静な見解を述べた。
先日フィデリティ社が発表した調査の結果では機関投資家から仮想通貨市場に対する興味が一定数あることが明らかになっていた。調査対象となった441の機関投資家の中、すでに22%が仮想通貨を保有していたほか、57%が仮想通貨の直接購入を好むという結果が出ている。
仮想通貨市場の中でも賛否両論あるものの、いずれにせよその重要性は間違いない機関投資家を対象にサービス展開を図るフィデリティ社の動向を今後も注視していきたい。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します