Circle社が仮想通貨決済アプリのサポート終了へ|ステーブルコイン事業に注力する姿勢示す

Circle社が仮想通貨決済アプリのサポート停止へ
仮想通貨決済企業Circle社が、決済アプリ及びウォレットアプリ「Circle Pay」のサポート終了を発表。今後、ステーブルコイン事業に注力する姿勢も示される。

Circle社が仮想通貨決済アプリのサポート停止へ

米Circle社が、決済アプリ及びウォレットアプリ「Circle Pay」のサポートを今年9月30日に中止すると発表した。

利用者は、早急に資産の引き出しを行う必要があるため注意が必要だ。

サポート終了までのロードマップは、以下の通りだ。

  • 7月8日:Circle Payへの入金、同アプリを利用した送金が不可能となる。紐づけられたカードや銀行口座にのみキャッシュアウトができる。
  • 7月31日:すべての顧客の資産を、紐づけられたカードあるいは銀行口座に返金を行う
  • 9月30日:サービスの完全停止
  • 9月30日以降:適用法に従い、顧客の住む州または国に資金返上開始

発表文書では「Circle Pay」のサポート終了後、USDコイン(USDC)といったステーブルコインに関する事業に注力すると記されている。仮想通貨を用いることで、シームレスな送金・決済手段の確立に挑戦を行ってきたCircle社だが、仮想通貨の高いボラティリティが、同社アプリ普及の大きな障壁となっていたことがうかがえる。

Circle社の新たな動き

Circle社と大手取引所のCoinbase社が共同で開発した「CENTREステーブルコイン・ネットワーク(CENTRE)」の利用メンバーの拡大を行うことを公表している。

両社はCENTREについて「インターネットのお金の開発及び発展を目標とした、会員制に基づいたガバナンススキーム及びフレームワーク」と説明しており、CENTREネットワークは、パブリックチェーンやプライベートチェーンも含め、あらゆる仮想通貨が複数のブロックチェーン間で機能することを目的としている。

Circle社は、この取り組みに関して、以下のようなコメントを残している。

最終的には、プログラムされたお金により、世界経済に変革が起きると予測している。

世界中の人々やビジネスが、簡単で安全に多様性のある経済的な制度や仕組みにアクセスできるようになるだろう。

世界的デジタル通貨時代の到来により、地球上の誰もが価値にアクセスでき、自由を享受できるような社会変化が予想され、これにより、より多くの人々や企業が経済活動や価値交換に参加できるようになる。

Circle社とCoinbase社は、去年の10月にCENTREコンソーシアムを設立し、最初のステーブルコインとなるUSDコイン(USDC)をローンチしている。ステーブルコイン事業へ力を注ぎ続ける2社だが、ステーブルコインが仮想通貨による決済や送金の普及を促進することはできるのだろうか。今後のステーブルコインに関する動向が注目される。

米Circle社のCEOは米CNBCの経済番組「Squawk Box」のインタビューで、今後の仮想通貨の実需拡大に伴う価格上昇の可能性について発言し、今後数年間で、金融資産の全てが暗号化トークンに切り替わっていくだろうと予測した。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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