フェイスブックが支援するリブラに「仮想通貨禁止法案の壁」 インドで利用できない可能性

仮想通貨リブラ、インドでの規制対応は?
フェイスブックが支援する仮想通貨リブラの発行に際し、インドで利用できない可能性があると現地メディアが報じた。仮想通貨を禁止(または検討)する国で利用が制限される「法案の壁」に普及拡大の懸念点が生じている。

フェイスブックのリブラ、RBIに未申請

仮想通貨リブラを支援するフェイスブックは、現時点で仮想通貨を禁止する(または検討する)国ではリブラの提供を行わないとみられる中、RBI(インド準備銀行)側からもリブラに関する申請は実際にないことが確認された。現地メディアThe Economic Timesの報道した。Facebook関連の普及率で世界的にも高いシェアを有するインドだが、仮想通貨の禁止法案がプロダクトの普及に影響する事例となりそうだ。

2020年のローンチを予定するリブラは、現行の規制が仮想通貨の取引を認可していない国では利用できない可能性が浮上している。リブラの利用に使われるアプリ「カリブラ」も、仮想通貨が禁止されている地域やSNSのフェイスブックの利用に制限がある地域では使用が制限される可能性があるという。

フェイスブックの担当者はThe Economic Timesに対して、フェイスブックが運営する人気メッセンジャーアプリWhatsAppでもカリブラは利用可能であるため、リブラも世界中に広がるはずだと説明しているというが、規制当局や政府を中心に規制側の懸念は避けられないとみられる。

フェイスブックはリブラの発行で、世界に存在する銀行口座を持たない人が送金などを可能にするプロダクトの提供をすることを目的の一つに挙げているが、世界銀行の2017年のデータによると、銀行口座の最も低い保有率の国や地域にインドが含まれており、その保有率は21%となる。

また、インドではフェイスブックの利用者が4億人以上、WhatsAppの利用者が3億人以上と日本におけるLINEのような普及率をデータが示しており、リブラプロジェクトにおけるインドはメインマーケットの一つにあがると考えられていた。

インドの仮想通貨規制

現在インド議会では、重い刑罰を伴う、仮想通貨の利用自体に全面的禁止関する法案が審議されている。法案の具体的な内容については不透明な部分が多いものの、今月に入り、仮想通貨に対する規制の準備が整ったことを財務担当者のSubhash Chandra Garg氏も認める発言がみられており、市場からは規制整備への警戒感も生れている。

仮想通貨を全面禁止する今回の法案が成立すれば、仮想通貨のマイニングや、購入、販売、保管、転送、発行などといった多岐にわたる制限が加えられる可能性が指摘されている。なお、国の公式デジタル通貨として「デジタルルピー」の導入も検討しているインドでは、同通貨への支持は継続しておこなうとしているが、実利用の段階には至っていない。

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仮想通貨「リブラ」を利用する送金アプリ「カリブラ」が2020年にローンチされる際、中国やインド、ロシアなど多くの国で利用禁止になる可能性が浮上。注目を集める通貨のマーケットシェアへのマイナスの影響が懸念される。
現在インド政府は、最大10年の禁固刑を科す、仮想通貨を全面的に禁止する法案が提出されたと、ブルームバーグ誌が報じた。インド準備銀行は法案への関与を否定している。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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