『仮想通貨は未来か、スキャムか』BitMEXのアーサー氏とRoubini教授がディベート

BitMEX CEOとDr.Doomがディベート
仮想通貨楽観論者と悲観論者であるBitMEX CEOとNouriel Roubini氏は、「未来なのか、ただのスキャムなのか」をめぐり論戦に臨んだ。フェイスブックのリブラに関する見解は。

BitMEX CEOとDr.Doomがディベート

昨日コインポストが紹介したように、大型業界カンファレンス『ABS』にて、BitMEX CEOとDr.Doomの仮想通貨に関するディベートが行われた。

業界最大の仮想通貨デリバティブ市場「BitMEX」を運営するArthur Hayes氏と、アンチ・仮想通貨のスタンスを示すNouriel Roubini氏(別称:破滅博士)は仮想通貨に対する真逆の意見を示しながら、「仮想通貨が未来なのか、ただのスキャムなのか」をめぐり、論戦に臨んだ。

ビットコインの安全性

Roubini氏は討論にて、詐欺者、スキャマーが横行している仮想通貨業界は「無法状態」にあり、なおかつビットコインは安全性が欠如し、その非中央集権・拡張性を持たないものだと主張した。Roubini氏は、自分自身の仮想通貨に対する不信感を全面に出したと言える。

これに対し、Hayes氏は以下のように反論を述べている。

2,000億ドルほどの時価総額を持つビットコインはのハッキング自体は不可能ではないが、過去一度も改ざんに成功した事例は無い。

もちろん、安全性を追求するなら、ビットコインを預けずに、コールドウォレットで保管すべきだ。

なお、ビザやマスターカードなどのような伝統金融手段させ数十年を経て処理速度をあげてきた。裏を返せば、ビットコインがこれまでのたった10年だけで、これまでのパーフォマンスを出せていることは素晴らしい。

仮想通貨か、現金か

続いて、Roubini氏はAlipay(中国)やUPI(インド)のような電子マネーシステムはすでにデジタル的未来を提供しているため、わざわざ仮想通貨を利用するまでの需要が見出せないと指摘した。なお、経済や社会問題を解決するためにはすでにIoTやAIの開発や応用が進んでいるという。

仮想通貨の存在意義を否定するこの見解に関し、BitMEXのCEOは、「キャッシュ以外の選択肢を世界は必要としている。現金が無くなっていくことを見込んでいる。」と語り、「WeChatPayなどアプリによる電子マネーはとても利便性が高い反面、政府に監視される。プライバシーと利便性を取捨する自由は必要だ。」と解釈した。

同CEOは仮想通貨の普及率の低さを認めつつも、「仮に50年後、アリババやフェイスブック、グーグルが人の生活をより多くコントロールするようになっていれば、ビットコインや匿名性の高い仮想通貨に対する需要は必ず上がる。」と見解を繰り広げた。

ビットコインを始める仮想通貨市場は世界に取り残されている「唯一の自由市場」だ。

5年後、兆単位になる資産クラスになるに違いない。

さらに、2人は仮想通貨の水増し問題や規制の懸念点などに関しても語り合っていた。

リブラだけ、2人は同意見を

水と油のような二人だが、唯一意見が一致したのは、フェイスブックが先日公表した仮想通貨プロジェクト「リブラ」の件だ。

2人は、「リブラが仮想通貨に該当しない」という見解に合致した。しかし、解釈としてはHayes氏はそれが有意義な試行錯誤と見なすが、博士はそれが仮想通貨を象徴する失敗作の1つとした

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BitMEXにおける仮想通貨の年間取引高が1兆ドルを超えたことが判明した。ビットコイン(BTC)高騰に伴い、5月の月間取引高は、4月の860億ドルを大幅に超える1650億ドル(18兆円)を記録している。
30以上のリブラ反対団体の請願を受けた国会議員は先日の下院金融サービス委員会の理事長の要求に加わって、リブラの中止をフェイスブックに求めている。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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