明日開催の「Bitfinex(テザー)裁判」に2つの重要点 ビットコイン(BTC)への影響度を考察|仮想通貨市況
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- ビットコイン市場が乱高下する中で、市場の方向性を左右するファンダとして注目される「Bitfinex裁判」。裁判までの流れ・注目ポイント・仮想通貨マーケットへの影響を解説する。
仮想通貨市況
ビットコイン市場は29日、苦しい日足形状で下目線強まる中、ビットコインは直近安値の9,000ドル(98〜99万円)を割り込む直前で約6万円幅の急反発を見せた。9,000ドルは6月中旬に揉んだラインであるほか、5月31日の最高値でもある。
しかし、反騰後も半値戻しの100EMAで押さえ付けられており、短期下落トレンドは鮮明であるため、戻り売り圧力を跳ね除けるのは容易ではない。まずは緑のトレンドラインを抜けられるかどうかが最初の関門で、第二の関門である1万ドル付近は4h雲下限でもある。好ファンダの後押しなどで110万円を明確に超えない限りは上値の重さが続くのではないかと思われる。
下位足で拡大した場合、連続したシンプソン相場の過程で強烈なスパイクボトムを形成しているが、近年稀に見る上下ストップ狩りの値動きであり、直近相場の難易度を示している。
下落で底抜けした場合、やはり5-6月で揉み合った8,000ドル(87万円)付近は強く意識されることになりそうだ。
なお、8月下旬までの週足雲上限は80万円前後、100MAも同価格帯に位置しており、反発しやすい水準と言えるだろう。
今後の注目点
日本時間29日深夜から31日にかけて、仮想通貨と金融業界で大きなイベントが複数控えている。
29日の深夜から明日にかけて「Bitfinexに対する告訴の取り消し要求を審議する」最高裁の聴取が実施、31日には米国会上院の銀行委員会が仮想通貨に係る規制の枠組みを調査する公聴会が実施。
金融市場では、7月29・30日に日本銀行が金融政策決定会合を開催。7月31日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定が控えている。
今回のマーケットレポートでは、Bitfinexの聴取に関して取り上げ、その結果と次点の注目イベントを日にち毎に追って解説(明日以降のマーケットレポート)する。
Bitfinexの聴取
米NY州におけるBitfinexの裁判は、親会社iFinex社に対して、テザー(USDT)の裏付け資金から7億ドル(約750億円)相当の借り入れを行ない、不正に利用(950億円に及ぶ損失の補填に当てた)したと指摘する裁判所命令の発令から行われている。
NY州最高裁判所の判事は、Tether社とBitfinex社に対して、USDTの準備金の移動を原則的に禁じる命令を下したが、明確な証拠が不十分であることで、同日に一部の解禁を行なった。
Bitfinex側はこの資金の不正利用疑惑に対して、各国当局(NY州ではない)によって資金凍結が起きているだけであるとして、資金を損失に割り当てたとの指摘を否定した。なお、この資金は、「LEO」のトークン販売などで得た資金で借り入れ金額に割り当てることを発表した。
となると、裁判所における注目ポイントと現在の問題点はBitfinex社のNY州における違法営業の実態を指摘する「管轄権」の有無となる。
これは、Bitfinex側は、テザーを取り締まる権限はNY州にないとしており、告訴の取り下げを要求していることを意味する。今回の聴取もこの告訴取り下げを要求する上での審議するための聴取となる。
この状況から裁判におけるマーケットへの影響は2パターン考えられる。
一つ目のポイントが、「管轄権」が認められる(一部を認める可能性もあり)か、認められないか。これは、NY州におけるテザーの規制権限を左右することになり、仮に全面的に認められなかった場合、市場においてプラス材料に転じる可能性もある。
二つ目のポイントは、裁判が再開される中で、NYAGとBitfinex側から新たな声明が行われた場合の内容となる。現時点で、NYAGとBitfinex側の主張に相違点も見られており、証拠書類や一部の内容開示に伴う新情報が、USDTシェアが拡大するマーケットに売買材料とみられる可能性もある。
情報を整理すると、明日に控える聴取の中で、すぐに情報が開示されるとは考えづらく、裁判再開に伴い市場の警戒感が高まるといったところだろう。しかし、現仮想通貨市場におけるBitfinex裁判の重要性は大きく、中長期の方向性を見定めるビットコイン市場において、重要なイベントとなることは間違いない。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します