Find Satoshi Lab(FSL)が開発するWeb3ライフスタイルアプリ「STEPN(ステップン)」は、ピーク時からは活動規模が縮小しているものの、STEPN GOを含むコミュニティでの利用が継続しています。
また、STEPNで使用されている暗号資産(仮想通貨)「グリーン・サトシ・トークン(GST)」は、2022年4月に史上最高値9.03ドルを記録しましたが、2026年10月時点ではソラナ版で0.0009918ドルまで下落しています(ATH比約99.99%下落)。
そこで、本記事ではGSTの特徴や将来性、「グリーン・メタバース・トークン(GMT)」との違いを解説していきます。
目次
1. 基本情報とSTEPNでの役割
ここでは、GSTの基本的な位置付けと、STEPNのアプリ内でどのように使われているか、GMTとの役割の違いを解説します。
1-1. GSTの概要
GSTは、STEPNにおける「ゲームトークン」という位置付けです。STEPNは、NFT(非代替性トークン)として発行されている靴(sneaker)を入手し、運動することで報酬を得ることができる「Move to Earn(歩いて稼ぐ)」のアプリです。
GSTは、報酬として配布されるなどSTEPNの様々な場面で利用されており、楽しいソーシャル要素とゲーミフィケーションデザインを含む仮想通貨です。供給量の上限は設定されていません。
現在GSTは以下の複数のブロックチェーン上に流通しており、各チェーンごとに価格が異なっていることが大きな特徴です。各Realm(チェーン)のGSTは相互移動できません。なお、イーサリアムRealmは2025年にPolygonへ置き換えられています。以下はソラナ版の価格です。
- ソラナ(SOL):0.0009918ドル(2026年10月時点、CoinMarketCap)
1-2. STEPNでのユースケース
GSTはSTEPNのユーティリティトークンで、以下のようなアプリ内の場面でバーン(消費・焼却)されます。
- 靴のリペア・レベルアップ:運動で劣化した靴の修復や、靴の性能(個体値)を高めるためのレベルアップに使用
- ジェム・ソケットの操作:靴に装着する「ジェム」のアップグレードや、ジェムを入れる「ソケット」の解除に使用
- ミステリーボックスの開封・靴のMint:報酬アイテムが入ったボックスの開封や、2足の靴を配合して新しい靴を作る「Mint」に使用
また、運動した際の報酬としてもGSTは配布されます。靴の種類(Walker・Jogger・Runner・Trainer)ごとに適正速度と報酬量が設定されており、自分の運動スタイルに合った靴を選ぶことが報酬効率に影響します。
これらの仕組みの詳細(靴のクオリティ区分・個体値の構成・レベルアップに必要なポイント数など)は、以下の特集ページで解説しています。
関連:暗号資産を歩いて稼ぐ、フィットネス系NFTゲーム「STEPN」とは
1-3. GMTとの違い
それでは本節の最後に、GSTとGMTの違いを理解できるようにするために、GMTについて解説します。
まず、STEPNではGMTはガバナンストークンという位置付けです。STEPNの開発や運営の方針を決めるために使用されるというのが主な役割です。
一方で、すでに述べたように靴のレベルアップやMintなどでも使われており、ユーティリティトークンの性質も持ち合わせています。STEPNではガバナンス以外に、状況に応じて様々な場面でGMTも使われています。しかし、役割は明確に分けられており、GSTをGMTで代替できるわけではありません。
また、GMTはFSLが構築するエコシステム(DEX「DOOAR」・NFT市場「MOOAR」・Web3ゲーム「Gas Hero」など)全体のネイティブトークンでもあり、STEPN以外の複数プロダクトで共通利用されています。
その点、GSTはGMTと比較すると利用範囲は限られており、STEPN内での利用に特化した仮想通貨(ユーティリティトークン)です。また、国内での取扱状況にも違いがあり、GMTは2026年にOKCoin Japanへ国内上場していますが、GSTは2026年10月時点で国内の暗号資産交換業者での取扱がありません。GMTの詳細については、以下で詳しく解説しています。
関連:GMTの買い方【2026年最新】OKCoin Japanで国内初上場・STEPN・GMT DAO・リスクを解説
2. GSTの価格と将来性
ここでは、GSTのこれまでの価格推移と変動要因、今後の将来性について解説します。
2-1. 価格動向
以下はリアルタイムのGST価格チャートです。STEPNは最初にソラナブロックチェーン上にローンチされました。
2026年10月時点のソラナ版GST価格は0.0009918ドルです。このチャートからは、2022年4月29日に達成した史上最高値9.03ドルまで上昇基調が続き、そこから大幅に下落したことが示されています(2026年10月時点でATH比約99.99%下落)。
2022年前半の高騰は、STEPNの新規ユーザー急増やアシックスとのコラボレーション、大手投資企業からの資金調達などが背景にあるとみられています。一方、同年5月以降はテラショックやThree Arrows Capital(3AC)の破綻に伴う仮想通貨相場全体の低迷、中国当局による規制強化を受けて価格は大幅に下落しました。その後、2023年〜2024年にかけて一時的な回復もみられましたが、2024年4月のadidasとの提携発表後も長期的な下落基調は変わっていません。
関連:STEPNとアディダス提携、NFTスニーカーリリースへ
2026年10月時点でも、STEPNの活動規模はピーク時に比べて大幅に縮小しており、運動報酬の発行(mint)とアイテム消費(burn)はいずれも小規模ながら継続しています。新規ユーザーの急増や大型コラボが起きない限り、価格の上昇圧力は限定的とみられます。
2-2. 将来性の分析
STEPNのデータ
今後のGSTの価格推移については、STEPNの動向に大きく左右される可能性が高いです。STEPNが今後新しい機能を追加するなどしてユーザーを増やし、GSTの需要を増やすことが価格上昇に大きな役割を果たすとみられています。
STEPNのアクティブユーザー数の推移は、オンチェーン分析ツール「Dune」上のSTEPN関連ダッシュボードで確認できます。過去の傾向として、ユーザー数の推移はGST価格の動きとおおむね連動しており、STEPNの需要とGST価格には相関性があるとみられます。今後は新規ユーザーの増加が価格動向を占う材料になるとみられます。
STEPNのロードマップはたびたび変更が加えられており、当初予定されていた「マラソンモード」や「レンタル機能」は長らく保留状態です。
アシックスやアディダスとのコラボをきっかけにして、仮想通貨に全く馴染みがなかった層に認知が拡大し、ひいてはプロのアスリートがWeb3へ参入し始める可能性があるとの見方も上がりました。ユーザーの裾野が拡大すればGSTの価格にもプラスに働く可能性が高まるでしょう。
STEPNの姉妹アプリ「STEPN GO」(独自トークンGGTを使用)が台頭しており、元祖STEPN(OG)は更新頻度が低下する一方、STEPN GO側は比較的活発に運用されています。また、イーサリアムRealmは2025年にPolygonへ置き換えられ、現在はソラナ・BNBチェーン・Polygonの3チェーンで展開しています。ガバナンストークンGMTは2026年1月に発行量が半減(halving)しました。
なお、GMTは2026年にOKCoin Japanへ国内上場しており、GSTとは国内での取扱状況が異なります。
環境問題への取り組み
米大手仮想通貨取引所のコインベースは、GSTのユースケースの1つに環境問題への取り組みを挙げています。STEPNが運動促進を通じてカーボンニュートラルを目指し、気候変動と戦うことを使命にしていることは広く知られています。
こういった取り組みは「SDGs(持続可能な開発目標)」として世界に普及しており、金融市場の投資家も重視しています。
ホワイトペーパーでは、STEPNの利益を環境問題の取り組みに寄付するだけでなく、ユーザーが報酬で得たGSTを寄付することができる仕組みを開発していると説明しています。
3. 日本から利用する際の注意点
GSTを入手・保有する際に知っておきたい、日本国内での取扱状況とリスクについて解説します。
3-1. 国内の取扱状況
2026年10月時点で、金融庁に登録された国内の暗号資産交換業者にGSTを取り扱う事業者はありません(JVCEA公表の取扱暗号資産一覧・各社公式ページで確認、確認日:2026年10月20日)。GSTを入手するにはDEX(分散型取引所)を利用する必要がありますが、DEXは金融庁の登録・監督の対象外です。
3-2. 無登録の海外事業者・DEX利用のリスク
金融庁は、無登録の海外暗号資産交換業者の利用について利用者保護の観点から注意を呼びかけています。DEXの利用には、スマートコントラクトの不具合やハッキングによる資産喪失、本人確認を経ないことによる取引トラブル時の補償・サポートの欠如といったリスクが伴います。利用する場合はこうしたリスクを十分理解したうえで、自己責任で判断してください。
STEPNの仕組みやゲーム内での使い道についてさらに詳しく知りたい方は、以下もあわせてご覧ください。
関連:暗号資産を歩いて稼ぐ、フィットネス系NFTゲーム「STEPN」とは
4. GST投資時の注意点
ここでは、GSTに投資する際に知っておきたい2つの注意点を解説します。
4-1. 供給量の上限
1つ目はGSTの供給量に上限がないことです。
GSTなどの資産の価格は、需要と供給のバランスによって決まるため、新規供給量が限定されている(または減少する)場合、価格に上昇圧力が働きやすくなります。特にビットコイン(BTC)は、発行数量が事前にプログラムで決められていることが、投資資産としての魅力を高めています。
一方、これまで述べてきたように、GSTはSTEPNを楽しむ際に様々な場面でバーンされます。バーンは、仮想通貨が焼却して市場に流通しないようにする機能です。つまり、循環供給量が減る仕組みが導入されているということです。
また、STEPNは原則としてアクティベーションコードが必要な招待制を採用しています(時期によっては新規登録がオープンになる場合もあります)。この仕組みは、ユーザーが増えて報酬としてGSTが発行されていくことを抑制しています。
しかも、既存のユーザーはアクティベーションコードを作った場合、それが使用されないと次のアクティベーションコードを作ることができません。また、アクティベーションコードの発行には10のエネルギー消費が必要です。
現在はこのようにしてGSTの供給量を抑制する仕組みが導入されています。
4-2. 日本で未上場
注意点の2つ目は、2026年10月時点で国内の暗号資産交換業者がGSTを取り扱っていないことです。国内の取扱状況やリスクについては、「3. 日本から利用する際の注意点」で解説した通りです。
5. まとめ
以上がGSTの特徴、GMTとの違い、将来性などの解説です。
GSTは主にSTEPN内での利用に特化したユーティリティトークンであり、STEPN自体の動向(ユーザー数の推移・新機能の追加状況)が今後の価値を左右します。GSTに関心がある方は、まずSTEPNのサービス内容やGMTとの役割の違いを理解したうえで、国内未上場であることによる入手経路のリスクも踏まえて判断することをおすすめします。
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