「現時点の量子コンピューターでは、ビットコインなどの暗号技術は破れない」専門家が言及

現段階の量子コンピュータはBTCを破壊できないか
仮想通貨領域で驚異の一つとして挙げられる「量子コンピューター」。ある専門家は、Googleが実証実験を行なったプロトタイプでは、ビットコインの暗号技術を突破できないとの見解を示した。
           

現段階の量子コンピューターでは突破不可能

暗号学者らは、演算力に優れた量子コンピューターを以ってしても、仮想通貨ビットコインのハッシュ関数「SHA256」などの暗号技術を破る(解読する)ことは、現時点では難しいとの見解を示している。

これまで研究・開発されてきた量子コンピューターが、既存の仮想通貨暗号技術を破れる可能性に対しては諸説あったが、暗号学者Peter Todd氏は、「Googleの量子コンピューターですらまだまだ未完成であり、直ちにビットコインなど仮想通貨への影響はないだろう。今後どのようにスケールアップされるかはわからないが、少なくとも『量子ビット』を追加するためには、天文学的なコストがかかる。」と分析した。

Todd氏がいう”Googleの量子コンピューター”とは、米カリフォルニア大学ジョン・マルティニス教授が率いるGoogleの研究チームが、初めて量子超越性を実証したというプロトタイプのことを指している。

仮想通貨の暗号技術に対する脅威の一つしては、「量子ビット(キュービット)」の利用が挙げられる。1か0の値しか取れない従来のビットとは異なり、キュービットはその両方の値を同時に取れるとされ、この計算能力は、いずれビットコインのハッシュ関数を破ることが出来るのではないかと危惧されている。

暗号化アルゴリズム「SHA」シリーズを設計した、情報通信や諜報活動を扱う主要機関の一つである米国家安全保障局(NSA)局長は、「量子耐性」を持つ暗号技術の開発を明かした。今後も仮想通貨の領域において、量子/耐量子コンピュータ性能は、文明の発展と技術の進歩にしたがって、ますます重要なトピックになると考えられる。

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日経新聞は、政府が2023年を目処に「新たな暗号技術」を採用すると報じた。ビットコイン(BTC)など仮想通貨業界でも秘密鍵に暗号化技術が使用されている関係上、量子コンピュータ対策は問題視されており、イーサリアムなどで量子耐性を踏まえた開発も進んでいる。
イーサリアムのコア開発者が、EDCONインタビューでイーサリアム2.0に関するスケジュールや量子耐性について言及した。フェーズ0は今年末完了を目標に、量子耐性については3〜5年の間に実装予定だ。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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