米IBM、金融取引を記録する「自己認識仮想通貨」の特許取得

IBMの自己認識トークン

大手IT企業IBMは、オフライン取引を記録できるように設計された「自己認識トークン」の開発で特許を取得した。

個々の利用者、企業および政府が行なった取引を追跡しやすくする台帳ベースの決済システムに関する特許である。

米国特許商標庁に提出された特許申請には、IBM独自のペイメントプラットフォームでの金融データ処理、およびオフライン取引に関連する電子商取引トークンの処理に関するシステムが記載されている。

オフライン取引を追跡・記録するために、システムにはいわゆる「自己認識トークン」という仮想通貨が組み込まれるという。

具体的には、2012年にIBMが特許を取得した決済プラットフォームがあり、そのプラットフォーム上で取引が行われていない間の、すべてのトランザクションデータ(オフライン取引)を記録するように設計される。

決済場所や取引金額、以前のトークン保有者に関する情報も保存される。トークン自体は取引データを保存できないため、携帯電話やノートパソコンなどの個人用デバイス、あるいは専用のデータベースに情報が保存されるという。

企業は不正行為にトークンが使用されていないか確認できる。そして個人はどの段階でもトークンが偽造されていないこと、破損していないことを確認可能で、規制当局が関係者の概要を把握して関連法令を施行するのにも役立てられると説明されている。

IBMは、トークンの出所を判別する機能は、トークンベースのエコノミー内で「信頼と実行力を強化する」のに役立つとしている。

IBMは、今回の特許システムが金融データ処理の技術を大幅に改善することも期待しているようだ。

自己認識トークンには、現存の仮想通貨のように価値がつく。トランザクションで扱われた他の資産に対して自己の価値を測定することでデータを記録し、他の仮想通貨や法定通貨を含む資産に対して、トークンの価値をより適切に集計し定量化する。そして多様な資産クラスのクロスエクスチェンジを促進することもできるという。

IBMのブロックチェーン事業

昨年夏には「Trust Your Supplier(TYS)」という新たなブロックチェーンを立ち上げ、Cisco、レノボやノキア、ボーダフォンなどの大手企業はすでに参加している。

このシステムは、サプライヤー企業のISOや、銀行口座データ、税務証明書などの情報管理を自動化、リスクとエラーの削減を実現とするものだ。

また先日発表したアプリ「Thank My Farmer」はコーヒーの産地や品質などのサプライチェーン情報をブロックチェーンに記録して管理する。消費者は商品のQRコードを読み取るだけでコーヒーの情報を豆の産地まで追跡することができるようになるという。

さらには消費者はコーヒーの産地に資金を提供する機能も搭載する予定をしている。

参考:IBM

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IBMが、コーヒーのサプライチェーン管理利用として、ブロックチェーン活用アプリを発表した。コーヒーの産地など、品質や安全性に係る情報を追跡できるだけでなく、生産者に資金提供できる機能も搭載できる。
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