3月のコロナショック以降、仮想通貨取引所から大量のビットコインが資金流出
仮想通貨市況
10日のビットコイン(BTC)は、前日比0.20%高の105.3万円(9770ドル)とほぼ横ばい。
9800〜9900ドルの価格帯で叩かれ上値の重さがある一方、25日移動平均線の9500ドル付近では買いが入っており、拮抗した状態にある。
取引所からの資金流出が顕著に
3月12日のラック・サーズデー(コロナショック)以降、仮想通貨取引所からのキャッシュアウト(資金流出)が相次いでいる。過去1年間で最も低い水準に達した。
特にブラック・サーズデー以降はより顕著で、32万BTC以上(12%以上)が減少している。
一因として、BitMEXなど仮想通貨デリバティブ取引所の信頼低下が指摘される。
3月12日のNYダウは、前日比2,352ドル安を記録し、サーキットブレイカーが発動。1987年のブラックマンデー以来の下げ幅となった。 これに伴い、ビットコイン市場も歴史的な大幅下落を引き起こしている。
この日、最大手デリバティブ取引所のBitMEXでDDoS攻撃によるサーバーダウンが発生してサービス中断を引き起こし、ユーザーに大きな不利益をもたらしたことで、BitMEXからの資金流出が大幅増加。BitMEXのユーザー離れとバイナンスなど競合他社のシェア拡大を許した。
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特に流出額が大きいのが、以下の3取引所だ。
Bitfinex(〜133,000 BTC)-66.6%
BitMEX(〜105,000 BTC)-35.6%
Huobi(〜97,000 BTC)-24.6%
ただし、HuobiのBTC残高はブラック・サーズデー前からすでに減少し始めており、Bitfinexについても、2018年12月の最高値から47%以上減少していることには留意したい。
対照的に、CoinbaseのBTC残高は968,000BTCとブラック・サーズデー前比-0.2%に留まった。BinanceやBitstampでは増加傾向にあるなど、取引所間でも明暗が分かれている。
他市場への資金移動も
仮想通貨取引所のBTC残高減少要因としては、新型コロナの影響で企業の現金需要が増したことと、急落していた株式市場への資金移動も考えられる。
米ニューヨーク市場では、ブラック・サーズデーで急落していた「NASDAQ」総合指数がV字回復を遂げ、過去最高値を更新。ビットコイン市場のパフォーマンスを上回った。
大口保有数が増加傾向
ポジティブな見解としては、ビットコイン半減期に前後して、短期的な売買のため取引所に預けていた資金をカストディサービスやコールドウォレットに移し、長期保有に切り替えたとの見方もある。
仮想通貨分析企業Santimentのデータによれば、ビットコインを大量保有するいわゆる”クジラ”は、底値付近の4,000ドル台から買い戻しに動いたことが確認されている。
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