ビットコインのイメージ調査、17年仮想通貨バブル比で評価上昇 ミレニアル世代で顕著
コロナ危機後の調査で、BTCに対する評価上昇
ビットコイン価格が年末に高騰した2017年から、新型コロナ危機が到来した2020年まで、ここ3年間でビットコインについて人々の認識はどのように変化したのだろうか。
金融メディア「The Tokenist」が、新型コロナ以降の変化も含め、最新の消費者意識(イメージ)を調査し分析、調査結果を発表した。この記事では、その中から幾つかピックアップして紹介する。
調査は2020年4月、17か国で4852人の参加者を対象として実施された。さらに、2017年に行われた調査のデータを比較のためのベースラインとして使用、過去3年間でビットコインに対する意識がどのように変化したかを評価した。
結果では、すべての年齢層と性別グループの間で、ビットコインに関する知識が増え、信頼感も高まっていることが判明した。
特にミレニアル世代の回答者で顕著で、その45%が株式、不動産、金よりもビットコイン投資を好むような傾向を示しているという。
ミレニアル世代とは、一般的にミレニアム(新千年紀)が到来した2000年前後以降に社会に進出する世代という意味で、1980年代序盤から1990年代中盤までに生まれた世代を指す。ジェネレーションYと呼ばれることもある。
今回の調査では、25歳から35歳の年齢層をミレニアム世代として扱っている。
他の金融資産との比較
「ビットコインは次の金融資産のどれよりも好ましいか?」(どちらも1000ドル相当額として)
- 国債
- 株式
- 不動産
- 金(ゴールド)
2020年の調査結果 ※表中、緑は2017年よりも上昇、赤は下降したことを示す。
この質問に対しては、回答者の45%以上が株式、不動産、金よりもビットコインを所有することを選び、2017年よりも全体で13%増加した。
最も特徴的だったのは国債よりもBTCを好むと回答した率が急上昇、ミレニアル世代男性では50%を超えた。
国債への信頼感をBTCが上回ったのは、COVID-19による影響も考えられる。中央銀行が金融緩和で貨幣を増刷しているために、代替資産としてBTCが注目された可能性もある。BTCに対して株式を好むとした率はわずかに上昇していた。
「ビットコインは前向きなイノベーション」
「ビットコインは金融技術を前進させるイノベーションである」という意見にどの程度賛成するか、という質問に対しての結果は次のようになった。
左から「強く同意」「少し同意」「少し反対」「強く反対」「分からない」という回答である。
回答者の60%は、ビットコインは金融技術における前向きなイノベーションであると感じている。この数字は3年間で27%増加した。
このデータは、過去3年間にBTCに関する認知が増加したことを示している。大手の新聞やテレビなどメインストリームも含めメディアでの紹介が増えたこと、またビットコインを取り扱う小売店が増えたことも、この背景にあると考えられる。
ビットコインと大手銀行、どちらが信用できる?
「もしどちらか選ぶ必要があるとしたら、より信頼できる方は?」
- ビットコイン
- 大手銀行(例:Wells Fargo、JPMorgan、Goldman Sachs)
この質問への回答はおよそ半々。65歳以上の回答者を例外として、2017年から大幅にビットコインへの信頼が上昇している。回答者の47%が大銀行よりもビットコインを信頼しており、過去3年間で29%増加した。
BTCへの信頼の高まりは主にミレニアル世代に見られ、このグループでは約半々に回答が分かれた。
こうした変化の背景としては二つの事項が考えられる。1つは大手銀行が保有する資産に最近ボラティリティが見られたこと、もう1つはBTCセクターが成熟したことだ。
3年前では、仮想通貨企業の多くはまだ比較的新しく設立されたばかりで信頼性は低かった。現在、業界が成熟し安定性の面が評価され始めたと考えられる。
他には「次の10年で多くの人がビットコインを使用するか」という質問に対し、全体の43%、およびミレニアル世代の59%は肯定的に回答した。また今後5年間でBTCを購入する可能性が高いと報告したミレニアル世代は44%だった。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します