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アステリアが企業向けJPYC決済基盤を4月提供開始、自社で10億円保有へ|MoneyX AIエージェント時代の経済速度を上げる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

AI時代の企業決済基盤へ

27日に開催された次世代金融カンファレンス「MoneyX」のセッション「プログラマブル・マネーの衝撃」では、アステリア株式会社の平野洋一郎代表取締役社長が企業向けステーブルコイン決済基盤「JPYC Gateway」の4月提供開始を発表。自社勘定でJPYC10億円を保有する方針も明らかにした。

JPYC株式会社の岡部典孝代表取締役はシリーズB17.8億円の調達やLINE NEXTの新ウォレット「Unifi」でのJPYC採用を報告し、円建てステーブルコインの国際競争力やAIエージェント経済における決済インフラの在り方が議論された。

  • 岡部典孝(JPYC株式会社 代表取締役)
  • 平野洋一郎(アステリア株式会社 代表取締役社長)
  • 中山五輪男(アステリア株式会社 CXO/ステーブルコイン事業部 事業部長)※モデレーター

JPYC Gatewayは、1万社以上が導入するアステリアのデータ連携ソフト「ASTERIA Warp」を介し、ERPや会計システムなど100以上の既存業務システムとJPYCを接続するサービスだ。冒頭のプレゼンテーションで「人がお金を管理していてはスピードがボトルネックになる」と指摘し、AIエージェント時代の企業決済インフラとしてJPYC Gatewayを位置づけた。

平野氏は企業がステーブルコインを導入する際の七つのハードル(ウォレット管理、承認権限、取引先管理、ガス代負担、既存システム連携、現場の使い勝手、監査・内部統制対応)を挙げ、「JPYC Gatewayでこれらを解決し、特別な知識がなくても使える環境を整える」と述べた。

JPYCシリーズBで17.8億円調達

岡部氏は、2025年10月の発行開始以降の反響について「円建てステーブルコインのJPYCがあって良かったと言われる。JPYCがなかったら日本はステーブルコインで大きく遅れていた、という声もいただいた」と紹介した。平野氏もJPYCの登録前後で状況が一変したと述べ、「今や政府関係者が口を開けばステーブルコイン。ビフォーアフターで全然違う」と語った。

岡部氏はあわせて、同日発表したシリーズBファーストクローズについて報告した。アステリアをリード投資家に総額17.8億円を調達。北國銀行グループのCVCやJR西日本イノベーションズ、bitFlyer Holdings、明治安田のCVCなど幅広い業種の投資家が参画したという。岡部氏は「多くの企業がJPYCの活用を視野に投資していただいた」と述べた。

さらに、LINE NEXTが近日リリース予定のweb3ウォレット「Unifi」でのJPYC正式採用を発表。LINEアプリ上でJPYCの管理・送金・決済が完結する。あわせて、LINEとカカオの統合により誕生したブロックチェーン「Kaia」上でのJPYC発行に向けた検討開始も明らかにした。岡部氏は「予想より早いペースで経済圏が広がっている」との認識を示した。

関連:JPYCがシリーズBで17.8億円調達へ、アステリアをリード投資家に

円建てステーブルコインの課題とAIエージェント経済

岡部氏は、世界のステーブルコイン流通量がすでに約50兆円に達する一方、9割以上がドル建てであり日本円建てのシェアは極めて小さいと指摘。「ここからシェアを上げていかないと、ドルに変換しないとAIでも買い物ができず、オンチェーンでも何も買えない時代になってしまう」と危機感を示した。

「AIエージェントが24時間365日休まず決済を行う時代には、人間の経済圏よりはるかに大きい規模の経済がステーブルコインで動く」との見方も示し、すでに日本でもAIエージェントがJPYCを使って仕事の発注を自律的に行っている事例があると紹介した。

一方で韓国もステーブルコインの法整備を進めメガバンクが発行に動くなど、各国通貨建てのステーブルコインが台頭しつつある状況も紹介。

日本は規制整備が先行しており、「アジア各国で発行されたステーブルコインを日本が最も有利なレートで交換できるハブになれる」。金融庁との対話の中では、理想的なケースで世界のステーブルコイン市場の25%を日本が取れる可能性に言及があったとも明かした。

平野氏も、オンチェーン経済が拡大する中で日本円ステーブルコインのパワーが弱ければ「円のポジションがどんどん小さく、弱くなる」と警鐘を鳴らした。

AIエージェントの活用により「企業のお金の回りが圧倒的に早くなる。会社は決算期間にどれだけ資金が回るかが勝負で、AIエージェントが働けば2倍でも10倍にもなる」と述べ、ステーブルコインがその資金回転を支えるインフラだと強調。「月次決済や60日後払いといった従来の仕組みでは経済は速くならない。ステーブルコインこそ経済速度を上げ、生産性を高める根幹だ」と語った。

岡部氏は、少子化で人口が減少する日本にとってAIエージェントとの共存は不可避だと指摘。「人がAIエージェント10体を使って5倍の生産性を上げる。人がやった仕事はAIがチェックし、AIがやった仕事は人がチェックする。これを国家戦略としてやるしかない」と訴えた。

また、人口が余剰な国ではAIによる雇用喪失が社会問題になりうるが、人手不足の日本はむしろ「非常にいいポジションにある」との認識を示し、「5年程度で実現できる話であり、参入できた会社とできなかった会社では大きな差がつく」と早期の取り組みを促した。

MoneyXについて

MoneyXは、ステーブルコインの正式認可が切り拓く「通貨の新時代」をテーマとした次世代金融カンファレンス。国内外から金融業界の有識者、大手金融事業者、スタートアップ、投資家、規制当局が集結し、技術革新・制度設計・社会実装をめぐる議論を展開する。

参加登録は無料・承認制。日本最大のWeb3カンファレンス「WebX」を主催するWebX実行委員会が主催し、JPYC、Progmat、SBIホールディングス、CoinPostが企画・運営に携わる。

関連:JPYCがシリーズBで17.8億円調達へ、アステリアをリード投資家に

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