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リップルCEOが振り返る、「SEC提訴で事業閉鎖の検討も」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • SECはCEO個人に罰金支払いで和解を打診していた
  • 訴訟の法的費用は1.5億ドルに上った

正しい選択肢を模索

米リップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏は、米カンザス大学ビジネススクールでの講演で、2020年に米証券取引委員会(SEC)から提訴された際、同社を閉鎖することも検討していたと明かした。

SECは2020年12月、リップル社が13億ドル相当のXRPを未登録証券として販売したと主張。同社に加え、ガーリングハウス氏と共同創業者のクリス・ラーセン氏個人も提訴した。

ガーリングハウス氏は、「事実上無限の権限と資源を持つ政府」を相手に、何が正しい対応なのかをラーセン氏とともに真剣に議論したと語った。一つの選択肢として、リップル社が保有する大量のXRPを株主に按分配布した上で、会社を解散することも検討されたという。これにより、SEC訴訟を事実上終わらせることは可能だったと同氏は見ている。

一方で、その場合は多くの従業員が職を失うことになるため、最終的に両氏は会社を存続させ、SECとの法廷闘争を選択した。ガーリングハウス氏は当時を振り返り、次のように述べている。

大変難しい決断だった。今振り返ると、その選択をしてよかったと思うが、当時は決して明白な答えではなかった。

リップル社に対するSEC訴訟は、2020年から2025年までの約5年間に及んだ。ニューヨーク南部地区連邦地裁は2023年、暗号資産(仮想通貨)取引所を通じた個人投資家向けのXRP販売(プログラム販売)は証券取引に当たらない一方、機関投資家向けの販売については未登録証券の募集・販売に該当すると判断。2024年8月、裁判所はリップル社に対し、約1億2,500万ドルの民事制裁金を科した。ただしこの額は、SECが要求していた約20億ドルを大幅に下回っており、リップル社側にとって実質的な勝利と受け止められた。

その後、2025年にSECとリップル社は双方の控訴を取り下げて和解。エスクロー口座に保全されていた民事制裁金のうち5,000万ドルをSECに支払い、残額はリップル社に返還することで合意し、長期にわたる法廷闘争は終結した。この判決は、XRP自体は証券ではないという重要な先例となり、同社の事業回復の基盤となった。

ガーリングハウス氏は、この訴訟にかかったリップル社の法的費用が1億5,000万ドルに上ったと明かした。

関連記事:リップル、欧州のMiCA認可を正式に取得 仮想通貨決済プロダクトを30カ国で提供へ

リップルは、仮想通貨サービスプロバイダーとして欧州のMiCA規制の正式なライセンスを取得したと発表。今回の取得は、2026年6月に発表した予備承認に続くものである。

理不尽なSECの対応

ガーリングハウス氏は講演で、SECがリップル社を提訴するに至った経緯について、「規制当局はルールを示さないまま執行措置に踏み切った」と述べ、対応は誠実さを欠いていたとの認識を示した。

同氏は、ハーバード大学ビジネススクールの出身だが、「XRPを一度も証券だと考えたことはなかった」と主張。2017年から2019年にかけて4回にわたりSECを訪問し、XRPの技術やユースケースについて率直に説明したものの、その場でXRPが証券に該当する可能性や、事業活動を見直すべきだとの指摘や警告を受けたことは一度もなかったと振り返った。

また、リップル社は一貫して「従うべきルールを示してほしい」とSECに求め、そのルールに従って事業を進めたいとの姿勢を示してきたと説明。しかし、SECは具体的な指針を示さないまま、2020年になって突如、リップル社とガーリングハウス氏個人を未登録証券の販売を理由に提訴した。

その際、SECはガーリングハウス氏個人に対し、罰金を支払えば個人への訴えを取り下げるとの和解案を提示したという。同氏は、この対応について、自身に圧力をかけて和解に応じさせようとする意図があったとの認識を示し、「誠実な対応ではなく、不快で、場合によっては倫理的にも問題があると感じた」と批判した。

トランプ政権下の現在のSECは、仮想通貨業界に敵対的で「執行による規制」と批判された前体制とは異なり、業界と建設的に対話する姿勢を示しているとガーリングハウス氏は指摘。「米国でこの産業を発展させるためには、そのような規制当局との協力関係が不可欠だ」と語った。

リップル社の躍進

SEC訴訟の終結によって法的な不透明感が解消された後、リップル社は国内外で事業展開を加速させている。

同社は6日、欧州の暗号資産市場規則(MiCA)の下で、仮想通貨サービスプロバイダー(CASP)としての正式なライセンスをルクセンブルクの金融監督当局(CSSF)から取得したと発表した。同社によると、このライセンスにより、規制下にある同社の暗号資産決済サービスを欧州経済領域(EEA)の30カ国で金融機関や企業向けに提供できるようになったという。

また8日には、今回、ガーリングハウス氏が講演を行なったカンザス大学アスレティクスとの複数年スポンサー契約を発表した。契約では、カンザス大学の全競技チームユニフォームにXRPのロゴパッチが掲示される。主要大学スポーツプログラムのジャージに仮想通貨が採用されるのは初めてだという。

ガーリングハウス氏はカンザス大学卒業後、ハーバード大学ビジネススクールへ進学した経歴を持つ。講演では、自身の人生やキャリアへの影響という点では、ハーバード大学よりも母校カンザス大学の方が大きかったと振り返った。こうした背景もあり、今回の提携は同氏にとって特別な意味を持つものとなった。

関連記事:リップル、カンザス大学と提携 XRPが大学ユニフォームに初採用

リップルが8日、米カンザス大学アスレティクスとの複数年スポンサー契約を発表した。XRPが大学ユニフォームに採用される初の仮想通貨銘柄となった。

リップル社は今回の提携に合わせ、カンザス大学の学生アスリートおよびキャンパスコミュニティを対象とした金融・技術教育プログラムへの支援も表明した。また、同大学卒業生を対象としたテクノロジー業界への就職支援ネットワークも拡充する。リップル社はすでに同大学との採用・人材育成の連携体制を構築しており、今回の提携を通じてその取り組みをさらに拡大する方針だ。

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