「仮想通貨新法で何が変わるのか」2020年ロシア市場と規制の見通し=Xangleレポート
2020年のロシア仮想通貨市場
仮想通貨のデータプラットフォームを手掛けるXangleは2020年のロシア仮想通貨市場に関するレポートを公開した。
ロシアでは、今年7月に仮想通貨を規制する初の法案となる「デジタル金融資産関連法(On Digital Financial Assets:DFA)」が成立した。
この法案では仮想通貨に対する法的な定義が与えられたものの、Xangleによると、ICOや仮想通貨、ブロックチェーンに関する詳細な規制の適用は未だ最終的なものになっていない。
詳細な規制について、不透明な状態が続くロシアだが、マイニングやトレードへの需要は高く、グローバルな取引所のロシア市場への参入も見られる。
規制不透明も需要は高く
仮想通貨のマイニングやトレードに関してはロシア国内で高い需要があることがデータで示されている。
レポートによれば、ロシアはビットコインのマイニングパワーにおいて世界3位(2020年4月時点)に位置している。
ロシアの寒冷な気候は、マイニングで使用する機器の冷却にかかる費用を削減することが期待できる。また、広大な土地があるため、マイニングには適した地域といえる。
トレードへの需要も高い。レポートによれば、グローバルな展開を行っているBinanceやBittrex、Bitfinex、Huobiの4つの取引所ではサイトへの国別トラフィック量においてロシアがいずれも5位以内に位置している。
また、デリバティブ取引所のBitMEXやDerbitでも同様にロシアがトラフィック量で5位以内に入る結果になった。
しかし、こういった需要の高さにもかかわらず、仮想通貨取引におけるロシアルーブルの利用は非常に低いレベルにとどまっているという。
ロシアルーブル(RUB)のシェアは上記グラフで0.3%以下のシェアと、ロシアのユーザーは取引でドルなどほかの主要通貨を利用している実態が窺える。
今後の規制見通し
前述の通り、今回の法案(DFA)は仮想通貨に関する法的な定義を与えるもので、デジタル通貨(Digital Currency)について以下のような定義がされている。
「決済手段としての受容が可能な電子データの集合体」
DFAが施行されるのは2021の1月からになるが、レポートは大手商業銀行のロシア貯蓄銀行がステーブルコインの発行を検討しているとの報道を重要なポイントとして捉えている。
これはロシアのプーチン大統領がDFAに署名したのちに出てきたもので、ロシア貯蓄銀のSergey Popov氏は以下のように発言した。
私たちは最近採択された法律に基づいてステーブルコインを発行するかもしれない
Popov氏の発言は、商業銀行がDFAに基づいてトークンを発行することが可能になるという見方を示す関係者の言葉として注目される。
レポートのリサーチャーは「国際社会でも超大国であるロシアが、今回の政府や規制当局による介入で今後、仮想資産市場でどのような役割を担うのかこれからが楽しみ」だとしている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します