Willy Woo「ビットコインは伝統資産とデカップリングを起こす」
ビットコインのデカップリングを予想
著名アナリストのWilly Woo(@woonomic)が、暗号資産(仮想通貨)ビットコインは近いうちに伝統資産市場とデカップリング(相関関係の乖離)を起こし得るとの見解を示した。
スタートアップ企業の成長を表すようなS字カーブでBTCの普及が拡大することによって、伝統資産の価格との相関性が薄れると主張。BTCの普及というファンダメンタルズは、過去最高の水準に達していると述べている。
Willy WooはBTCの価格について、2018年の暴落と2019年の暴騰を的中させたアナリスト。最近では先月、仮想通貨市場の高騰を受けて、「2016年末から始まった”ブル相場”が再始動した」との見解を示した。
その際、価格推移とボラティリティの両方を決定付けてきた市場の成熟度が、2016年とは全く異なると主張。機関投資家向けの規制面が整ってきたほか、現金やペイパルなどで大衆が仮想通貨を購入するための容易なアクセス性が整備されたことが挙げられる。
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今回のツイートでは、BTCのデカップリングを推進するのは、従来の投資家によるリスクヘッジ需要の増加ではないと説明。要因はBTCの普及だと主張している。
ツイートのコメント欄で「ユーザーの普及を計る指標は何か」と聞かれたWilly Wooは、オンチェーンでは「Glassnodeが提供するデータのアクティブなユーザーの数」と回答。オフチェーンでは「ウォレット企業や取引所との対話を通して、ユーザーが増加しているという情報を得ている」と主張している。
また別のコメントでは「ホドラー(長期保有者)はデカップリングを加速させる」とも述べた。
今月にブロックチェーン分析会社Chainalysisのデータから、開設して1〜3カ月しか経過しておらず、BTCの送金をほとんど行っていないウォレットの数が、増加傾向にあることが分かった。
その際Chainalysisのエコノミストが、「新しい投資家が市場に参入し、BTCを購入したが、長期保有するためにウォレットに保管している可能性がある」と分析している。
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BTCの普及
BTCは供給量の上限が定められており、4年に一度の半減期で新規発行量も減少している。時が経つほど、需要の増加が価格に与える影響は大きくなっている。
今までBTCはトレードや価値の保存手段としての利用が目立っていたが、最近はDeFi(分散型金融)での活用も増えてきた。
今月には、トークン化されたBTCという新しい形態の人気が高まっており、トークン発行の総額が約11億ドル(約1160億円)に達したことが分かっている。
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Willy Wooのツイートの一方で、コロナ禍の経済対策に対するインフレヘッジ手段として、BTCの価値に注目する投資家が増えたことも事実だ。仮想通貨運用企業Ikigaiの創業者Travis Klingは、従来からインフレヘッジとして利用されるゴールド(金)の価格を利用した別のデータを投稿。
以下のグラフはBTCの米ドル価格とゴールド(金)の価格の割合を示している。2017年の仮想通貨バブル以降、BTCのゴールドに対する価格比は減少傾向にあったが、今年7月以降、BTC価格が12000ドル(約126万円)を超えたあたりから上昇に転じている。
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