日立やホンダ参加の国際団体「モビ」、ブロックチェーン基盤の分散型車両充電システム規格をリリース

V2Gなどに向けた規格をリリース

日立製作所やホンダ、IBMらも参加する国際団体「モビリティ・オープン・ブロックチェーン・イニシアチブ(MOBI、モビ)」は、V2G(Vehicle to Grid)などのユースケースに向けたグローバル規格を、初めてリリースしたことを発表した。

MOBIのメンバー企業が率いる電気自動車グリッドインテグレーション(EVGI)ワーキンググループが統一的な規格を作成した。

同グループには、ホンダや米ゼネラル・モーターズのほか、アクセンチュアやIBMなどの大企業、ブロックチェーン関連からはリップル社、IOTA財団、R3がサポートを行っている。

統一規格が求められる具体的なユースケースとしては、Vehicle to Grid Integration(V2G)や炭素クレジットのトークン化(TCC)、P2Pアプリケーションの3つが挙げられている。

その一つであるV2Gとは、電気自動車のエネルギーを電力網につなげることを指し、家などで電力源として使用することを可能にするものだ。

例えば、昼間にソーラーパネルで発電したエネルギーを電気自動車に蓄電、夜間の電気需要が伸びる時間帯に使用する、といった具体的な利用用途がある。

電力網は集中から分散へ

Honda R&D Europeの上級プロジェクトエンジニアであるChristian Köbel氏は、「今日のエネルギー市場では巨大な発電所での集中的な発電から、より分散され不安定な発電への大規模な変遷が起きつつある」、とプレスリリースで語った。

また、目標は「スケーラブルでユーザー主権型のエネルギーコミュニティを実現させること」だとし、ワーキンググループの取り組みはその礎になると、その意味合いを明かした。

ブロックチェーン技術に関してサポートを行ったとみられる、IOTA財団のMathew Yarger氏はプレスリリースで以下のように述べている。

モビリティ産業のすべてのセクターからの組織が、電気自動車や電力網とのつながりがどのようなものになるかを模索するために連携することは、決して小さくはない功績だ。MOBIとEVGIによってなされた仕事は、持続可能なモビリティとエネルギーの未来を加速させるため、業界を横断して連携、前進するための強固な基礎を敷く、有望な一歩となる。

MOBIは、この規格をもとにしたアプリケーションが、最終的には炭素排出量の削減や交通安全、渋滞の改善、その他の社会的、環境的に有益な結果をサポートすることを望む、としている。

参考:MOBI

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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