テゾスブロックチェーンを自治体の投票に活用
暗号資産(仮想通貨)テゾス(XTZ)のブロックチェーンが今週、フランスの3つの都市で投票に使用されることが分かった。
Tezosブロックチェーンに基づく投票アプリケーション「Avosvotes」を用いて行われ、投票期間は10月1日から10月8日までとなる。
フランスのイブリーヌ県ヴェルヌイユ・シュルセーヌで計画されている道路計画についてのもの。この道路は、ヴェルヌイエとヴェルヌイユ・シュルセーヌなど地域を横断して開発される予定で、イブリーヌ地域全体に影響を与える可能性があるという。
「Avosvotes」を使用
「Avosvotes」では、地方自治体のデジタル投票を可能にするアプリケーションが開発されている。最初に、IDは手動で検証され、デジタル形式で保護される。その後、投票をブロックチェーンに保存し、投票者が確認できるようになる。
投票者は自分の投票が登録され、全体の結果に組み込まれていることを確認可能だ。テゾスは、投票の存在を証明し、ブロックチェーン上の証明書の形式で保存するために使用される。
このアプリケーションは、Avosvotes Webサイト、Applestore、GooglePlayからダウンロードすることが可能だ。
AvosvotesのCEO、Florian Ribièreは次のように語った。
ヴェルヌイユ・シュルセーヌでは、テゾスを土台とするブロックチェーンにより、分散的・安全に投票の証拠を確保して、票の真正さを保証することができる。投票は100%安全なものとなり、投票者もデジタル形式での集票中に自分の投票が反映されていることを確認可能だ。
不正投票や投票率の低さなどの問題に対しては、ブロックチェーン技術が解決策になる可能性がある。
ヴェルヌイユ・シュルセーヌ市長のファビアン・アウフレヒターは、「デジタルでも物理的にも行われるこの協議の目的は、主要な地域問題について可能な限り広く自治体の住民を巻き込むことだ」と語り、また「この試みが成功すれば、それは地元の参加型民主主義の活性化について前向きなサインとなる」と説明した。
米国のウェストバージニア州でもブロックチェーン投票事例
ブロックチェーンによる投票は、米国のウェストバージニア州でも2018年に採用されている。
目的の一つは、海外に駐留している軍人の投票率を上げることであり、選挙権を有し、海外に駐留する軍人などに、AndroidまたはiOSのスマートフォンによる投票が許可された。
マルウェア対策などセキュリティ面の解決や、ビットコインのように、誰でも情報を確認できるノードになれる状態にはなっていなかったことなど、課題や検討事項も確認している。
米国議会でも検討
また米国議会では新型コロナパンデミック下で自宅待機命令が出る中、上院職員がブロックチェーン投票を検討するメモを作成した事例もある。
リモート投票という選択肢と、それに伴う技術的および法的事項が説明され、ブロックチェーンベースの投票を使用する場合の長所と短所についても記載があった。
メリットとしては、すべての投票を安全に送信し、改ざん不可能な電子記録を残すことが可能で、また集計を誤るリスクを削減してくれることを挙げている。
一方で、暗号化システムの欠陥やソフトウェアのバグによる脆弱性など、その他セキュリティリスクについても指摘された。
米国議会では直接対面が伝統であるため、実際の遠隔投票実施に向けた動きは遅いと考えられるが、ブロックチェーン投票に賛同する議員も見られた。
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