金融当局の監督の甘さを国会が指摘
韓国の仮想通貨取引所ビッサムが2026年2月6日に約62兆ウォン(約6.8兆円)相当のビットコイン(いわゆるゴーストコイン)を顧客に誤配布した問題で、金融当局が事前検査でシステム欠陥を見逃していたとして国会議員らが批判を強めている。ザ・コリア・タイムズなど複数のメディアが2月19日に報じた。
国会議員カン・ミングク氏が提出したデータによると、金融サービス委員会(FSC)は2022年に1回、2025年に2回、金融監督院(FSS)も同期間に計3回、合わせて6回の検査を実施していた。にもかかわらず、入力ミスを引き起こしやすいシステム構造という根本的な欠陥は一度も指摘されなかった。
事件の発端は担当社員がイベント報酬の単位を「ウォン」ではなく「ビットコイン」と誤入力したことで、695名の口座に1人最大2,000BTC、合計62万BTCが台帳上に計上された。当時の同社実保有量(約4.6万BTC)の13倍以上に相当する規模だ。
ビッサムは中央集権型取引所(CEX)として、ユーザーの残高管理を内部台帳で完結させ、オンチェーン送金は出金時にのみ発生する仕組みをとっている。この構造自体は業界標準だが、台帳残高と実保有量の照合を1日1回しか行っていなかったことが脆弱性の一因として指摘されている。
ビッサムは発生から35分以内に取引・出金を凍結し、誤配布分の99.7%にあたる約61万8,000BTCを回収した。未回収の約125BTCは自社資産で補填している。また、事故発生時にログイン中だった全ユーザーに2万ウォン(約2,100円)を支払い、安値で売却したユーザーには差額の110%を補償した。一方FSSは、調査期限を当初の2月13日から月末まで延長し、8名の検査チームが投資家保護とマネーロンダリング規制上の違反の有無を精査している。
カン議員は「今回の事件は技術的なミスにとどまらず、監督の慢心と規制の空白という仮想資産市場の構造的弱点を露わにした」と指摘した。ハン・チャンミン議員も「当局は監督責任があるにもかかわらず、責任をビッサムに転嫁しているように見える」と批判した。ビッサムCEOのイ・ジェウォン氏は国会公聴会に出席し、過去にも2件の軽微な誤配布があったと認め、FSSはそれらも調査対象に含めると表明した。
FSSはこの問題を受け、ITシステム事故への罰金導入、経営幹部のセキュリティ責任強化、重大な脆弱性を放置した業者への立入検査などの規制強化策を打ち出した。さらにアップビット、コインワン、コービット、GOPAXの大手4取引所にも資産検証と内部統制の緊急点検を実施しており、問題が判明した場合はDAXA(韓国仮想資産取引所連合)の自主規制枠組みと第2次仮想資産立法に反映させる方針だ。
今回の事件は、世界有数の仮想通貨市場を抱える韓国において、CEXが抱える台帳管理とリアルタイム照合の構造的リスクを改めて浮き彫りにしたものだ。監督当局が繰り返し検査を行いながら欠陥を見逃した事実は、韓国の仮想通貨規制の実効性に対する疑問を深めており、第2次仮想資産法の立法審議の行方が今後の焦点となる。
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