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サトシの100万BTCも対象に、量子コンピュータが脅かすビットコインをクリプトクアントが分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

クリプトクアントが警鐘

仮想通貨データ分析企業クリプトクアントのCEO、キ・ヨンジュ氏は18日掲載の考察ノートで、量子コンピュータの進化によりビットコイン(BTC)の暗号セキュリティが将来的に脅かされる可能性を指摘し、現時点で約689万BTCが理論上の攻撃リスクにさらされていると分析した。

ビットコインのセキュリティは、従来のコンピュータでは事実上解読不可能な楕円曲線暗号に依存している。十分な処理能力を持つ量子コンピュータが実用化された場合、オンチェーンに公開済みの公開鍵から秘密鍵を逆算できる可能性があり、一度公開鍵がチェーン上に露出すると、そのリスクは恒久的に残る。

出典:クリプトクアント

脆弱な約689万BTCのうち、10年以上動きのない長期休眠アドレスが約340万BTCを占め、そこにはビットコイン創設者「サトシ・ナカモト」に関連するとされる約100万BTCが含まれる。現在の価格水準では数千億ドル規模に相当し、量子攻撃の経済的誘因として十分な規模だと、キ氏は指摘する。

関連:量子対策で凍結されるビットコイン、回収可能か 

対策として想定されるのは、旧式アドレスタイプの使用禁止や量子耐性アドレスへの強制移行、あるいは休眠コインのプロトコルレベルでのフリーズだ。

しかしいずれの措置も、個人の財産権を不可侵とするビットコインの設計思想と根本的に矛盾するとされる。アップグレードに対応できなかった保有者は、安全に保管していた秘密鍵が無意味になるリスクも抱える。

キ氏はブロックサイズ論争が3年以上続きハードフォークを招いた事例や、SegWit2xが十分な合意を得られず失敗した経緯を引き合いに出し、「技術的修正(の提案)は速く動けるが、社会的合意はそうではない」と強調。休眠コインのフリーズ(凍結)は過去の論争を上回る分断を生む可能性があり、合意が得られなければ量子技術の進展とともに競合するビットコインフォークが生まれるリスクも排除できないと論じた。

2024年末にグーグルが発表した量子チップ「ウィロー」など、量子コンピュータ開発は加速しており、「Qデー」(量子攻撃が現実的になる日)が5年後か10年後かという議論が業界内で始まっている。キ氏は到達時期よりも合意形成プロセスの遅さこそが本質的なリスクと位置づけ、今すぐ議論を始める必要性を訴えている。

量子リスクへの技術的な解決策はすでに研究段階にあるが、ビットコインコミュニティが分断なく合意に至れるかは未知数であり、サトシのコインを含む休眠資産の扱いはその試金石となりうる。

関連:ビットコインへの量子脅威は「数十年の猶予がある解決可能な技術課題」=コインシェアーズ分析

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