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レイ・ダリオが警鐘、世界秩序崩壊とビットコインの行方

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「ビッグサイクル」の最終段階に突入

世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏は15日、SNSに長文の意見記事を投稿し、戦後に構築された世界秩序は崩壊したと警告した。

同氏は、13日開幕のミュンヘン安全保障会議に言及し、米国、ドイツ、フランスの西側主要3カ国の首脳が相次いで「旧来の世界秩序は終焉を迎え、新たな地政学的時代に入った」との共通認識を示したと指摘した。現在の国際情勢は、自身が提唱する「ビッグサイクル(Big Cycle)」理論の最終局面にあたる「第6段階」にあると主張した。

ダリオ氏の理論では、覇権国家は次のような周期をたどる:

  • 新秩序の確立
  • 統治システムの構築と整備
  • 平和と繁栄の時代
  • 過剰支出と格差拡大、腐敗=衰退の始まり
  • 深刻な金融・経済問題と内部対立
  • 内戦・革命または戦争=秩序崩壊

現在はその最終段階にあり、「ルールよりも力が支配する時代」に移行しつつあると同氏は指摘する。国際社会には国内法のような強制力ある仕組みが存在しないため、「国際秩序は、国際法よりも弱肉強食の法則に従う」とし、大国間の衝突を含む緊張の高まりに警鐘を鳴らした。

ダリオ氏は、国家間の争いには大きく分けて、貿易・経済戦争、技術戦争、同盟や領土をめぐる地政学的戦争、制裁や金融制限を伴う資本戦争、そして軍事戦争の五つがあると解説。しかし、ほとんどの主要な紛争は、実際の銃撃戦よりずっと前に、経済的および金融的な圧力から始まると指摘した。

中でも、本格的な軍事衝突に至る前段階では、経済・金融を『武器』とする以下の3つの戦術が多用されると指摘する。

  • 資産の凍結・没収:敵対国やライバルが依存している対外資産の使用や売却を阻止する。資産凍結から一方的な債務不履行の宣言や国家資産の直接的な没収を含む。
  • 資本市場へのアクセス遮断:自国または他国の資本市場にアクセスを妨げる
  • 禁輸・封鎖:石油などの必需品の輸入を止めたり、輸出を妨害して外貨収入を断つ

これらの手法は、過去の対日制裁やナポレオン戦争期にも用いられたものだとダリオ氏は指摘。現在も米国などが中国や他国に対し、同様の措置を示唆していると述べた。

関連:レイ・ダリオ「世界秩序は崩壊の瀬戸際に」、ビットコインの真価問われる

ビットコインは防衛手段となるか

ダリオ氏の警鐘は、ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)の役割に改めて関心を向けさせるものとなる。

同氏が挙げた「資産凍結」「市場アクセス遮断」「禁輸」という3つの戦術はいずれも、銀行ネットワークや法定通貨システムといった中央集権的な金融インフラを前提とした攻撃にあたる。こうした局面では、既存の金融システムに依存しない代替的決済インフラとして、ビットコインの存在感が高まる可能性がある。

仮想通貨運用企業ビットワイズのハンター・ホースリー最高経営責任者は、業界の見解を次のように表現している。

グローバルで、許可を必要とせず、かつ非政治的な通貨資産や金融レールの構築に取り組んでいる人はいるのだろうか?
それは重要になるかもしれない。

金融の分断が加速すると、検閲耐性や資本規制への耐性を備えたビットコインは、その実用性が再評価される可能性がある。一方で、仮想通貨市場は依然として世界的な流動性の動向に敏感であり、マクロ経済の影響を強く受けやすいという側面も併せ持っている。

法定通貨への信認低下はビットコインへの長期的な関心を高める一方、地政学的リスクの高まりに伴う短期的な市場ストレスは、価格の急変動を引き起こす恐れがある。

また、こうした緊張局面で投資家が金(ゴールド)などの伝統的な「安全資産」へ回帰する傾向は根強い。

ダリオ氏は、一旦戦争が始まった場合、平時の「安全資産(国債や預金)」の常識は通用しなくなると警告。資産防衛が困難を極める中で取るべき行動は、「すべての債務(債券など)を売り払い、ゴールドを買うことだ」と強調する。戦争は「借金と通貨の増刷によって賄われるため、債務と通貨の価値が下落する」ためだと説明した。

B2 Venturesの創業者アーサー・アジゾフ氏は、ビットコインは依然として「デジタル・ゴールド」の地位を確立しておらず、基本的にはリスク資産であると指摘している。

ビットコインの投資判断は、金利政策や規制動向、市場流動性、リスク選好度など、多様な要因に影響される。その中で、ダリオ氏が提起する「世界秩序の崩壊」というマクロ的視点は、今後の動向を見極める上で有益な指針となり得る。

関連:著名投資家ダリオ氏、2026年中間選挙で政策転換リスクに警鐘

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