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日本デジタル経済連盟、2045年社会像で「人間中心のデジタル社会」を提言|DSC2026

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「人間中心のデジタル社会」を提言

一般社団法人日本デジタル経済連盟(デジ経連)が主催し、株式会社CoinPostが企画・運営を担当する大規模カンファレンスイベント「Digital Space Conference 2026(DSC2026)」が17日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催された。

本イベントは『未来を考え、今日を切り拓く』をコンセプトに、政策・産業・社会の各領域を横断しながら、日本発のデジタル経済基盤の創出を探る場として、国内外のリーダーが一堂に会した。

主催者セッション「Vision2045〜2045年社会像検討委員会の予測報告と提言〜」では、デジ経連が1年間の議論を経てまとめた「2045年社会像検討委員会」の予測報告書が発表された。

日本デジタル経済連盟の事務局長を務めるSBIの加藤諒氏は、同報告書について「すぐ先のことでも未来予想は難しい。本セッションは20年後の予測を当てにいくものではなく、企業や自治体、官公庁が次に挑戦する道標を示すもの」と位置づけた。

2045年頃に訪れるとされる”シンギュラリティ”。AIが人間の知能を超越するとされる転換点を見据え、テクノロジーに支配されるのではなく、人間が主体的にデジタル技術を活用する「人間中心のデジタル社会」の実現を提言している。

セッションの登壇者は以下の通り。

  • 加藤諒(日本デジタル経済連盟 事務局長)
  • 山本龍彦(慶應義塾大学 大学院法務研究科 教授)
  • 吉田健太郎(電通 未来事業創研 ファウンダー)
  • 矢端謙介(日本政策投資銀行 執行役員・情報企画部長)
  • 金子玲介(小説家)
  • 田中もも(慶應義塾大学 法学部 法律学科)

報告書では、2045年の日本が直面する環境変化として、人口1億人割れ、エネルギー・食料自給率の低下、インフラ老朽化のピーク到来を指摘。これらの社会課題に対処するため、以下の6つの技術領域に着目し、技術面と制度・社会受容の両面から議論を重ねたとのこと。

AI ブロックチェーン VR/AR/MR バイオ 量子コンピューター ロボティクス
生産性を革新 金融・資産の効率性向上 人間の感覚・空間を拡張 身体・生命に関わる技術 計算能力を革新 物理空間の生産性を拡張

報告書および金子氏による短編小説が公式サイトで公開されている。

多角的な視点からの議論

登壇者からは、2045年の社会を見据えた課題や展望が様々な観点から論じられた。

慶應義塾大学の山本龍彦教授は、「情報的健康」の概念を提起。アルゴリズムが提供する情報を無批判に受け入れる現状を「情報の暴飲暴食」と表現し、食品表示のように情報の安全性・信頼性を確かめる習慣の重要性を説いた。

また、AIのプロセスに人間を組み込む「ヒューマン・イン・ザ・ループ」について、米国で議論が進む「責任スポンジ論」に言及。AIの出力を批判的に検証するスキルがなければ、人間は責任を吸い取るだけの存在になりかねないと警鐘を鳴らし、課題ベースでAIやデジタル技術を活用すべきだと訴えた。

電通 未来事業創研の吉田健太郎氏は、若者の過半数が未来に不安を感じているという調査結果を紹介し、「いい社会とは人々の心に余裕が生まれる社会だ」と指摘。情報過多がコスパ・タイパ志向を生み、他者への寛容さが失われる現状に触れ、個人の幸せと社会全体の最適化を両立させるには量子コンピューティングのような全体最適を可能にする技術が不可欠だとの見方を示した。

日本政策投資銀行の矢端謙介氏は、ブロックチェーン技術による金融の流動性向上に加え、デジタル庁での国際戦略担当経験を踏まえ、「データ・フリー・フロー・ウィズ・トラスト(DFFT)」の社会実装を日本がリードすべきだと提言。トラスト技術の活用により、中小企業の海外展開における規制対応コストの低減や、送金コストの削減が期待できると述べた。

小説家の金子玲介氏は、委員会の議論をもとに2045年の生活を描いた短編小説を執筆している。SF作品では100〜200年先の未来を描くことが多い中、「20年先という絶妙な距離感が最も難しかった」と制作の裏側を語った。

また、AI時代におけるクリエイターとして「AIには絶対に負けないという気概を持ってものづくりをしていきたい」と意気込みを述べた。

慶應義塾大学の現役学生として参加した田中もも氏は、20年後に社会の中心で活躍する世代の視点から、技術が一部の人だけでなく誰もが使えるものであるべきだと主張。「考えることをやめない」「0から1を自ら生み出す」ことの重要性を訴えた。

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