WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

レイ・ダリオ「世界秩序は崩壊の瀬戸際に」、ビットコインの真価問われる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

崖の淵から巻き返せるか

ヘッジファンド大手ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者で著名投資家のレイ・ダリオ氏は27日、米国が自らが提唱する「ビッグサイクル」理論の第5段階の終盤にあるとの認識を示し、警鐘を鳴らした。

ダリオ氏は現状を「既存秩序の崩壊前夜」と位置付け、「現在、我々は第5段階から本格的な秩序崩壊が起きる第6段階へ移行する瀬戸際に立っている」と指摘。ミネアポリスで起きたICE(移民・関税執行局)への抗議者殺害事件は、米国がより暴力的な内戦段階に移行しつつある兆候だと危機感をあらわにした。

ダリオ氏によると第5段階では、膨大な債務が限界に達して財政危機が表面化する。それに伴う大規模な通貨発行が、既存の通貨秩序を崩壊へと加速させるという。

同氏は、これまでも繰り返し、米国を中心とした世界経済秩序の崩壊が避けられない段階に入ったとの警告を発している。通貨秩序が財政再建によって自発的に修正される可能性を「低い」と切り捨て、民主主義を支える国内外の秩序回復についても「疑わしい」と冷徹に分析している。

しかし、ダリオ氏は同時に、我々が「まだ崖の淵に踏みとどまっている」点を強調。今こそ、手遅れになる前の最後の準備期間であることを理解し、状況に適した最善の方法を見極め、制度を絶えず改革し続けることが重要だと述べた。

同氏によると、優れた制度の基準とは「多数の人々が望むものをどれだけ実現できているか」であり、客観的に測定できるものだと主張。歴史からの教訓を以下のようにまとめた。

富と権力をめぐって内戦で争い、一方が他方を支配するよりも、協調的で生産的なウィンウィンの関係を築く方が、はるかに報われ、痛みも少ない。

「ハードマネー」としてのビットコイン

このような状況で、個人レベルではどのような備えができるのだろうか。

法定通貨や既存金融システムへの信頼が揺らぐ中、金と銀はそれぞれ史上最高値を更新し続けている。

ダボスの世界経済フォーラムで講演したレイ・ダリオ氏は、トランプ大統領のグリーンランド支配をめぐる対立が新たなグローバル金融紛争を引き起こす可能性を警告。

「地政学的紛争時、同盟国も互いの債務を持ちたくなくなる」と指摘し、金価格の高騰を例に挙げた。「ハードマネーへの回帰は歴史的に繰り返される論理的現象」とし、金の上昇は米国基軸通貨地位喪失の警告信号だと強調した。

翻って「デジタルゴールド」と期待されているビットコイン(BTC)はどうだろうか。

ダリオ氏が推奨する「凍結に強いハード資産」や「自由に譲渡可能な資産」の条件に理論上は合致するはずのビットコインだが、現実は大きく異なる。現在、ビットコインは約88,000ドル前後で推移し、過去数カ月間、狭いレンジ相場が続いている。

B2 Venturesの創業者アーサー・アジゾフ氏は、現在のビットコインの状況について、避難先となる資産間の競争という点から説明している。

不確実性が高まると、資金はまず伝統的な防衛資産へと流れ込む。今まさにそれが起きていて、金価格が5,000ドルを突破している。一方、”デジタル・ゴールド”とも呼ばれることも多いビットコインは、実際には依然としてリスク資産が本質だ。

市場からは、ビットコインはデジタルゴールドとして、まだ成熟していないとの声が上がっている。ActivTradesのアナリスト、キャロレーン・デ・パルマス氏は、ビットコインは安全資産ではなく、リスク資産のように動いていると指摘し、次のように述べた。

関税への懸念から米国株先物が下落した際、金と銀は史上最高値を更新した一方で、ビットコインは急落した。これは”デジタルゴールド”として期待される動きとは正反対だ。この1年間、機関投資家が概ね、ビットコインをヘッジ資産ではなくハイベータのハイテク株に近い”リスクオン資産”と見なしていることを裏付けている。

ダリオ氏は、政府や中央銀行の介入から比較的独立しており、インフレ耐性があるハードマネーのカテゴリーにビットコインを含め、少量の保有(ポートフォリオの約1%)を認める発言もしている。しかし同時に、金と比べると依然として不利な点があると指摘し、慎重な姿勢を維持している。

ビットコインの問題点は、主要国の準備通貨にはならないだろうという点だ。なぜなら、ビットコインは追跡可能であり、量子コンピュータなどによって掌握されたりハッキングされる可能性があるためだ。

また同氏は、ビットコインは全ての取引が公開されていて「透明性が高すぎる」点が、中央銀行がビットコインを準備資産として受け入れるのに不向きであると考えている。さらに、ビットコインは自己保管が可能である一方、取引にはグローバルネットワークへの依存があるため、完全な独立性を持たない点が不利といえる。

人類の歴史を通じて、セーフヘイブンとしての実績と信頼を築いてきたゴールド。対して、誕生からわずか17年のビットコイン。世界秩序が根底から揺らぐ歴史の転換点において、この新興資産が『真のデジタル・ゴールド』へと昇華できるのか。その真価が今、かつてない規模で試されようとしている。

関連:著名投資家レイ・ダリオ、「ビットコインは中央銀行に大規模保有される可能性低い」と指摘

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/29 水曜日
17:11
ロシアFSB、テレグラム創業者ドゥロフ氏を国際手配 テロ支援容疑
ロシア連邦保安庁(FSB)は7月29日、テレグラム創業者パベル・ドゥロフ氏をテロ支援容疑で刑事訴追し、国際指名手配したと発表。破壊工作やサイバー詐欺の準備に利用された投稿を同社が削除しなかった点を問題視している。
16:26
カートの先へ、決済大手3社が語るステーブルコイン決済の未来|WebX2026
WebX2026のBinanceステージで、Mastercard・Binance Japan・Ellipticの3社がステーブルコイン決済の現在地を議論。加盟店決済の変化からAIエージェント時代の決済インフラ、断片化する規制対応までをレポートする。
14:52
JPX-QUICK暗号資産指数、参照取引所に4社決定
QUICKとJPX総研は29日、共同運営する「JPX-QUICK暗号資産指数シリーズ」の刷新を発表。bitFlyer・コインチェック等4社が参照取引所に選定された。指数刷新の狙いと今後を解説する。
14:05
2026年上半期の仮想通貨ハッキング被害約11億ドル、件数は史上最多=Blockaidレポート
オンチェーンセキュリティ企業Blockaidが2026年上半期のハッキング動向を公開した。被害件数は史上最多の212件、被害総額は約11億ドルに上った。北朝鮮系ハッカー集団による攻撃が被害額の55%を占め、AIエージェントを狙う新手法も確認された。
13:35
コインベース、FRBのフィンテック向け「決済口座」新設案に意見書 利息付与など3点の改善要望
米仮想通貨取引所コインベースがFRBの限定的な「決済口座」新設案に意見書を提出。制度自体は支持しつつ、利息付与やオーバーナイト残高上限の柔軟化など3点の改善を求めた。
13:15
イオレ、暗号資産HYPEを取得 国内上場企業で初の事例
東証GRT上場イオレは28日、暗号資産ハイパーリキッド(HYPE)を約1,008万円で取得した。国内上場企業として初の事例で、8月末までに購入総額を1億円とする方針だ。
12:48
SECが仮想通貨規則案を検討、クラリティー法停滞の代替策か=投資家
クラリティー法の上院審議が停滞する中、米SEC企業金融局が仮想通貨の募集・売出しに関する規則制定を検討中と規制情報DBで判明。SECとCFTCの共同規制プロジェクトの一環として、法整備の遅れを補う動きとの見方を投資家が示す。
10:54
AdvasaとINTMAX、量子耐性技術で拓く給与前払いEWAの未来|WebX2026
給与前払い(EWA)事業のAdvasaと、量子耐性ブロックチェーンのINTMAX。WebX2026での協業トークを完全レポート。プライバシー保護と即時性を両立するインフラ構想、Qデイに備える技術戦略を解説する。
10:50
米フォーティチュード社、新拠点稼働でジーキャッシュ採掘コスト削減へ
米フォーティチュード社がネブラスカ州の12MW施設を稼働させ、保有電力ポートフォリオが60MW超に拡大した。ジーキャッシュの採掘コスト低減を後押しする動きとして市場の関心を集めている。
10:19
gumiとSBI、仮想通貨ファンド始動 大和証券Gが出資参加
gumi子会社のgC LabsとSBIファイナンシャルサービシーズが共同運営する仮想通貨運用ファンド「SBI Crypto Fund Ⅰ」が8月1日始動。大和証券グループ本社を含む複数投資家が出資し、ファンド規模は30億円程度。
10:15
イーサリアムのレイヤー2総預かり資産50億ドルに縮小
イーサリアムのレイヤー2全体の総預かり資産が約50億ドルまで縮小し、2023年以来の水準となった。楽観的ロールアップが全体の96%を占める中、イーサリアム財団幹部の離脱や機関投資家の代替活用など逆風も重なる。
10:10
コアサイエンティフィック、半導体大手AMDとAIデータセンターで提携 基本契約は2兆円規模
コアサイエンティフィックがAMDとAIデータセンターで提携。2027年から500MW超、将来は最大2.5GWまで拡張可能な容量を提供し、基本契約ベースで140億ドル超の収益を見込む。
09:45
トム・リー氏、クラリティー法が相場回復のカギと指摘
ビットマインのトム・リー会長は、米クラリティー(CLARITY)法が仮想通貨に統一ルールをもたらすと指摘。日本や欧州の規制整備が相場回復を後押ししているとの見方を示し、チャールズ・シュワブなど大手金融機関の支持にも言及した。
09:10
3名の原告がアップルを提訴、BTCウォレットアプリで合計3億円相当が盗難と主張
アップルのアプリストアにあった仮想通貨ビットコインのウォレットを使った3名のユーザーが同社を提訴。アップルの対応が不十分で、合計3億円相当が盗難されたと主張している。
08:30
米上院に量子技術法案提出、仮想通貨のセキュリティにも影響か
米上院に量子技術法案が提出され、量子センサーやポスト量子暗号への移行を後押しする内容が盛り込まれた。ビットコインなど仮想通貨の暗号方式にも将来的な影響が及ぶとみられる。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧