WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米クラリティー法案のボトルネックである『倫理条項』、暫定合意が白紙に 再協議へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 倫理条項で共和党が暫定合意内容を撤回、今週再協議
  • ホワイトハウス事務局長は7月4日成立目標に依然楽観的な見方

倫理条項交渉が暗礁に

米上院でクラリティー法案の本会議採決に向けた倫理条項の合意形成を目指す超党派会合が11日に開かれたが、合意に至らなかったと、クリプト・イン・アメリカが報じた。

会合には民主党のカーステン・ギリブランド議員、ルーベン・ガレゴ議員、共和党のバーニー・モレノ議員、シンシア・ルミス議員、ホワイトハウス仮想通貨評議会のパトリック・ウィット事務局長が参加した。

上院銀行委員会による5月のマークアップ審議に先立ち暫定合意していた内容を、初めて全員で確認する場だった。

事情に詳しい複数の関係者によると、共和党側とホワイトハウスは会合内で暫定合意の主要条件を撤回した。撤回された条項の一つは、トランプ大統領関連の倫理規定の執行を司法省が怠った場合に各州の司法長官が司法省を提訴できる権限を認める内容だった。交渉外の議員から、同権限が与野党を問わず議員への攻撃手段に転用されかねないとの懸念が示されたことが背景にある。

関連記事:米銀行団体がクラリティー法案に反対キャンペーン、仮想通貨業界と対立

米コミュニティ銀行団体ICBAがクラリティー法案のステーブルコイン報酬条項を問題視し、仮想通貨業界に対抗する広告キャンペーンを開始した。1.3兆ドルの預金喪失試算を根拠に規制強化を訴えている。

代替案と憲法上の疑問

共和党は代替案として、執行権限を司法長官に限定する案と、倫理違反への対応手段として弾劾を提示した。しかし民主党はこれらを銀行委員会マークアップ前の合意からの「約束の反故」と位置付け、受け入れなかった。出席者の一人は交渉の状況を「難航している」と評価したという。

提案された州司法長官の提訴権限については、法律専門家からも疑問が呈されていた。ジョージ・メイソン大学の准教授はクリプト・イン・アメリカに対し、「連邦政府が違憲行為を行った場合に州が提訴すること自体は問題ないが、州の司法長官が司法省に行動を強制できるという発想は憲法解釈上まったく理屈が通らない」と述べた。

倫理問題は本会議採決を阻む二つの主要障壁の一つだ。ガレゴ氏やアンジェラ・アルソブルックス氏をはじめとする民主党議員は、トランプ大統領の仮想通貨ビジネス利益に対処する強固な倫理条項が法案に盛り込まれることを支持継続の条件としている。

法執行機関の懸念も焦点に

もう一つの障壁は、法執行機関グループの支持取り付けだ。全米保安官協会、全米警察友愛組合、全米地区検察官協会などの団体は、クラリティー法の一部条項がブロックチェーンを利用したマネーロンダリング等の捜査・訴追を妨げると懸念している。

これらの懸念に対応するため、ホワイトハウス仮想通貨評議会は11日、各団体の代表者を司法省・財務省・金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)の当局者や議会議員とともに招集する会合を開いた。

焦点は法案第604条、ブロックチェーン規制確実性法(BRCA)だ。非カストディアル型ソフトウェア開発者が第三者による違法利用を意図していない限り責任を負わないと明確化する条項で、一部の法執行機関グループは同条項が悪質な行為者の追及を困難にすると主張している。政府当局者側は、この条文が犯罪者を保護するものではなく、マネーロンダリングや制裁回避への対処能力を維持するものだと主張する方針だ。

民主党のマーク・ワーナー議員とキャサリン・コルテス・マスト議員は、法執行機関が懸念を十分に払拭されたと判断しない限り法案を支持しないと表明。上院には夏季休会前の会期日が残り31日しかなく、多くの議員やロビイストは同休会を事実上の期限とみている。

合わせて読みたい記事:グレースケール「ビットコインは割安圏」 クラリティー法が反発の焦点

グレースケール調査部門責任者は9日、ビットコインのオンチェーン評価指標が現在、長期平均を下回る水準にあると指摘するリポートを公表した。

7月4日成立目標は維持

交渉が難航する一方、ウィット事務局長は12日のクリプト・イン・アメリカの番組に出演し、7月4日の成立目標に依然楽観的な見方を示した。農業委員会管轄事項・倫理条項・法執行機関対応の3分野で毎日進展があるとし、「各グループが交渉テーブルで文書をやり取りしており、そのタイムラインを達成できると依然楽観視している」と述べた。

ウィット氏が7月4日(独立記念日)を目標として初めて公言したのは5月7日で、マイアミで開催されたコンセンサス・カンファレンスの場だった。「米国建国250周年を祝うにあたって、素晴らしい誕生日プレゼントになると思う」と語り、上院が6月中に法案を前進させれば、下院が独自の版を可決するための時間が十分に残るとの見通しを示していた。

下院はすでに昨年、独自の法案を可決しており、上院可決後は両院間での条文すり合わせが必要となる。倫理条項交渉グループは米国時間13日に再度集まり、打開を図る予定だ。

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08:25
仮想通貨スカイ価格5倍予想、オフチェーン中央銀行的存在=スタンダードチャータード
米銀行大手スタンダードチャータードがスカイ(旧メイカーダオ)の評価カバレッジを開始し、SKYトークンが2028年末までに現在の5倍の0.325ドルに達すると予想。融資枠拡大が投資家還元を左右する。
06:50
米8月CPI、コア指数が予想上振れ|ビットコインは急伸後反落
米労働省が発表した8月の消費者物価指数はコア指数が市場予想を上回り、FRBの利上げ観測を強めた。仮想通貨ビットコインとイーサリアムは発表後に上昇したものの上値を伸ばしきれず反落した。
06:15
クラリティー法案不成立でも規制明確化へ、コインベースCEOが見方示す
コインベースのアームストロングCEOは、クラリティー法案が不成立でも米規制当局による明確化は確実に進むとの見方を示した。
05:55
メタプラネット、株主意見を踏まえ第10回の潜在株式を41%削減
メタプラネットは第10回新株予約権の対象株式数を696株から410株に変更し、潜在株式数を41.1%削減すると発表した。新株予約権価値約2億2000万米ドルが消失し、完全希薄化後1株当たりビットコインは8.8%増加する。
05:00
メタプラネットが香港子会社設立へ、ビットコイン資産運用体制を強化
日本のビットコイン保有大手メタプラネットは香港に資産運用子会社を設立すると発表した。ビットコイン関連の資産運用機能をアジア地域に拡大し、米国子会社と連携した運用体制を構築する方針だ。
09/11 金曜日
17:32
ビットコイン市場が弱含み、変わらねば調整局面も=アナリスト
アナリストのダークフォスト氏が9月11日、ビットコインの需給動向を分析。現物・先物需要は減速し、機関投資家の指標も悪化。ビットコインETFは2カ月ぶりの大幅流出となり、早期に改善しなければ調整局面もあり得ると指摘した。
16:40
金融庁、4〜6月期の投資商品・暗号資産など詐欺勧誘1961件相談 8割超被害
金融庁が2026年4〜6月期の相談受付状況を公表。投資商品・暗号資産(仮想通貨)等の詐欺的投資勧誘の相談は1,961件、うち1,616件(8割超)で被害発生。暗号資産等の相談は1,374件で前期比92件減。
16:14
ブロックストリーム、リキッド攻撃者への身代金拒否を表明
ブロックストリームが公式X声明で、リキッドネットワークから窃取された約4,000BTCのビットコインについて、攻撃者側への身代金支払いを明確に拒否すると表明。法執行機関や取引所と連携した追跡・法的措置の継続方針を示した。
15:10
イーサリアム、Glamsterdamのテスト実装日を暫定決定
イーサリアム開発者は9月3日、次期アップグレード「Glamsterdam」を10月6日にSepoliaで暫定実装すると決定。テストネットは未完成のまま日程を設定し、バグも見つかっており本番適用の時期は流動的だ。
13:45
イーサリアム、耐量子プライバシー取引のコスト99%超削減案|ヴィタリックが解説
イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が、耐量子署名・プライバシー取引のガス代を大幅削減する新提案「EIP-8288」を紹介した。次期アップグレード「I-star」での採用を視野に、コストを数万ガス規模まで抑える仕組みを解説した。
13:25
欧州金融団体ら、トークン化資産の上限撤廃を要求 拡大続く市場に規制が足かせ
ナスダックなど欧州26団体が、EUの分散型台帳技術パイロット規制におけるトークン化資産の時価総額上限撤廃、または引き上げを求める書簡を提出した。
11:33
英国上院、仮想通貨戦略の策定義務化案を可決 規制競争で欧米に対抗
英国上院は9月9日、仮想通貨・ステーブルコイン・トークン化証券を含むデジタル資産戦略の策定を財務省に義務付ける修正案88を194対138で可決した。EU・米国で規制整備が先行する中、法案は労働党の反対を押し切り英下院での審議に移る。
11:00
マネーグラム、ステーブルコインカードをローンチ
マネーグラムは、ステーブルコインを使用できるマネーグラムカードをローンチ。仮想通貨ステラのブロックチェーンを採用しており、コロンビアから段階的に提供を広げる。
09:59
ステーブルコイン、しきい値上昇で銘柄数が急減=アークインベスト
ステーブルコインは規模が大きいほど生存者が絞られるネットワーク効果が働く。アークインベストのヴァレンテ氏によると、1000億ドル級はテザーとサークルの2社体制に向かう可能性がある。各階層の推移を整理した。
09:45
リップル社、企業財務AI「Gスマート」を機能拡張 人間によるガバナンスなどを強化
リップル社が財務管理プラットフォーム「リップル・トレジャリー」組み込みのAI「Gスマート」を拡張した。予測・リスク管理などの領域で企業ポリシーに基づく機能を追加している。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧