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米クラリティー法案、上院規則の壁で8月成立は困難か=元米国政府関係者が分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 議事規則が可決日程を制約
  • 休会中も条文精査は継続へ

上院の壁

元米国政府関係者のアン・ケリー氏は、SNS上で仮想通貨市場構造法案「クラリティー法」を巡る上院の日程について解説した。上院規則の制約により、8月7日の休会前に同法案の審議を終えるのは極めて難しいとの見方を示した。

上院規則では、一度クローチャー(討議終結の投票)が行われ可決されると、その法案が他の全ての審議に優先する「未了案件」となり、並行して他の係争中の法案を進めることができなくなる。

ケリー氏は、休会までの約2週間で本会議に上程され得る法案として、クラリティー法のほか、有権者資格確認に関するSAVE法、ロシア制裁法案、予算関連法案、大学スポーツ選手の肖像権に関するNIL法案を挙げ、いずれか一つを優先すれば他が後回しになる構造だと指摘した。

仮に本会議で採決に向けた手続きが始まったとしても、討議終結から修正案審議、再討議終結、最大30時間の討議という複数のステップを経る必要があり、争いのある法案でこれを省略する全会一致同意が得られることは稀だという。ケリー氏は、8月上旬までに成立しないとしても、クラリティー法が今年中に廃案になることを意味するわけではないと説明した。

クラリティー法の上院版修正草案は、ステーブルコインの保有だけで得られる利回りを禁止する規定や、政府高官の仮想通貨取引に関する倫理規定などを盛り込んでいるが、中でもケリー氏が強調したのが、仮想通貨取引所が破綻した際の顧客資産保護に関する規定だ。同氏によると、現行制度では顧客の仮想通貨が取引所の資産とみなされ、債権者への弁済に充てられるリスクがあるが、クラリティー法の破産隔離規定はこれを防ぐという。

60票の壁

ケリー氏が指摘した上院規則の壁は、実際の審議入り手続きにもそのまま表れている。米仮想通貨政策専門メディアのクリプト・イン・アメリカは28日、共和党上院議員らが本会議審議入りに向けて動き出したと報じた。ジョン・スーン上院院内総務が採決に向けた手続きを開始する計画だが、前進には討議終結に必要な60票の確保が最大の関門になるとしている。

審議入りの動議提出後、討議終結採決で60票に達すれば本会議討議に移り、修正案の提出が可能になる。再び60票で討議を打ち切った上で、最終的に過半数の51票で可決される流れとなる。

一方、有力な民主党議員7人は、先週公表された修正案草案について倫理規定やDeFi(分散型金融)対策の面で不十分だとの立場を示しているという。

関連記事:米上院共和党、クラリティー法案の本会議入り急ぐ=報道

米上院共和党は今週、仮想通貨市場構造法案であるクラリティー法案の本会議審議入りに向け動き出す。60票の確保が課題となる中、ニューヨーク州司法長官は議会に規制強化を求める証言を提出した。

共和党内の温度差

60票の確保に向けては、民主党側だけでなく共和党内の足並みも課題となっている。共和党のトム・ティリス上院議員は、ホワイトハウスや共和党内で合意された内容より厳格な倫理規定を求め、民主党側が支持できる案を探る超党派協議を主導しているという。

また、共和党のジョシュ・ホーリー、ランド・ポール両上院議員は昨年のジーニアス法にも反対しており、今回の賛否は見通せないとされる。

ケリー氏は、休会中に法案の条文を政府関係者が確認・検討できる状態にしておくことで、上院スタッフによる合意形成作業と合わせ、9月以降の審議加速につながり得るとの見方を示した。

関連記事:ビットコイン原油高で上値重く、クラリティ法案とFOMCが焦点|bitbankアナリスト寄稿

ビットコイン(BTC)は原油高と中東情勢の緊迫化を背景に上値を圧迫され、1090万円タッチ後に1070万円周辺で推移。クラリティ法案の審議進展とFOMCでの追加利上げ姿勢が、次の相場の方向感を左右する。

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