- 開発者向けテストネットは1,000バリデータで検証も不安定
- 2本目テストネットHoodiや本番実装の日程は未定のまま
暫定合意の内容と経緯
イーサリアム(ETH)の開発者は3日開催のオールコアデベロッパーコール(ACDC#186)で、次期アップグレード「Glamsterdam」を公開テストネット「Sepolia」で10月6日13時53分(協定世界時)に稼働させる方針を暫定的に固めた。
ブロックチェーンアナリストのクリスティーン・D・キム(Christine D. Kim)氏は9月11日、自身のニュースレター『ACD After Hours』(前週配信分)の内容をX(旧Twitter)で公開し、この決定に至った経緯と技術的な留保条件を伝えた。
キム氏によると、この決定は、前週に「Hegota」アップグレードでのフレームトランザクション組み込み(SFI)判断があった際と同様、いくつかの留保条件付きとなっている。安定した開発者向けテストネット(devnet)が実現していない段階での日程設定だ。
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イーサリアムの次期アップグレード「Glamsterdam」が最終devnet段階に入った。ePBS導入とブロックレベルアクセスリスト追加を柱に、ガス上限2億・最大1万TPSを目指す。
安定したdevnetが存在しないという懸念
開発者らは、プライベートテストネットでGlamsterdamの実装に一度も成功しないまま、Sepoliaでの日程を決めた。直近のdevnetである「Glamsterdam-Devnet-9」は9月1日に稼働し、これまでで最大となる1,000のバリデータノードを投入したが、正しくブロックを提案・証明するバリデータが不足しており、ファイナライズ(確定)できない状態が続いている。
イーサリアム財団でデベロッパーオペレーションを担当するステファン・スターフリンガー氏はACDCで、「これほど大規模なネットワークを動かして初めて、対処すべきエッジケースや課題がまだ多く残っていることが分かった」と述べた。
同氏によると、前段階の「Devnet-8」ではコンセンサス層(CL)クライアントに重大なバグが見つかり、親ブロックと同一のハッシュを持つブロックを提案するとネットワーク全体が停止する不具合があったという。
実行層(EL)側でも、イーサリアム財団のリサーチャー、マリア・シルバ氏が「状態作成のガスコスト引き上げ」を定めたEIP-8037にバグを確認したと明らかにし、すべてのELクライアントに実装の修正が求められている。
開発者らはこの修正を反映するため、数週間以内に新たなdevnet「Glamsterdam-Devnet-10」を立ち上げる予定だ。ここが安定すれば、レイヤー2やステーキングプロトコルがSepolia更新前に安全にテストできる最後の場になるとみられる。
一方、Devnet-10でも不安定な状態が続いたり重大なバグが見つかったりした場合、Sepoliaでの実装は延期される可能性がある。ACDC#186の司会を務めたイーサリアム財団のパリトーシュ・ジャヤンティ氏は「Devnet-10が失敗すれば個別に判断することになるが、来週中にクライアントのリリースが出るとは考えにくい。
最悪の場合、解決に時間がかかる問題が見つかれば、10月6日のフォーク実施を見送ることを、テスト運用を扱うACDT(All Core Devs Testing)や実行層を扱うACDE(All Core Devs Execution)といった来週の開発者コールで話し合うことになるだろう」と語った。
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Hoodiとメインネットの日程は白紙
Sepoliaを巡るこうした状況を踏まえ、開発者らは2つ目の公開テストネットである「Hoodi」の日程設定を見送ることで合意した。コンセンサスレイヤークライアント「Teku」を手がけるConsensysのエンリコ・デル・ファンテ氏は、「Devnet-9で発生した問題などを踏まえると、まずSepoliaだけを決め、Hoodiは数週間様子を見てから固める方が賢明だと思う」と述べた。
開発者らは年内のイーサリアムメインネットでのアップグレード実装に依然期待を寄せているが、Sepoliaの日程が固まったことで確信が強まったわけではないという。10月6日を上限にSepoliaを設定したことで、12月にメインネットへ実装する余地はわずかに残るものの、実現の可能性が高まったとは言えず、各クライアントの実装がメインネット対応の水準に達しているとみられる根拠も現時点ではない。
イーサリアムは前回の大型アップグレード「Fusaka」を昨年12月にメインネットへ実装し、年2回のアップグレードという目標を達成した。半年に一度という積極的な更新ペースを続けて以降、開発プロセスはスピード重視に変わり、日程の不確実性も増している。今回のGlamsterdamも、同様のペースでの実装を目指す流れの中にある。



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