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米銀行団体がクラリティー法案に反対キャンペーン、仮想通貨業界と対立

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • ステーブルコイン報酬条項をめぐり銀行と仮想通貨業界が対立激化
  • 1.3兆ドルの預金喪失・8,500億ドルの融資減少をICBAが試算

ICBA、仮想通貨に対抗

米コミュニティ銀行業界団体のICBA(独立コミュニティバンカーズ・オブ・アメリカ)は11日、仮想通貨業界を念頭に置いた広告キャンペーンの開始を発表した。仮想通貨製品・サービスの急速な普及が地域コミュニティと消費者に及ぼすリスクへの対応を訴える内容だという。

キャンペーンでは、コミュニティ銀行が米国の中小企業向け融資(100万ドル未満)の約60%、農業融資の80%以上を担い、地域に4.1兆ドルの融資を提供していると訴える。ステーブルコインへの利回り・収益付与を認めた場合、1.3兆ドルの預金流出と8,500億ドルの融資減少につながるとの試算も示した。

ICBAのレベカ・ロメロ・レイニー代表兼最高経営責任者(CEO)は「コミュニティ銀行はメインストリート(地域経済)の屋台骨だ。アメリカ人は地域経済を気にかけているが、仮想通貨企業に抜け穴を与えるリスクについてはほとんど知らない」と述べた。

関連記事:JPモルガン「クラリティー法案の成立余地縮小」、中間選挙前の成立を疑問視

JPモルガンのアナリストは、米中間選挙の接近とステーブルコイン利回りをめぐる論争を背景に、仮想通貨市場構造法案の今年中の成立余地が縮まっているとの見方を示した。

クラリティー法をめぐる対立

今回のキャンペーンの直接的な背景には、上院で審議中の仮想通貨市場構造法案「クラリティー法」をめぐる攻防がある。同法案は仮想通貨業界への連邦レベルの規制を初めて設けることを目指しており、上院銀行委員会は5月15日に賛成15・反対9で可決した。

最大の争点はステーブルコインへの報酬付与条項だ。委員会審議では、残高保有に対するパッシブな報酬を禁止し、取引利用など特定の行動に連動した報酬を容認する条文が採択された。ICBAはこの条文が不十分だとして規制強化を求め、今回の広告キャンペーンに踏み切った。

銀行業界トップからも懸念の声が上がっていた。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは5月29日、フォックスビジネスの番組に出演し、現行法案は仮想通貨企業に銀行水準の保護措置なしで事実上の利息支払いを許容していると批判した。「このまま成立すれば最終的に破綻するだろう」とし、JPモルガンとして一切関与しない姿勢を示した。

一方で、仮想通貨業界側は即座に反発した。デジタルチェンバーのコーディ・カーボンCEOは「ICBAのキャンペーンはメインストリートを守るものではなく、時代遅れのビジネスモデルを競争から守るものだ」と批判した。ブロックチェーン・アソシエーションのサマー・マーシンガーCEOも、クラリティー法の新条文は消費者を保護し仮想通貨を初めて規制の枠内に取り込むものだとして、ICBAの立場に異議を唱えた。

JPモルガンのアナリストは先週公表したリポートで、上院本会議での60票確保、下院との条文すり合わせ、大統領署名という3段階の手続きが残っており、夏季休会明け後は中間選挙対応で審議期間が約8週間に限られるとして、年内成立の余地が縮まっていると分析した。

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