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ステーブルコインは「日常のお金」になれるか? 4600人調査が示す普及の実態と課題

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインの日常利用が拡大

企業向けにステーブルコインのインフラを提供するBVNKは、市場調査・データ分析企業YouGov、コインベース、Artemisと共同で「ステーブルコイン実用性レポート」を発表した。レポートからは、ステーブルコインが暗号資産(仮想通貨)取引の枠を超え、日常的な決済や給与の受け取りなど、実生活での利用が進んでいる実態がが明らかになった。

このレポートは、15カ国で18歳以上の成人4,658人を対象に行われたもので、7つの地域に分類され、データが分析された。現在ステーブルコインを含む仮想通貨を保有する個人(過去1年以内に保有または今後1年以内に保有予定の者も含む)から回答を得た。この調査は2025年9月から10月にかけて実施された。

ステーブルコインの保有は増加の傾向にあり、回答者の半数が過去12ヶ月以内に保有量を増加させた。また、56%が今後1年間で保有量をさらに増やす予定で、非保有者の13%は保有を開始すると回答した。

ステーブルコインに対する需要の高まりは、発展途上国で特に顕著となっている。ナイジェリアと南アフリカの回答者の約80%が既にステーブルコインを保有しており、75%以上が2026年中にさらに保有量を増やす意向を示した。

また、現在はステーブルコインを保有していない層においても、低・中所得国における「保有の意向」は高所得国の約2倍に達した。中でもナイジェリアでは、95%が法定通貨ナイラ(Naira)よりもステーブルコインでの支払いを好むと回答している。

BVNKの共同創設者であるクリス・ハームス氏は、特に従来の決済手段が不便でコストが嵩む地域、あるいは信頼性が低い地域においては、人々はステーブルコインで報酬を受け取り、支払いを行うなど、既に日常的に使用していると指摘した。

ステーブルコインで報酬を受け取るフリーランサー・ギグワーカー・マーケットプレイス販売者においては、収入の約35%をステーブルコインで受領している。

調査したフリーランサー・ギグワーカーのうち、73%が仮想通貨とステーブルコインにより国際的な仕事の能力が向上したと回答。そのうち46% は「大幅な改善」と評価した。

マーケットプレイス販売者の場合、76% が売上高または顧客基盤の改善を実感し、そのうち41%は「大幅な改善」であるとしている。

国際的な顧客からのステーブルコイン受け入れの興味は高く、全体で77%が興味あり、そのうち44%が「非常に興味がある」と回答した。

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銀行やフィンテックにはチャンス

調査では、ステーブルコインの取得および管理方法として、46%が中央集権型取引所の利用を好むと回答。仮想通貨機能を持つ決済アプリが40%と続いた。

一方、77%は銀行アプリまたはフィンテックアプリ内でステーブルコインウォレットの開設が可能ならば、開設したいと回答。ステーブルコイン利用者の71%はステーブルコイン連動型デビットカードを利用する意向を示している。このことから、既存金融に対するユーザーの信頼は依然として高く、ステーブルコイン利用者の大多数が銀行によるサービス提供を望んでいることが明らかになった。

また、ステーブルコイン決済への対応は、新規顧客の獲得にもつながる。調査では、保有者の2人に1人が、ステーブルコイン決済への対応を理由に特定のサービスや店を選んだ経験があると回答した。

手数料の安さ(30%)やセキュリティ(28%)、グローバルなアクセスのしやすさ(27%)といった要因により、ステーブルコインの普及は進んでいる。

一方で、利用者は決済プロセスに明確なフラストレーションを抱えており、特に以下の点が指摘されている。

  • 取り消し不能な支払いと資金損失のリスク(30%)
  • 支払い完了までの手順の煩雑さ(22%)

レポートは、「消費者がステーブルコイン決済が他の決済手段と同様に機能することを望んでいるが、そこにはまだギャップがある」と指摘している。

その一つが、現在の支出と希望する支出間のギャップだ。ステーブルコインを利用したいという意向は、調査対象のすべてのカテゴリーで現在の支出を上回っている。

現状と希望のギャップが特に大きかったのは、主要な購入やライフスタイル関連の支出(家、車、旅行など)で、現在ステーブルコインで支払っている人は28%であるのに対し、42%がステーブルコインを利用したいと回答した。

一方で、日常的な支払いとサブスクリプション支出(例:NetflixやAppleなどの定期支払い)は、グローバルで希望する支出のトップに位置づけられており、合わせて46%がこれらにステーブルコインを使いたいと考えている。

このようなユーザーの「使いたい」欲求が実際の利用を大幅に上回るこのギャップは、受け入れの不足やユーザー体験の複雑さが主な原因だとレポートは指摘。ステーブルコイン普及に必要なものを次のように総括した。

インフラはすでに整っている。需要も存在している。欠けているのは、それらを結びつける仕組み――受け入れ体制、使いやすさ、利用者保護だ。

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